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教育環境分科会 2023年度会合 生成AIを活用した教育実践の現状と課題

印刷用ご案内

日時 2023年10月27日(金) 13:40-17:10
開催方法

ハイブリッド開催 集合+オンライン開催(Zoom)

会場

場所:神戸国際会議場
ハイブリッド開催 集合+オンライン配信(ZOOM)
※新型コロナ感染の状況を踏まえ、参加にあたりましては各自でご判断いただきますようお願いします。

参加対象 SS研会員、CS研会員、IS研会員の各機関ご所属の方
参加費 無料
参加申し込み 開催済み
その他 本会合は、2023年度秋イベント(26日:システム技術分科会合同分科会、27日:科学技術計算分科会、教育環境分科会)の一部です。

開催趣旨

生成AIの普及により、さまざまな場面での活用が進んできています。SS研教育環境分科会では、2023年8月に「生成AIの教育利用を考える」というタイトルでSS研教育環境フォーラム2023を開催し、生成AIの仕組みや教育利用における利点、問題点について議論しました。
 本会合では、生成AIの教育利用についてより具体的に考えるために、語学や工学、教職など様々な分野における教育実践をご紹介いただき、今後の展開と課題について議論していきます。

プログラム(敬称略)※予告なく変更する場合がございます。予めご了承下さい。

【公開可能な資料のみ本ページに掲載】

13:30- アクセス開始
[司会] 松葉 龍一 (東京工科大学)
13:40-13:45
開催趣旨説明
村上 正行 (大阪大学)
13:45-14:15
講演 25分
Q&A 5分

講演1
「生成AIは英語教育に何をもたらすのか?
  ―ChatGPT登場のインパクト―」
金丸 敏幸 (京都大学)プロフィール
 

生成AIの登場によって、高等教育は大きな影響を受けることが予想される。これまでのような授業では、学習者の安易なAI利用によって十分な学習効果が得られなくなる可能性もある。とりわけ日本の英語教育は、教師による指導というあり方から、AIを活用できる自律的学習者の育成へと大きな発想の転換が求められる。今回、AIを活用した自律的学習(AI-Assisted Autonomous Learning: AAAL)という考え方を紹介し、学び続けることのできる学習者の育成という新たな教育観について述べる。

生成AI, 英語教育, 協同学習, 自律的学習, AAAL
プレゼン資料(PDF:524KB)
14:15-14:45
講演 25分
Q&A 5分

講演2
「文系大学のデータ教育と生成AI
 ~これからのデータリテラシー教育~」
中鉢 直宏 (高崎商科大学)プロフィール
 

ChatGPTをはじめとする生成AIの登場は、大学をはじめとする教育界への影響は少なくない。教育現場では、どのように向き合い、既存の教育との折り合いをつけて活用させるか思案を重ねている。生成AIの影響は、データサイエンス教育も同様で、ChatGPTのAdvanced Data Analysis機能や新しい生成AIツールの登場により、生成AIは、データ加工から分析方法の選択、データ分析、グラフなどの視覚化まで可能にした。このことはデータリテラシーレベルの教育へのインパクトが大きい。このような様々な環境変化を踏まえ、新しい教育の在り方を考える。

データリテラシー, 生成AI, 一般情報教育, ChatGPT, データサイエンス
プレゼン資料(PDF:1.7MB)
14:45-15:00 休憩(15分)
15:00-15:30
講演 25分
Q&A 5分

講演3 ※リモート講演
「『学修者本位の教育』を実現させるための生成AIを用いた教職支援とは」
森本 康彦 (東京学芸大学)プロフィール
 

学修者本位の教育の実現には、学修者自身が「何を学び、何ができるようになったか」という視点が大切です。学びの主役は学修者であり、生成AIには、学びを主導する学修者に、タイミングよくナイスアシストをしてくれたり、時にはそっと背中を押してくれたり、何気に誘導してくれたりするeパートナーとしての役割を与えることが必要です。そこで、本講演では、教員養成課程において、学修者本位の教育を実現させるための生成AI活用のあり方やその方法について議論します。

 生成AI活用,eポートフォリオ,学習データ,学習支援,学習評価,教員養成
プレゼン資料(PDF:5.9MB)
15:30-16:00
講演 25分
Q&A 5分

講演4
「学習段階に応じた生成AI利用教育提案」
村上 祐子 (立教大学)プロフィール
 

生成AIの社会受容の進展は急速に進むと考えられるが、分野や地域・機関によって変容の在り方は異なると予想される。教育現場でも学習者のニーズによって異なる内容・教育方法が求められることになる。当講演では高等教育における学習段階による学習項目の提案を行う。

生成AI,情報教育, 高等教育, 科学コミュニケーション
16:00-16:15 休憩(15分)
16:15-17:05
50分

パネルディスカッション
「生成AIを活用した教育実践の現状と課題」
ファシリテーター:
 重田 勝介 (北海道大学)
パネリスト:
 金丸 敏幸 (京都大学)
 中鉢 直宏 (高崎商科大学)
 森本 康彦 (東京学芸大学)
 村上 祐子 (立教大学)
17:05-17:10
閉会挨拶
隅谷 洋 (広島大学)

講演者

「生成AIは英語教育に何をもたらすのか?
  ―ChatGPT登場のインパクト―」

lecturer
金丸 敏幸(Kanamaru Toshiyuki)
京都大学 国際高等教育院 准教授
[略歴]
2001年京都大学総合人間学部卒業、2003年京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程修了、2006年同博士後期課程単位取得認定退学。京都大学博士(人間・環境学)。専門は理論言語学・自然言語処理・英語教育。京都大学の新入生全員が利用する英語e-Learningシステム「GORILLA」を開発し、その運用に携わる。著書に、『京大・学術語彙データベース基本英単語1110』(研究社:共著)、『TOEFL ITPRテスト 公式テスト問題&学習ガイド』(研究社:共著)などがある。現在、一般社団法人大学英語教育学会(JACET)理事。英語教育とChatGPTに関する講演・メディア掲載として、「ChatGPTが語学(英語)教育に与えるインパクト」/【第63回】大学等におけるオンライン教育とデジタル変革に関するサイバーシンポジウム「教育機関DXシンポ」(2023/3/29 オンライン開催)、「生成AI、英語学習に見直し迫る柔軟な教え方が重要に」(2023/6/6日本経済新聞)他多数。

「文系大学のデータ教育と生成AI
  ~これからのデータリテラシー教育~」

lecturer
中鉢 直宏(Chubachi Naohiro)
高崎商科大学 商学部 講師
[略歴]
2008年9月-2013年8月 青山学院大学 附置情報科学研究センター 助手
2014年5月-2016年3月 島根大学 教育・学生支援機構教学企画IR室 助手
2016年4月-2021年3月 帝京大学 高等教育開発センター 助教・講師
2021年4月-現在 高崎商科大学 商学部経営学科 講師
[研究分野、研究テーマ]
  • 情報教育学(一般情報教育、データリテラシー)
  • 情報システム学
  • 教育工学
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 情報処理学会
  • 情報システム学会
  • 教育工学会

「『学修者本位の教育』を実現させるための生成AIを用いた教職支援とは」

lecturer
森本 康彦(Morimoto Yasuhiko)
東京学芸大学 ICT/情報基盤センター 教授
[略歴]
専門は教育工学。
 学習院大学理学部数学科卒業後、東京学芸大学大学院教育学研究科修了、修士(教育学)。長岡技術科学大学大学院工学研究科博士後期課程修了、博士(工学)。 三菱電機株式会社情報技術総合研究所勤務の後、広島市立牛田中学校教諭(数学)、千葉学芸高等学校教諭(情報)、富士常葉大学准教授を経て、2009年東京学芸大学情報処理センター准教授、2017年同大学教授。2020年から現職。 エンジニアとして、また、中学校、高校教諭としての経験に加え、教育工学の知見を生かしながら、これからの学校教育に欠くことのできない、先進的な研究に従事している。
[研究分野、研究テーマ]
  • eポートフォリオ
  • eラーニング
  • 初等中等教育におけるICTを活用した学びとその評価
  • 教育AI活用
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 日本情報科教育学会 会長
  • 日本教育工学会 理事
  • 教育システム情報学会2018年度および2020年度論文賞を受賞

「学習段階に応じた生成AI利用教育提案」

lecturer
村上 祐子(MURAKAMI, Yuko)
立教大学 大学院人工知能科学研究科・文学部 教授
[プロフィール]
 立教大学大学院人工知能科学研究科教授。Ph.D (philosophy, Indiana U). 国立情報学研究所、東北大学を経て現職。応用哲学会会長、日本哲学会理事、科学基礎論学会理事、日本科学哲学会理事。電気情報通信学会技術と社会・倫理研究会専門委員、IEEE Society on Social Implications of Technology Japan Chapter.
[研究分野、研究テーマ]
  • 情報哲学・情報倫理
  • 道徳推論体系
  • 科学哲学
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 応用哲学会
  • 日本哲学会
  • 日本科学哲学会
  • 科学基礎論学会
  • 情報処理学会
  • IEEE