ブログ

SS研HPCフォーラム2021 Society5.0 × HPC ~支える人、活かす人~

印刷用ご案内

日時 2021年9月2日(木) フォーラム 13:00-17:30
※17:45~ 有志による意見交換会を開催
開催方法 オンライン開催(ZOOM)
参加対象 SS研会員に限らず、どなたでも参加可能。
参加費 無料
参加申込み [開催済]
その他 SS研では本フォーラム以外に以下のオープンフォーラムを開催します。
ご興味がございましたら是非ご参加ください。

開催趣旨

 今後の日本が目指すべき社会の姿としてSociety 5.0が提唱されています。 Society 5.0ではインターネットに繋がることが当たり前となったSociety4.0(情報社会)から、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)が高度に融合した社会への変革になります。HPCはSociety 5.0においても引き続き基盤を成す技術の1つであると考えられますが、HPCがそこで何が出来るのか、具体的な姿は未だ見えていません。そこで本フォーラムでは、「Society5.0× HPC ~支える人、活かす人~」と題し、Society 5.0に対応した計算機システムやSociety 5.0ではHPCをどのように活用するのかに関して講演を行います。今回も残念ながらオンライン開催となりますが、今後HPCがどのようにSociety 5.0に対応していき、その社会を実現させていくのが皆様とともに議論を行いたいと考えます。

プログラム(敬称略)※予告なく変更する場合がございます。予めご了承下さい。

【公開可能な資料のみ順次本ページに掲載予定】
※17:45~ 有志にて意見交換会を開催します。

13:00- 開始
[前半司会]南里 豪志(九州大学)
13:00-13:05
開催趣旨説明
深沢 圭一郎(京都大学)
13:05-14:05
講演 50分
Q&A 10分
講演
「mdx:データ科学、データ駆動科学のための情報基盤」
田浦 健次朗(東京大学) プロフィール
 

mdxはデータ科学・データ駆動科学にフォーカスした情報基盤であり, 仮想化技術を用いたマルチテナント(クラウド)環境であり, プロジェクトごとに環境をカスタマイズすることが可能, 他のプロジェクトと強固に分離された環境を提供可能, などの特徴を持つ. 特徴を活かして提供するサービス像と, 各分野の専門コミュニティの協力を得ながら取り組んでいきたい事業の計画について述べる.

 mdx,仮想化基盤,データ利活用,ビッグデータ
14:05-14:15 休憩(10分)
14:15-14:45
講演 20分
Q&A 10分
講演
「スマートシティ向けの大規模時空間データ解析」
姜 仁河(東京大学) プロフィール
 

モノのインターネット(IoT)、ビッグデータ、人工知能技術の急速な発展に伴い、スマートシティは新しい科学技術分野として各国の政府や産業界から非常に重視されている。これを背景にし、私はスマートシティ向けの大規模時空間データ解析技術を研究開発している。特に、人のモビリティデータ(GPS軌跡データ)に基づき、深層学習をはじめとする最先端の人工知能技術で、都市規模の人流・交通流を効果的にモデリング・予測するのは私の研究テーマになる。

 時空間データ,人流・交通流,スマートシティ,深層学習,人工知能,データ科学
14:45-15:15
講演 20分
Q&A 10分
講演
「地域資源を活用した物質・エネルギー生産システム設計のためのシミュレーション基盤の開発」
兼松 祐一郎(東京大学) プロフィール
 

脱炭素、SDGs、地域創生などの背景の中で、各地域に賦存する資源を活用した物質・エネルギー生産の検討が活発化している。そのような地域システムの設計に向けた技術導入効果の評価にはシミュレーションが重要な役割を担うが、多様かつ分散したデータや数理モデルを扱うため容易ではなく、現状では大きな時間と労力を要している。その高速化・省力化を目指して、個別に開発されてきたシミュレータやデータソースを統合するシミュレーション基盤の開発について、データ活用社会創成プラットフォーム「mdx」との連携も含めた取り組みを紹介する。

 社会実装, オープンデータ, 再生可能エネルギー,資源循環, ライフサイクル評価
[後半司会]伊達 進(大阪大学)
15:15-16:15
講演 50分
Q&A 10分
講演
「クリーンエネルギーシステムのスーパーシミュレーション」
吉村 忍(東京大学)プロフィール
 

本発表では、石炭ガス化炉及び大型洋上風力発電を対象とした、「富岳」を用いたマルチスケール・マルチフィジクス統合シミュレーション(スーパーシミュレーション)について述べる。ここでは、並列LES燃焼解析コードFFR-Combと並列熱伝導解析コードADVENTURE_Thermal、並列LES解析コードFFBと並列構造解析コードADVENTURE_Solidを並列カプラREVOCAP_Couplerを介して連携させ、実機の大規模連成解析を実現する。

 流体構造連成解析, 分離型解法, 並列計算,クリーンエネルギー,ガス化炉,洋上風力発電
16:15-16:25 休憩(10分)
16:25-17:25
講演 50分
Q&A 10分
講演
「大規模並列環境での機械学習処理とその応用~「富岳」におけるMLPerf HPCや津波AIへの応用~」
福本 尚人
(富士通株式会社 先端コンピPJ プロジェクトM)
 

 近年、深層学習に代表される機械学習処理では、学習するデータ量の増加やニューラルネットワークの複雑化に伴い、必要とする計算量が膨大なものとなっており、機械学習が必要とする計算量は5年で30万倍とムーアの法則をはるかに超える速度で増加している。この機械学習が必要とする膨大な計算量に応えるためには、プロセッサの単体性能の向上だけでなく、多数のプロセッサを大量に並列に並べる大規模並列計算が必要である。そこで、大規模並列環境を用いた機械学習の実例として、MLPerf HPCベンチマークへの取り組みについて説明し、さらにその応用として、「富岳」を活用した津波シミュレーション結果をAIで学習させた事例について説明する。

 大規模計算, 機械学習, 深層学習、シミュレーション, 「富岳」
17:25-17:30
閉会挨拶
田中 輝雄 (工学院大学)
17:45-19:00
※有志にて意見交換会を開催します。(意見交換会については、メディア・会員外ベンダー参加不可)
軽食や飲み物を取りながらHPCに関する意見交換を行います。ZOOMのブレイクアウトセッションを使ってグループ分けを行い、自由に意見交換をします。お気軽にご参加ください。(軽食や飲み物は各自ご準備ください)

講演者 

「mdx:データ科学、データ駆動科学のための情報基盤」

lecturer
田浦 健次朗(Taura Kenjiro)
東京大学大学院情報理工学系研究科 教授
[略歴]
1996年6月, 東京大学大学院理学系研究科 情報科学専攻 博士課程を退学し,同専攻助手となる. 1997年に同専攻 理学博士(論文)を取得. その年の7月から2000年6月まで, 学振在外研究員としてUniversity of California San Diego校 客員研究員. 帰国後, 2001年4月より東京大学大学院 情報理工学系研究科 電子情報学専攻講師, 2002年4月より同准教授, 2015年4月より教授.2018年4月からは情報基盤センター長も務め, 現在に至る.

「スマートシティ向けの大規模時空間データ解析」

lecturer
姜 仁河(JIANG Renhe)
東京大学 情報基盤センターデータ科学研究部門 助教
[略歴]
講演者は2019年東京大学工学系研究科社会基盤学専攻で博士(工学)を取得した後、同大学情報基盤センターデータ科学研究部門の常勤助教に就任した。それと同時に客員研究員として同大学空間情報科学研究センターにも在籍している。大規模な時空間データ解析技術とスマートシティ向けの深層学習技術について、長年にわたって研究してきた。数多くの研究成果を人工知能分野とデータサイエンス分野のトップレベルの国際学術誌(IEEE TKDE, ACM TIST, ACM TDS, ACM TKDD, Neurocomputing)や国際学術会議(AAAI, KDD, UBICOMP, SIGSPATIAL, ICDE, ECML PKDD, IEEE Big Data, MIPR)において発表した。また、2019年経済産業省が主催した「国立公園の観光宿泊者数予測」データ分析コンテストにて1位を獲得した。Yahoo! Japan研究所、NTTドコモ、BlogWatcher、トヨタ自動車等の企業と共同研究を実施し、社会実装へ向け応用可能な時空間データ解析技術に取り組んでいる。現在、東大情報基盤センターでmdxの立ち上げに関する一連の業務を担当している。

地域資源を活用した物質・エネルギー生産システム設計のためのシミュレーション基盤の開発

lecturer
兼松 祐一郎(Kanematsu Yuichiro)
東京大学「プラチナ社会」総括寄付講座 特任助教
[略歴]
東京工業大学工学部化学工学科、東京大学大学院工学系研究科化学システム工学専攻(修士)を経て、2007年4月より株式会社菱化システム科学技術システム事業部計算科学部にて化学反応シミュレーションソフトウェアの技術サポートに従事。2014年4月より東京大学「プラチナ社会」総括寄付講座にて学術支援専門職員を務めながら、「農林業地域における産業共生の計画支援」をテーマとして2018年9月に博士(工学)を取得。2018年10月より現職
[研究分野、研究テーマ]
・地域への技術導入を支援する情報基盤開発
・新興技術のライフサイクル評価
・技術・業務・データのモデリング
[所属学会、受賞歴、著書など]
・化学工学会
・日本LCA学会等

「クリーンエネルギーシステムのスーパーシミュレーション」

lecturer
吉村 忍(Yoshimura Shinobu)
東京大学副学長、大学院工学系研究科教授
[略歴]
1987年3月 東京大学大学院工学系研究科博士課程修了(原子力工学)、工博
1987年4月 東京大学工学部専任講師、助教授(原子力工学科)
1992年6月 東京大学人工物工学研究センター助教授(製造科学部門)
1999年4月 東京大学大学院新領域創成科学研究科教授(環境学専攻)
2005年4月 東京大学大学院工学系研究科教授(システム量子工学専攻)
2008年4月-現在 東京大学大学院工学系研究科教授(システム創成学専攻)
2014年4月-2017年3月 東京大学大学院工学系研究科副研究科長
2017年4月-現在 東京大学副学長(産学協創担当)
[研究分野、研究テーマ]
・計算力学
・知的シミュレーション
・システムデザイン学
[所属学会、受賞歴、著書など]
・国際計算力学連合(IACM)副会長・理事・フェロー
・アジア太平洋計算力学連合(APACM)会長・理事
・日本学術会議会員・第三部部長
・APACM計算力学賞(2013)
・IEEE/ACM SC06 Gordon Bellファイナリスト(2006)
・文部科学大臣表彰・科学技術賞(開発部門)(2009)