矢野修一
| 「日本の近代とは何であったか―問題史的考察」 三谷太一郎(著)岩波新書 |
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現代日本を代表する知性の一人が「議論による統治」を「近代」の指標としつつ、明治以後の政党政治、資本主義、植民地、天皇制を論じた刺激的な書。日本の政治が立憲的独裁の性格を強める中、デモクラシーや平和主義を考えるうえで必読である。 |
| 「時間かせぎの資本主義―いつまで危機を先送りできるか」 ヴォルフガング・シュトレーク(著), みすず書房 |
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貨幣で時間を買い、危機を先送りし続けるシステムの機能不全を解き明かし、「国民国家にまだわずかに残された余力」による危機打開の方向を目指す。Brexitやトランプ現象の本質は何か、世界で今何が起きているのかに関心のある学生必読。 |