図書館の蔵書検索(OPAC)は探したい資料のキーワードを入力するだけで様々な資料を検索してくれます。書名や著者名、件名等の書誌情報から図書館システムが自動的に検索語を切り出して登録することにより、瞬時に検索結果を提供しているのです。詳細検索を使えば出版年や言語、分類などの項目で絞り込むことも出来て、大学生としての学修になくてはならない必須アイテムとなっています。しかし詳細検索の画面で用意されている項目では検索できないケースもあります。例えば「龍大出身者の著作」で絞り込みたい場合などです。書誌情報には著者の出身大学の情報は持っていませんし、この本の著者が龍大出身かどうかを判断できるほど図書館システムは物知りでもありませんし、賢くもありません。
そこで図書館スタッフが「龍大出身者の著作」というタグを設定して書誌情報に紐づけて検索できるようにしています。図書館システムには現在200 種以上のタグが登録され、約8 万冊の資料にタグが設定されています。どのようなタグが登録されているのかは下記の手順で表示させてみてください。この記事ではその中からいくつかのタグをピックアップして紹介します。
龍谷大学出身者が政治、経済、教育、芸能、スポーツあらゆる分野で活躍しています。著作を出版される方もたくさんおられます。直木賞作家の川越宗一さんやタレントの故やしきたかじんさんの著作も見つかります。皆さんの先輩方が執筆された著作を読めば、それに込められた熱意が感じられることでしょう。そして皆さんも将来、本を出版されたら後輩のために図書館へ寄贈をお願いします。
大学の役割の柱の一つが研究です。先生方の日々の研究成果を出版物という形で社会へ還元しています。商業ベースに乗りにくい学術書は、その経費の一部を大学が助成し出版することがあります。本学にも出版助成制度があり、研究所が出版する叢書シリーズなどが該当します。難しく感じるかもしれませんが、授業では参考文献に指定されたり、プリントが配付されたりすることもありますので、皆さんの身近な資料でもあります。
「芥川賞受賞作」「 直木賞受賞作」
皆さんよくご存じの日本を代表する文学賞です。1935 年に創設され、芥川賞は純文学、直木賞は大衆文学から年に2回選考されます。現役大学生の宇佐見りんさんの『推し、燃ゆ』の芥川賞受賞や前述の龍大出身者の川越宗一さんの『熱源』の直木賞受賞は記憶に新しいところです。新聞などでも大きく取り上げられ、ベストセラーに成長しました。もちろん本学でも所蔵していて、貸出が多い図書です。
「本屋大賞受賞作・ノミネート作」
芥川賞・直木賞は現役作家が選考委員を務めるのに対し、本屋大賞は書店員の投票によってノミネート作品および受賞作が決定される文学賞です。創設は2004 年、比較的新しく、ノミネートされると芥川賞・直木賞よりも売り上げ部数が伸びる傾向にあり、映画化される作品も多いです。確かに読んでみるとどれも面白く、途中で止められなくなります。テストの前日に読み始めないことをお勧めします。
「書評リンクあり」
皆さんはどのようにして読む本を選んでいますか。稀代の読書家として有名な出口治明さん(ライフネット生命創業者、現立命館アジア太平洋大学学長)は新聞の書評欄を活用して読む本を選んでおられるそうです。書評委員として選ばれた一流の先生方が署名入りの書評を書くのですから特に良書を選んで、その面白さを端的に紹介している、とご著書で紹介されています。また出口さんご自身もたくさんの書評を書かれています。
新聞や雑誌に掲載された書評は、最近ではWeb にも転載され、過去の書評にも簡単にアクセスできるようになっています。また書評専門のサイトもあります。書評サイトに掲載された本には、そこへのリンクを貼って、「書評リンクあり」のタグを付けて紹介しています。OPAC 画面の最下段に書評サイトへのリンクを貼っていますので、皆さんが読む本を選ぶ際の参考にしてください。
書評というのは決して専門家だけが書くと決まっているわけではありません。例えば書評専門誌の「週刊読書人」には『書評キャンパス』というコラムが連載されています。これは大学生書評家を育てることを目的に現役大学生が自ら選書、書評する企画として5 年ほど前から始まりました。年度毎にまとめて『書評キャンパスat 読書人』という書籍になって出版され、図書館にも所蔵しています。皆さんと同じ大学生がどんな本を選び、どんな書評を書いているのか、興味ありませんか。『書評キャンパス』では応募を随時受け付けていますので我こそはと思う方は是非応募してください。
本学でも実施しているビブリオバトルや昨年10 回目を迎えた「私のお薦め本コンテスト」も知的な書評合戦です。こちらも皆さんの積極的な参加をお待ちしています。