システム技術分科会 2024年度会合 無線通信の未来展望 ~ここに来ればミライが見える!ワイヤレスネットワークの将来を語ろう!~

印刷用ご案内

日時 2024年10月29日(火) 9:00-12:00
会場 場所:神戸国際会議場
ハイブリッド開催 集合+オンライン配信(ZOOM)
参加対象 SS研会員、CS研会員、IS研会員の各機関にご所属の方
参加費 無料
参加申込み 開催済
その他 本会合は、2024年度秋イベント(28日:科学技術計算分科会教育環境分科会BoF、29日:システム技術分科会、合同分科会)の一部です。

開催趣旨

無線通信技術は、私たちの社会と経済を支える重要な基盤となっており、現代社会において無くてはならないインフラとして当たり前の存在になってきている。スマートフォンをはじめとするモバイルデバイスの普及により、無線通信は人々の生活に深く根付いている。今日の世界では、無線通信は単なる通信手段を超えて、情報の共有、業務の効率化、社会的つながりの強化、そして経済成長の推進など、多岐にわたる役割を果たしている。

5Gの普及はその代表的な例であり、広帯域かつ低遅延の通信により、IoT、スマートシティ、自動運転など、これまで実現不可能だった革新的なサービスを可能にしている。これにより、都市のインフラがスマートに管理され、交通の効率化やエネルギーの最適化が進み、生活の質の向上と持続可能な社会の実現に貢献している。さらに、現在研究が進められている6G 技術は、さらなる通信の広帯域化やネットワークの拡張を実現し、新たな社会的価値を創造することが期待されている。

また、無線LAN(Wi-Fi)は、大学や企業、公共施設、家庭などあらゆる場所で利用されており、インターネット接続の主要手段として不可欠な存在となっている。大学や企業などにおける無線LAN の運用とその長い歴史から得られたノウハウは、無線通信技術の進化を支える重要な知見を提供する。こうした知見は、新しいネットワークインフラの構築や、より効率的で信頼性の高いネットワークの運用に向けた指針となる。

さらに、ローカル5G の実証実験も各地で進行中である。ローカル5G は、特定の地域や用途に応じてカスタマイズされたネットワークを構築し、産業のデジタルトランスフォーメーション(DX)や地域社会の活性化に大きく寄与している。例えば、スマートファクトリーやスマート農業、遠隔医療など、多様な分野でローカル5G の利活用が期待されており、社会の多様なニーズに対応する柔軟な通信インフラの提供が進んでいる。

このような状況を踏まえ、本年度のシステム技術分科会2024 年度会合では、無線通信技術の社会的役割とその重要性について深く掘り下げ理解を深めるために、「無線通信の未来展望~ここに来ればミライが見える!ワイヤレスネットワークの将来を語ろう!~」をテーマとし、無線通信の進化が社会にもたらす変革をともに見据え、その進化がもたらす新しい可能性に向けた議論を行いたい。

プログラム(敬称略)※予告なく変更する場合がございます。予めご了承下さい。

【公開可能な資料のみ会合後に掲載予定】

8:30- 受付開始(現地)
8:50- アクセス開始(オンライン)
 [司会]永田 正樹 (静岡大学)
9:00-9:05
開催趣旨説明
藤村 丞 (福岡大学)
9:05-9:40
講演 35分

講演1
静岡大学におけるWiFi運用史
 動作状況分析による無線LAN品質改善の取組み
山崎 國弘 (静岡大学) プロフィール
 

モバイルデバイスの普及とBYOD定着で無線LANは大学の教職員・学生にとって最も身近なネットワークとなっている.授業時間中は接続数とトラヒックが多く,授業時間毎に全端末が入替わるなど利用状況が大きく変動する.静岡大学ではAP増設でWiFi4~6混在環境となり無線LAN品質低下事象が顕在化,問題解決のために動作状況分析による改善の取組みをおこなっている.無線LAN品質改善の取組み事例と必要性を感じた運用支援機能について紹介する.

動作状況分析,稠密環境,無線LAN,混在利用,ログデータ
プレゼン資料(PDF:8.9MB)
9:40-10:15
講演 35分

講演2
5Gの高度化と6Gに向けた取り組みと将来展望
須山 聡(株式会社NTTドコモ)プロフィール
 

5Gのさらなる高度化を目指した研究開発および国際標準化が進められている.さらに,2030年頃に実用化が見込まれる6Gに向けた検討も国内外で精力的に進められている.本講演では,5Gの高度化と6Gに関する国内外動向や標準化スケジュール,無線技術の検討領域や展望,それらに関するドコモの取り組みについて紹介する.

5G Evolution, 6G, 無線アクセス技術, 電波伝搬,実証実験
プレゼン資料(PDF:6.9MB)
10:15-10:50
講演 35分

講演3
大阪大学におけるローカル5Gの実証実験から見えてきた課題
大平 健司 (大阪大学) プロフィール
 

大阪大学は2022年10月よりNICT(国立研究開発法人情報通信研究機構)総合テストベッドのB5Gモバイル環境テストベッドサイトとなった。またこれとは別に2024年2月より学内システム連携ローカル5G無線通信システム一式が導入された。本講演では、これらのローカル5G環境の導入過程およびこれらを用いたローカル5Gネットワークの運用に関する実証実験を通じて得られた知見・課題について述べる。

ローカル5G, 導入・運用, 実証実験
プレゼン資料(PDF:1.6MB)
10:50-11:05 休憩(15分)
11:05-11:55
講演 50分

パネルディスカッション
「無線通信の未来展望」
ファシリテーター:
廣瀬 幸 (九州工業大学)
パネリスト:
山崎 國弘 (静岡大学)
大平 健司 (大阪大学)
須山 聡  (株式会社NTTドコモ)
11:55-12:00
閉会挨拶
田邊 俊治 (国立情報学研究所)

講演者

静岡大学におけるWiFi運用史
 動作状況分析による無線LAN品質改善の取組み

lecturer
山崎 國弘 (Kunihiro Yamazaki)
静岡大学 情報基盤センター 客員教授
[略歴]
2010年から静岡大学 情報基盤センター 客員教授
日本電信電話株式会社にて遠隔検針システム、コールセンタステム、ビジネスホン、PBX、多重化伝送装置、CTI(通信端末機器のコンピュータ制御)システムなどの開発に従事.2015年より株式会社アバンセシステム 執行役員
無線LANの稼働状況分析及び品質改善に取り組んでいる.大学ICT推進協議会2019年度年次大会「eduroamの認証要求の集中による過負荷事象の発生と対策実施について」で優秀論文賞受賞.

5Gの高度化と6Gに向けた取り組みと将来展望

lecturer

須山 聡 (Suyama Satoshi)
株式会社NTTドコモ 6Gテック部 担当部長
[略歴]
2001年から東京工業大学の助手・助教として移動通信における無線伝送技術の研究に従事.2013年に株式会社NTTドコモに入社し,5Gの無線アクセス方式・技術の研究開発,実証実験及びシステムトライアルに従事.現在は,6Gの無線アクセス技術の研究開発及び実証実験を推進.6Gテック部無線アクセス技術担当の担当部長.XGモバイル推進フォーラム(XGMF)6G無線技術プロジェクトのサブリーダ.2023年から東京工業大学の特定教授も兼務.
2010年に東京工業大学で博士(工学)取得.電子情報通信学会シニア会員,IEEE会員.
電子情報通信学会において,学術奨励賞(2005年),論文賞(2012年),通信ソサイエティ論文賞(2022年)などの各種賞を受賞.国際会議European Wireless Technology Conference (EuWiT) 2009 とIEEE International Symposium on Personal, Indoor and Mobile Radio Communications (PIMRC) 2016においてBest Paper Awardを受賞.加えて,2021年に電気通信普及財団賞(テレコムシステム技術賞)を受賞.

大阪大学におけるローカル5Gの実証実験から見えてきた課題

lecturer
大平 健司(Kenji Oohira)
大阪大学 情報推進本部 准教授
[略歴]
 2021年4月 - 現在 大阪大学 情報推進本部 准教授
 2019年4月 - 2021年3月 大阪大学 情報推進本部 講師
 2015年12月 - 2019年3月 徳島大学 情報センター 講師
 2012年8月 - 2015年11月 奈良先端科学技術大学院大学
               情報科学研究科 特任助教
 2011年4月 - 2012年7月 名古屋大学 情報連携統括本部 特任助教
 2008年4月 - 2011年3月 京都大学 学術情報メディアセンター 特定助教
[研究分野、研究テーマ]
  • ネットワーク管理運用
  • 経路制御
  • 情報セキュリティ
  • 公衆無線インターネット接続サービス
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 電子情報通信学会
  • 情報処理学会
  • IEEE
  • ACM