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科学技術計算分科会 2022年度会合 「富岳」NEXTへの挑戦 ~現在から未来へ~

印刷用ご案内

日時 2023年1月20日(金) 分科会 9:00-12:20
会場

場所:神戸国際会議場map
ハイブリッド開催 集合+オンライン配信(ZOOM)
※新型コロナ感染の状況を踏まえ、
参加にあたりましては各自でご判断いただきますようお願いします

参加対象 SS研会員機関ご所属の方
参加費 無料
参加申込み 開催済
その他 本会合は、2022年度冬イベント(18日:BoF、19日:合同分科会、20日:科学技術計算分科会、教育環境分科会システム技術分科会)の一部です。

開催趣旨

「富岳」は完成後に様々なランキングでトップを獲得しただけでなく、実運用に入った今では様々な分野のアプリケーションにおいて高い成果を出しています。このように「富岳」が熱い時期ではありますが、スーパーコンピュータの開発時間を考えると、すでに「富岳」の後継となりうるシステムを考える時期となっています。2030年頃と言われるそのシステムの予測を今行うことは挑戦的であり、難しいですが、現在の「富岳」の性能や、足りない性能・機能などから議論をすることはできると考えられます。そこで、今回は「富岳」の後継システム、「富岳」NEXTを想定し、現在の「富岳」やその他の計算機システムから何が考えられるのかに関する講演を行い、SS研会員のみなさまにHPCの将来を議論してもらいます。開催形態は久しぶりのオンサイトと広く普及したオンラインでのハイブリッドとなります。たくさんのSS研会員のみなさまにご参加いただけることを期待しています。

プログラム(敬称略)※予告なく変更する場合がございます。予めご了承下さい。

【公開可能な資料のみ会合後に掲載予定】

Session1 [前半司会]伊達 進 (大阪大学)
9:00-9:05
開催趣旨説明
深沢 圭一郎 (京都大学)

9:05-9:35
講演 20分
Q&A 10分

講演 ※リモート講演
「次世代計算基盤に係る調査研究」
       理化学研究所チーム アプリGの取組
岩下 武史(北海道大学)プロフィール
高橋 大介(筑波大学)プロフィール

 本講演では,文部科学省「次世代計算基盤に係る調査研究事業」において,理化学研究所チーム(代表:近藤正章)が行っている活動の中で,アプリグループが実施している活動について講演する.アプリGのサブGには,計算科学・データ科学・社会科学の各分野において研究活動を行っているグループと計算機科学分野で主に研究活動を行っているグループが含まれる.講演では,これらのサブGの取組の一端を紹介すると共に,チーム内のアーキGやシステムソフトウェアGとの連携についても言及する.

次世代計算機, 計算科学, 社会科学, データ科学, 機械学習,コデザイン
プレゼン資料(PDF:1.07MB)
9:35-10:05
講演 20分
Q&A 10分
講演2
「次世代計算基盤に係る調査研究」
   理化学研究所チーム システムソフトGの取組
佐藤 賢斗(理化学研究所)プロフィール

脳次世代計算基盤に係る調査研究では、次世代アーキテクチャや先進的なアプリケーションの調査だけでなく、その間を繋ぐシステムソフトウェアに関する調査研究も重要である。その際、候補アーキテクチャを取り巻くソフトウェアエコシステムの状況やその後の商業展開を見据えた網羅的な調査研究が必要となる。本講演では、次世代計算基盤に係る調査研究事業 理化学研究所チーム システムソフトGの取り組みを紹介する。

次世代計算機, フィジビリティ・スタディ, システムソフトウェア
プレゼン資料(PDF:2.14MB)
10:05-10:35
講演 20分
Q&A 10分

講演3
「次世代計算基盤に係る調査研究」
   運用技術調査研究チームの取組
塙 敏博(東京大学)プロフィール

 本講演では、文科省「次世代計算基盤に係る調査研究事業」において運用技術調査研究が行なっている取組みについて紹介する。フラッグシップシステムだけでなく、基盤センター群からなるHPCI第二階層、mdxなどのデータプラットフォーム、研究データ基盤等を高速ネットワークで有機的に結合した、持続可能な次世代計算基盤の実現に向け、カーボンニュートラルへの取組、機関を超えた柔軟な資源利用に向けた課題など多岐に渡る内容について検討を実施している。

次世代計算基盤, 運用技術, カーボンニュートラル, データ利活用, Society 5.0
プレゼン資料(PDF:2.73MB)
10:35-10:45 休憩(10分)
Session2 [後半司会]田中 輝雄 (工学院大学)

10:45-11:25
講演 30分
Q&A 10分

富士通講演
スーパーコンピュータ「富岳」における
  システム省電力に向けた取り組み
篠原 誠(富士通株式会社)プロフィール

 理化学研究所と富士通株式会社が共同で開発したスーパーコンピュータ「富岳」は、TOP500、HPCG、HPL-AI、Graph500の4部門で4期連続の世界1位を獲得する高性能を実現するとともに、省電力性能でも汎用CPUでは世界トップクラスとなる15Gflops/w超えを達成した。本発表では、システムの省電力化を目指した「富岳」のCPUであるA64FXとシステムソフトウェアによる電力制御、現場での取り組みについて紹介する。

富岳, A64FX, 省電力, 電力制御, パワーノブ
プレゼン資料(PDF:2.69MB)

11:25-12:15
講演 40分
Q&A 10分

講演5
「A64FXシステムアプリ性能検証WG」活動報告
片桐 孝洋 (名古屋大学)プロフィール

 スーパーコンピュータ「富岳」が本格運用されメニーコア時代に突入した。しかし、アプリ研究開発者にとっては、まだ大規模コアの有効利用には様々な困難が伴う。その問題解決のためには、コンパイラ等のシステムソフトウェアと協調して性能最適化を行う知識と技術が利用者に求められるほか、システムソフトウェア自体の自動性能チューニングも必要となる。本発表は、これらの問題点について検討した当該WGの報告である。

CFD, プラズマ粒子, 乱流燃焼, フラグメント分子軌道法, コンパイラ最適化
プレゼン資料(PDF:11.6MB)
12:15-12:20
閉会挨拶
佐藤 賢斗 (理化学研究所)

講演者

「次世代計算基盤に係る調査研究」理化学研究所チーム アプリGの取組

lecturer
岩下 武史 (Iwashita Takeshi)
北海道大学 情報基盤センター 教授/副センター長
[略歴]
1998年京都大学大学院工学研究科電気工学専攻博士課程修了.京都大学リサーチアソシエイト(日本学術振興会未来開拓学術研究推進事業PD),同大学助手を経て,2003年より同大学学術情報メディアセンター助教授(2007年職名変更により同准教授). 2014年より北海道大学情報基盤センター教授,2017年同副センター長,現在に至る. 高性能計算,線形反復法,電磁界解析,並列処理に関する研究に従事.京都大学博士(工学).1996年電気学会 電力・エネルギー部門大会優秀論文賞,2007年情報処理学会山下記念研究賞,2012年HPCS2012最優秀論文賞,xSIG2018 Best Research Award受賞.IEEE,SIAM,ACM,情報処理学会,電気学会,日本AEM学会,日本応用数理学会,応用物理学会,日本計算工学会各会員.

「次世代計算基盤に係る調査研究」理化学研究所チーム アプリGの取組

lecturer
高橋 大介 (Takahashi Daisuke)
筑波大学 計算科学研究センター 教授
[略歴]
1997年東京大学大学院理学系研究科情報科学専攻博士課程中退.1997年東京大学大型計算機センター助手,2000年埼玉大学大学院理工学研究科助手を経て,2001年筑波大学電子・情報工学系講師,2006年同大学大学院システム情報工学研究科助教授(2007年職名変更により同准教授),2012年同大学システム情報系教授,2016年同大学計算科学研究センター教授,現在に至る. 並列数値計算アルゴリズムに関する研究に従事.東京大学博士(理学).1998年度情報処理学会山下記念研究賞,1998年度,2003年度情報処理学会論文賞,2010年度科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞,2011年ACM Gordon Bell Prize各受賞.ACM,IEEE,SIAM,情報処理学会,日本応用数理学会各会員

「次世代計算基盤に係る調査研究」 理化学研究所チーム システムソフトGの取組

lecturer
佐藤 賢斗(Satou Kento)
理化学研究所 計算科学研究センター 高性能ビッグデータ研究チーム チームリーダー
[略歴]
東京工業大学大学院 数理計算科学専攻卒業(理学博士、2014年)。東京工業大学学術国際情報基盤センターおよび米国ローレンスリバモア国立研究所ポスドク(2014年)。その後、米国ローレンスリバモア国立研究所研究員(2017年)を経て、2018年より現職。神戸大学大学院システム情報学研究科 客員准教授を兼務。専門は高性能計算機システム。これまでクラウド、I/O・ストレージ、耐障害技術、テスト・デバッギング、人工知能・ビッグデータ処理に関する性能評価・解析、最適化およびシステムソフトウェアの研究開発に携わる。
[研究分野、研究テーマ]
  • I/O
  • ストレージ
  • 耐障害技術
  • テスト
  • デバッギング
  • 人工知能
  • ビッグデータ処理基盤
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 情報処理学会
  • 応用物理学会
  • R&D 100 Award Winner on “SCR Framework”
  • R&D 100 Award Finalist on “PRUNERS Toolset”
 

「次世代計算基盤に係る調査研究」 運用技術調査研究チームの取組

lecturer
塙 敏博(Hanawa Toshihiro)
東京大学 情報基盤センター 教授
[略歴]
1998年 3 月 慶應義塾大学大学院計算機科学専攻博士課程修了
 1998年 4 月 東京工科大学工学部情報工学科講師
 2003年 4 月 東京工科大学コンピュータサイエンス学部講師
 2007年 4 月 筑波大学計算科学研究センター研究員
 2008年12月 筑波大学大学院システム情報工学専攻 准教授
 2013年12月 東京大学情報基盤センター特任准教授
 2015年12月 東京大学情報基盤センター准教授
 2020年12月 東京大学情報基盤センター教授
[研究分野、研究テーマ]
  • 高性能計算
  • アクセラレータ
  • 高性能インタコネクト
  • 混合精度演算
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 情報処理学会
  • IEEE Computer Society  
  • 情報処理学会 山下記念研究賞(2014)
 

スーパーコンピュータ「富岳」におけるシステム省電力に向けた取り組み

lecturer
篠原 誠(Shinohara Makoto)
富士通株式会社
ミッションクリティカルシステム事業本部 UNIX&FXシステム事業部 FX運用管理ソフトウェア部 部長
[略歴]
1998年富士通入社。スーパーコンピュータ向けのファイルシステム、ジョブスケジューラなどのシステムソフトの研究開発業務に従事。現在に至る。

A64FXシステムアプリ性能検討WG報告

lecturer
片桐 孝洋 (Katagiri Takahiro)
名古屋大学 情報基盤センター 教授
[略歴]
2002年 6月 電気通信大学 大学院情報システム学研究科 助手
2005年 3月 米国カリフォルニア大学バークレー校 訪問学者
2007年 4月 東京大学情報基盤センター スーパーコンピューティング研究部門 特任准教授
2011年12月 同上 准教授
2016年 4月-現在 名古屋大学 情報基盤センター 教授
(兼務)名古屋大学 情報学部 コンピュータサイエンス学科 教授
(兼務)名古屋大学 大学院情報学研究科 情報システム学専攻 教授
[研究分野、研究テーマ]
・高性能計算
・ソフトウェア自動チューニング
・超並列アルゴリズム
・量子アニーリング
[所属学会、受賞歴、著書など]
・情報処理学会、日本応用数理学会、日本計算工学会
・米国応用数理学会(SIAM)、IEEE-CS、ACM
・2002年度 情報処理学会 山下記念研究賞、2011年度 文部科学大臣表彰 若手科学者賞 受賞
・2013年「スパコンプログラミング入門 ―並列処理とMPIの学習―」
・2015年「並列プログラミング入門: サンプルプログラムで学ぶOpenMPとOpenACC」(東京大学出版会)ほか多数