HPCフォーラム2026

 

日時 2026年8月3日(月) 10:00-16:30
開催方法 場所:JR川崎タワー20階大会議室M201
ハイブリッド開催(集合 + オンライン配信(ZOOM))
午前に話題提供を行い(配信は午前のみ)、午後よりグループに分かれて議論を行うワークショップ形式になります。是非、現地での討論にご参加ください。また、現地参加には人数制限があります。先着順となりますのでご了承ください。
参加対象 SS研会員に限らず、どなたでも参加可能。
参加費 無料
参加申込み  お申し込みはこちら  7/28(火)まで
その他 SS研では本フォーラム以外に以下のオープンフォーラムを開催します。
ご興味がございましたら是非ご参加ください。

開催趣旨

 AI 技術があらゆる分野に浸透した現在、HPCには従来とは全く異なる利用者層や利用形態への対応が求められるようになってきました。AIの研究・開発のみならず、産業応用や社会実装においても、HPCは不可欠な計算基盤としての役割を担いつつあります。さらに、数年以内の本格的な実用化が予測されている量子コンピュータは、単独ではなく古典的なHPCと連携して初めてその性能と特性を発揮できると考えられています。AI と HPC、量子コンピュータと HPC の連携は、今後の計算環境の姿を大きく変えていくと予想されます。このような急速な利用環境の変化を踏まえ、今回の HPCフォーラムでは「AI・量子時代に向けたHPCの進化」をテーマとして掲げました。AIとHPC、量子コンピュータとHPCの連携に取り組まれている第一線の研究者・実務者の皆様に加え、それらを支えるセキュリティおよびデータ管理の専門家の方々を講師としてお招きし、最新動向と課題をご紹介いただく予定です。開催形式は昨年と同様にワークショップ形式とし、前半は講師による話題提供セッションをオンライン・現地併用のハイブリッド形式で行います。後半は会場参加者のみを対象に、少人数のグループに分かれて講師を囲み、約3時間の自由討論を行います。講師からの知見を一方的に聞くだけでなく、参加者同士および講師との議論を通じて、HPCの将来像と私たちに求められる取り組み具体的に考える場としたいと考えています。本フォーラムが、AI・量子コンピューティング時代におけるHPCの新たな可能性と課題を共有し、それぞれの立場から今後の方向性を議論する場となることを期待しています。

プログラム(敬称略)※予告なく変更する場合がございます。予めご了承下さい。

【公開可能な資料のみ順次本ページに掲載予定】

9:30- 受付開始  (現地参加)
9:50- アクセス開始(オンライン参加)
[司会] 廣瀬 未典 (宇宙航空研究開発機構)
10:00-10:10
開催趣旨説明
南里 豪志 (九州大学)
10:10-12:30
話題提供
話題提供(予定)
HPCとセキュリティ
竹房 あつ子(国立情報学研究所)
   プロフィール・アブストラクト

非可逆データ圧縮を用いた大規模量子回路シミュレータ
今村 智史(富士通 人工知能研究所)
  プロフィール・アブストラクト

量子HPCハイブリッド計算プラットフォームによる計算可能領域の拡大
小野寺 民也(理化学研究所)
  プロフィール・アブストラクト

データスペースとAIが切り拓く次世代産業エコシステム
 - 信頼を基盤にした産業横断AIエージェント連携の実現 - 
小山 英樹(富士通 UvS&T UvStrO)
  プロフィール・アブストラクト

LLM開発における計算機環境について
横田 理央(東京科学大学)
  プロフィール・アブストラクト
12:30-13:30 ランチミーティング(60分)
軽食をご用意します。
13:30-14:40
グループ討論(70分)
複数のグループに分かれて討論
 
14:40-14:50 休憩(10分)
14:50-15:20
討論結果共有(30分)
各グループでの討論結果を共有
15:20-15:30 閉会あいさつ
15:30-16:30 お時間のある方は残って自由討論(60分)

講演者

HPCとセキュリティ

lecturer
竹房 あつ子
国立情報学研究所 アーキテクチャ科学研究系 教授 /
理化学研究所 計算化学研究センター チームプリンシパル
[略歴]
2024年9月〜現在 理化学研究所 計算科学研究センター チームプリンシパル
2021年4月〜現在 情報・システム研究機構 国立情報学研究所 教授 / 総合研究大学院大学 教授
2016年〜2021年 情報・システム研究機構 国立情報学研究所 准教授 / 総合研究大学院大学 准教授
2005年〜2016年 産業技術総合研究所 研究員、主任研究員
2002年〜2005年 お茶の水女子大学 人間文化研究科 助手 / 理学部情報科学科 講師
2000年〜2002年 日本学術振興会 特別研究員(DC2,PD)
2000年3月 お茶の水女子大学 人間文化研究科 修了 博士(理学)
 
[研究分野、研究テーマ]
  • 並列分散処理
  • 高性能計算
  • クラウドコンピューティング
  • IoT
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 情報処理学会
  • 電子情報通信学会
  • ACM
  • IEEE
[アブストラクト]
AI for Scienceの時代を迎え、より多様な分野の利用者に高性能計算(HPC)システムを提供することが期待され、安全かつ安心なシステム利用環境を構築する必要性が高まっている。しかし、AIに伴うセキュリティリスクも高まっており、これまでのHPCシステムでの論理的なマルチテナント化や組織ごとのセキュリティ対策では十分とは言えない。本講演では、HPCセキュリティに関する研究動向とHPCI整備計画調査研究事業で検討を進めているセキュリティガイドラインについて紹介する。
[キーワード]
  • HPCシステム, セキュリティ, コンフィデンシャルコンピューティング, TEE, Cyber Security Framework

非可逆データ圧縮を用いた大規模量子回路シミュレータ

lecturer

今村 智史
富士通株式会社 AI研究所 プリンシパルリサーチャー
[略歴]
 2017年~現在 富士通株式会社
 2022年~2024年 SNIA 日本支部 次世代メモリ・ストレージ分科会 会長
 2020年~2023年 情報処理学会 システム・アーキテクチャ研究会 幹事
 2016年~2017年 九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所 学術研究員
 2013年~2016年 九州大学大学院 システム情報科学府 博士後期課程
[研究分野、研究テーマ]
  • 省電力並列コンピューティング
  • メモリ・ストレージシステム
  • 量子コンピューティング
  • 量子化学計算
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 情報処理学会 システム・アーキテクチャ研究会
  • 2012年 情報処理学会 若手奨励賞 受賞
  • 2014年 情報処理学会 山下記念賞 受賞
  • 2024年 SNIA 日本支部 功績賞 受賞
  • 2024年 情報処理学会 CS領域功績賞 受賞
[アブストラクト]
量子アプリケーションの研究開発には状態ベクトル方式の量子回路シミュレータ(SVシミュレータ)が有用あるが、量子ビット数に応じて計算量とメモリ使用量が指数増加するという課題がある。本研究では、分散並列シミュレータにGPUベース非可逆圧縮手法を統合し、世界最大規模のSVシミュレータ QompSimを開発した。ABCI-QシステムHの256ノード(1,024 GPU)を用いた評価では、高速かつ高スケーラビリティであることを実証し、最大56量子ビットのシミュレーションを達成した。
[キーワード]
  • 量子回路シミュレータ,データ圧縮,量子コンピューティング,状態ベクトル

量子HPCハイブリッド計算プラットフォームによる計算可能領域の拡大

lecturer

小野寺 民也
理化学研究所 計算科学研究センター量子HPC連携プラットフォーム部門 副部門長
[略歴、研究分野、研究テーマ]
1988年東京大学大学院理学系研究科情報科学専門課程博士課程修了。理学博士。同年日本アイ・ビー・エム(株)入社。同社東京基礎研究所にて基盤ソフトウェア等の研究開発に従事し、同研究所副所長、同社技術理事、Quantum Japan R&D担当部長等を歴任。2025年4月より現職。
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 情報処理学会第41回(平成2年後期)全国大会学術奨励賞、同平成7年度山下記念研究賞、同平成16年度論文賞、同平成16年度業績賞、同2023年度コンピュータサイエンス領域功績賞、日本ソフトウェア科学会2022年度基礎研究賞、各受賞。ACM (Association of Computing Machinery) Distinguished Scientist、情報処理学会フェロー、日本ソフトウェア科学会フェロー。
[アブストラクト]
我々は、「富岳」をはじめとする複数のスーパーコンピュータと、IBM社製の超伝導型量子コンピュータ「ibm_kobe」およびQuantinuum社製のイオントラップ型量子コンピュータ「黎明」を高速ネットワークで密に連携させる「量子HPCハイブリッド計算プラットフォーム」を構築しており、このプラットフォームならではの画期的なアプリケーションを鋭意探索している。本講演では、その概要の紹介する。
[キーワード]
  • 量子コンピュータ, スーパーコンピュータ, 量子古典ハイブリッド, QSCI

データスペースとAIが切り拓く次世代産業エコシステム
- 信頼を基盤にした産業横断AIエージェント連携の実現 -

lecturer

小山 英樹
富士通株式会社 Uvance Strategy & Transformation本部 Senior Director
[略歴]
1995年 富士通株式会社に入社し、通信機器(交換機・ルータ)開発に従事。NTT研究所向けの先端通信装置開発や高速伝送技術の開発を担当。 その後、マーケティング部門へ異動し、Linuxサーバの事業立上げ・拡販を推進。さらに、研究所技術の事業化を目的としたテクノロジーマーケティング活動に従事。 2009年以降は新規事業開発に主軸を移し、広告ビジネス、デジタルサイネージ、映像クラウド、衛星データ利活用など複数のビジネス立上げを推進。東日本大震災後は復興支援ビジネスや農業・食品分野の新規事業にも携わる。その後、東京オリンピック・パラリンピック関連ビジネスの企画・推進をリードし、スポンサービジネスや観戦体験価値向上施策の企画を担当。多企業との共創による新規ビジネス創出を推進。
現在は富士通株式会社 Uvance Strategy & Transformation本部にて、データスペースやAIを中心としたイノベーション戦略、新規事業創出、産業横断エコシステム形成を推進しており、xIPFコンソーシアム)社会実装WGの副主査、CSEP理事を担当。
1995年4月 ネットワーク事業本部)HW開発担当
 2004年4月 マーケティング本部)商品企画担当
 2009年4月 ビジネスインキュベーション本部 企画部(担当課長)
 2011年3月 東日本大震災 災害支援特別チーム兼務
 2014年2月 ビジネス企画・推進統括部 部長
 2016年4月 東京オリンピック・パラリンピック推進本部 企画部長
 2018年4月 スポーツ・文化イベントビジネス推進本部)ビジネス統括部長 
 2021年〜  Uvance Healthy Living、SX、Data&AI
[研究分野、研究テーマ]
  • データスペース/データ連携基盤
  • AIと産業エコシステム戦略
  • 標準化・ルール形成・ガバナンス
  • 産業横断の社会実装モデル
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • xIPFコンソーシアム、RRI、Council for Sports Ecosystem Promotion
[アブストラクト]
データとAIを起点とした産業変革が進む中、企業単独では価値創出の限界が顕在化している。本講演では、データスペースを基盤とした産業横断型エコシステムの必要性と、その実現に向けた標準化・ガバナンス・社会実装のアプローチを解説する。さらに、コンソーシアム活動や実証事例を踏まえ、信頼を軸にした新たなビジネス創出モデルと、企業が取るべき戦略について示す。
[キーワード]
  • データスペース, AI, エコシステム, 標準化, ガバナンス

LLM開発における計算機環境について

lecturer

横田 理央
東京科学大学 総合研究院
[略歴、研究分野、研究テーマ]
2009年慶應義塾大学理工学研究科博士課程修了、同年Bristol大学ポスドク研究員、2011年Boston大学ポスドク研究員、2012年King Abdullah University of Science and Technology常勤研究員、2015年より東京工業大学学術国際情報センター准教授、2023年より東京工業大学学術国際情報センター教授、2024年より東京科学大学総合研究院スーパーコンピューティング研究センター教授、現在に至る。高性能計算、大規模深層学習に関する研究に従事。博士(工学)。
[アブストラクト]
本発表では、大規模言語モデルの学習基盤としてNVIDIA NeMoを利用する際の実践的な知見を紹介する。環境構築、学習パラメータ設定、継続事前学習、ファインチューニング、低精度演算、チェックポイント、ロギング、OOM対策など、実運用で重要となる項目を概説する。さらに、データ並列、シャード並列、パイプライン並列、テンソル並列、コンテキスト並列などの分散並列化手法について、メモリ消費量や通信オーバーヘッドの観点から整理する。Swallowプロジェクトで得られた経験を交えながら、学習の安定性、不良検知、ライブラリ保守、評価時の注意点についても述べ、NeMoを用いたLLM開発を安定かつ効率的に進めるための指針を示す。
[キーワード]
  • 大規模言語モデル, 事前学習, 分散並列学習, 省メモリ, フレームワーク