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SS研教育環境フォーラム2020 オンライン活用で教育の未来を切り拓く -コロナ禍で変わった、学び・働く環境-

印刷用ご案内

日時 2020年9月14日(月) フォーラム 14:00-17:00
場所 オンライン開催(ZOOM ウェビナー)
参加対象 SS研会員に限らず、どなたでも参加可能
参加費 無料
参加申込み 開催済
その他 SS研では本フォーラム以外に以下のオープンフォーラムを開催します。
ご興味がございましたら是非ご参加ください。

開催趣旨

 従前より,この研究会では高等教育の情報化に関連し教育現場のハードとソフトを議論するという活動を行なってきたところです。ところが,2020 年度の「コロナ禍」は,それらの議論を全て吹き飛ばすかのような勢いで襲来し,情報ネットワークを使った「オンライン活動」で高等教育の現場を塗りつぶしてしまいました。もちろんその影響は高等教育だけではなく,初等中等教育や,一般のオフィスにも及んでいることは言うまでもありません。
 この事態は,教育情報化が加速されていると見ることもできますが,拙速に導入せざるを得なかったことによる悪影響も予想されます。いずれにせよ,今何が起こっているかを整理し,今後の教育の向上にどのように接続していけば良いのかを考えていかなければいけないでしょう。
 本フォーラムでは,高等教育現場でオンライン授業を実施した立場からと,企業でリモートワークを導入した立場から講演をいただき,まずは現状確認から今後に向けて発展的な議論が行えればと考えています。

プログラム(敬称略)※予告なく変更する場合がございます。予めご了承下さい。

【公開可能な資料のみフォーラム翌日に掲載予定】

14:00- 開始
[司会]村上 正行 (大阪大学)
14:00-14:05
開催趣旨説明
隅谷 孝洋 (広島大学)
14:05-15:05
講演 50分
Q&A 10分
基調講演
「未来の教育へ向けて -コロナでただでコロべるか!-」
喜多 一 (京都大学) プロフィール

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の世界的なパンデミックの中で我が国の大学教育も大規模なオンライン授業での教育の維持を余儀なくされている。しかしながら、そこでは、これまでの情報通信技術の進歩と普及を支えに、単に対面授業の代替として避難的にオンライン授業が実施されているだけでなく、これまでに成しえなかった授業の改善なども生じている。本講演では京都大学でのオンライン授業の実施経験を踏まえ、そこで得られたもの、欠けていたものを考えるとともに、未来の教育として、キャンパスに縛られない大学教育の価値を考えたい。

 オンライン授業, 学習環境, 高等教育, 地域振興
 プレゼン資料(9/15版)(PDF:2.0MB)
15:05-15:20 休憩(15分)
15:20-16:55
10分/名
途中休憩あり
ライトニングトーク
「学び・働く環境で何が起こった?何が起こる?-コロナで拾った次の一手-」
発表者:
 丸山 恭司 (広島大学)
 プロフィール・アブストラクト
 プレゼン資料(9/14版)(PDF:1.5MB)

 甲斐 晶子 (熊本大学)
 プロフィール・アブストラクト
 プレゼン資料(9/14版)(PDF:2.9MB)

 立岩 礼子 (京都外国語大学)
 プロフィール・アブストラクト
 プレゼン資料(9/14版)(PDF:0.6MB)

 井垣 宏 (大阪工業大学)
 プロフィール・アブストラクト
 プレゼン資料(9/14版)(PDF:0.8MB)

 杉浦 真由美 (北海道大学)
 プロフィール・アブストラクト
 プレゼン資料(9/14版)(PDF:2.3MB)

 田村 恭久 (上智大学)
 プロフィール・アブストラクト
 プレゼン資料(9/15版)(PDF:1.7MB)

 貝塚 真樹 (株式会社インフォテクノ朝日)
 プロフィール・アブストラクト
 プレゼン資料(9/15版)(PDF:0.2MB)

 三原 乙恵 (株式会社富士通ラーニングメディア)
 プロフィール・アブストラクト
 プレゼン資料(9/15版)(PDF:1.9MB)
16:55-17:00
閉会挨拶
小林 真也 (愛媛大学)

講演者 / 発表者

未来の教育へ向けて -コロナでただでコロべるか!-

lecturer
喜多 一 (Kita Hajime)
京都大学 国際高等教育院 教授/情報環境機構 機構長
[略歴]
1959年生まれ、1987 年京都大学大学院工学研究科博士課程研究指導認定退学、工学博士、京都大学 工学部 助手、東京工業大学 大学院 総合理工学研究科 助教授、大学評価・学位授与機構 教授、京都大学 学術情報メディアセンター 教授を経て 2013年より京都大学 国際高等教育院 教授、2016年まで同院副教育院長、2016年より京都大学情報環境機構 機構長を兼務。大学 ICT 推進協議会、システム制御情報学会 理事、情報処理学会 一般情報教育委員会 委員。専門はシステム工学、情報教育。社会シミュレーション、一般情報教育、初学者のプログラミング教育の研究に従事。

大学の国際化とICT利用促進にパンデミックがもたらしたパラドキシカルな展開

lecturer

丸山 恭司 (Maruyama Yasushi)
広島大学 人間社会科学研究科 教授
[略歴]
1964年広島県呉市に生まれる。1987年に広島大学教育学部を卒業、1991年に同大学院教育学研究科博士課程後期を単位修得退学し、2000年にフロリダ州立大学にてph.Dを修得。2001年に広島大学講師に採用され、現在は教授。この間、教育学研究科長補佐(国際戦略)、同副研究科長、広島大学国際センター長、評議員、副学長(国際交流担当)、副理事(国際企画)を歴任。
 
[研究分野、研究テーマ]
  • 教育哲学、教育倫理学
  • ウィトゲンシュタイン研究
  • 専門職倫理教育
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 日所属学会:日本教育学会、教育哲学会、教育思想史学会、他
  • 業績:A Companion to Wittgenstein on Education (Springer, 2017)、『教育的関係の解釈学』(東信堂、2019)、『教員養成を担う』(渓水 社、2019)、『ポスト・コロナの学校教育』(渓水社、2020)、他
[アブストラクト]
COVID-19パンデミックは、ひとの移動・接触を止めた。大学では国際化にブレーキがかかり、対面授業は提供不可能となった。日本人学生は留学できず、外国人学生も渡日がかなわない。一方、日本ではなかなか普及しなかった遠隔授業が、対面授業の代案として一挙に広がる。これまであまり活用されてこなかったICTが教育分野で駆使され始めたのである。大学の国際化にブレーキをかけたパンデミックがICT利用を促進し、別のかたちの国際化を推し進めているという逆説的な展開について紹介する。
[キーワード]
  • パンデミック, 大学の国際化, 留学, 遠隔授業, ICT

学習者中心のオンライン授業設計 -大学における日本語科目の事例報告-

lecturer

甲斐 晶子 (Kai Akiko)
熊本大学教授システム学研究センター 特定事業研究員
熊本大学、慶應義塾大学、桜美林大学 非常勤講師
[略歴]
民間日本語教育機関に従事後、2012年筑波大学研究員、2014年神田外語大学非常勤講師(兼任)、2015年桜美林大学助教を経て、2018年より子育てパート主婦(兼現職)。2018年熊本大学大学院社会文化科学研究科教授システム学専攻博士後期課程単位取得退学。日本教育工学会学会(JSET)、教育システム情報学会(JSiSE)、日本語教育学会(NKG)会員、eLC認定 e-Learning Professional(ラーニングデザイナー、マネージャー、エキスパート、コンテンツクリエイター)。第二言語としての日本語教育におけるインストラクショナル・デザインを研究分野とし、教育実践のかたわら教育システム開発研究を行う 。
 
[アブストラクト]
大学において提供される日本語科目は日本語での講義参加を目標とした初年次必修科目、視覚芸術分野に特化した初年次アカデミックライティング科目、英語での授業のみで学位取得できるプログラム内の選択科目など多岐にわたります。学習者中心のインストラクショナル・デザイン原則を基に設計していたそれら科目のオンライン化について報告します。
[キーワード]
  • インストラクショナル・デザイン, 日本語教育, 初年次教育, 学習者中心パラダイム

「木を見て森を見ず」への挑戦 -遠隔授業で西日辞書を読む-

lecturer

立岩 礼子 (Tateiwa Reiko)
京都外国語大学 外国語学部 教授
[略歴]
博士(歴史学)。日本スペインラテンアメリカ学会会長。京都スペイン協会理事。元NHK放送ラジオ講師。メキシコ・ラスアメリカス大学国際関係学科卒業。京都外国語大学大学院外国語研究科修士課程修了。スペイン政府国費留学生としてバルセロナ自治大学留学。スペイン国立通信大学歴史学部博士課程修了。著書に『ホームステイのスペイン語』『300単語でスペインへ行こう(いずれも白水社)、El cabildo de la ciudad de Mexico y la fiesta de San Hipolito, siglos XVI y XVII. Simbolismo y poder espanol(メキシコ衆議院出版局)など。
 
[アブストラクト]
今回の遠隔授業において西日辞書を読む活動を取り入れてみた。その主たる意図は、①PCやスマホの画面から目を離して学習する時間を提供する、②通学の荷物になる紙の辞書を使わせる、③習得すべき語彙の全体量を把握することであった。遠隔授業ならでは環境下において、学習者の最大の悩みである「語彙の少なさ」を解決する糸口を探った。
[キーワード]
  • 辞書活動, 紙の辞書, 電子辞書, 語彙習得, 遠隔授業

オンライン授業におけるエンジニア教育のための多方向コミュニケーションの導入

lecturer

井垣 宏 (Igaki Hiroshi)
大阪工業大学 情報科学部 情報システム学科 准教授
[略歴]
2000年神戸大学工学部電気電子工学科卒.2002年奈良先端大情報科学研究科博士前期課程修了.2005年同大学院博士後期課程修了.同年同大学院情報科学研究科特任助手.2006年南山大学数理情報学部講師.2007年神戸大学工学部情報知能工学科特命助教.2010年東京工科大学コンピュータサイエンス学部助教.2011年大阪大学大学院情報科学研究科特任准教授.2015年大阪工業大学情報科学部准教授.博士(工学).サービス指向アーキテクチャ,ソフトウェアプロセス,ソフトウェア工学教育特にアジャイル開発やチームソフトウェア開発教育,プログラミング教育についての研究に従事.IEEE,IPSJ,IEICE,JSET各会員.
[研究分野、研究テーマ]
  • ソフトウェア工学教育
  • クラウドコンピューティング
  • チームソフトウェア開発
  • プログラミング教育
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • IEEE
  • IPSJ
  • IEICE
  • JSET
  • JSSST
[アブストラクト]
ソフトウェア工学に代表される情報系エンジニア育成では、いわゆる情報についての知識や技術だけでなく、様々なステークホルダー間のコミュニケーションの取り方についての教育が重要である。しかしながらこれまでの対面授業では教員-学生間や隣同士等の固定的な学生間コミュニケーションに留まっていた。オンライン授業の実施にあたり、学生が授業に積極的に参加できるよう学生-教員間だけでなく普段話さない学生同士や習熟度の異なる学生同士での相互レビュー等、多様なコミュニケーション形態を導入し、実施することができた。
[キーワード]
  • ソフトウェア工学教育, 多方向コミュニケーション, 相互レビュー

Moodleを主体としたオンライン授業の設計および学生の学習状況の把握

lecturer

杉浦 真由美 (Sugiura Mayumi)
北海道大学 高等教育推進機構オープンエデュケーションセンター 助教
[略歴]
早稲田大学大学院修了 博士(人間科学)。札幌医科大学講師を経て現職。研究分野は教育工学、インストラクショナルデザイン、医学・看護教育。 
[研究分野、研究テーマ]
  • 医療分野における授業・研修のデザイン
  • 自己調整学習を促す学習支援システムの開発
  • シナリオ型ビデオ教材の開発と効果の測定
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 日本教育工学会
  • 教育システム情報学会
  • 日本医学教育学会
[アブストラクト]
医学生を対象とした初年次セミナーでは、大学で学ぶために必要なスキルの習得とともに、主体的・能動的な学びの促進を目指している。そのため、前年度は反転授業を設計し、学び合い教え合うワークを取り入れて実施した。こうした中、COVID-19の感染拡大を受け、今年度の授業はすべてオンラインとなった。授業はMoodleを主体として設計しなおし、オンデマンドと同時配信を組み合わせて実施した。本講演では、オンライン授業の設計および学生の学習状況の把握を中心に報告する。
[キーワード]
  • オンライン授業, Moodle, 授業設計, 学習状況の把握, COVID-19

ダッシュボードによる学習状況把握 -オンライン授業時代の教員支援-

lecturer

田村 恭久 (Tamura Yasuhisa)
上智大学 理工学部 教授
[略歴]
1987年上智大学大学院理工学研究科前期課程修了.日立製作所システム開発研究所,上智大学理工学部助手,専任講師,助教授を経て現職.博士(工学).教育の情報化,協調学習,電子教科書,学習履歴分析の研究に従事.学習分析学会理事長, ICT Connect 21理事/技術標準WG座長.ISO/IEC JTC1/SC36/WG8 (Learning Analytics Interoperability) Co-leader.情報処理学会,電子情報通信学会,教育システム情報学会,日本教育工学会 各会員.
 
[アブストラクト]
急遽開始されたオンライン授業で、「学習者の状況が把握しづらい」という問題が顕在化した。現状では、学習者の反応、学習状況、達成度を把握するツールの導入は一般的でない。そこで、学習状況を集約・可視化するダッシュボードの利用を提案する。また、学習履歴分析 (Learning Analytics)研究などをヒントに開発され、利用可能なダッシュボード製品を紹介する。これらは、オンライン授業を実施する教員の支援手段となりえる。
[キーワード]
  • オンライン授業, 状況把握, ダッシュボード, 学習履歴分析, 教員支援

在宅勤務環境下での新入社員教育 -出社させずに一人前の社会人にするには-

lecturer

貝塚 真樹 (Kaizuka Masaki)
株式会社インフォテクノ朝日 人事部 エデュケーショナル・エバンジェリスト
[略歴]
生命保険会社にて、システム開発・企画、事務制度設計、コンプライアンス推進などに36年間従事。2019年4月から生命保険会社のシステム開発・運用を請負う会社の人事部にて人財育成に従事。また、2014年4月からFUJITSUファミリ会関東支部にて幹事(2018年から支部長)として活動中。
 
[アブストラクト]
当社では毎年20~30名程度の新入社員に対して、3か月間の集合研修を実施しているが、今年度は、出社させられない、出社させた場合も密にならない環境を作らなければいけないという状況下で、初めて在宅環境、オンライン環境での新人研修を実施した。配属後に最低限必要となるビジネススキル、ICT知識を習得させることに加えて、会社への帰属意識を持たせること、疎外感を持たせないことなどを課題に、手探り状態で進めた研修の実態をご報告する。
[キーワード]
  • 新入社員教育, 人財育成, 在宅勤務, リモートワーク, オンライン研修

オンライン研修で見えてきた、ニューノーマル時代の新入社員育成

lecturer

三原 乙恵 (Mihara Otoe)
株式会社富士通ラーニングメディア
ナレッジサービス事業本部 人材育成サービス事業部 担当部長
兼)ソリューション本部 ビジネス推進統括部 プロモーション推進部 部長
[略歴]
富士通(株) システム本部 教育事業部にて、社内SEの人材育成に従事。(株)富士通ラーニングメディアにて、主にWebアプリケーションエンジニア育成を担当。2005年大手SIer新入社員研修の運営事務局リーダー経験をきっかけに新入社員育成サービスに携わる。リーマンショックや東日本大震災など、企業の採用状況も激動の中、2012年、社内に新入社員育成専門の組織が発足し、新入社員育成サービスを強化。東北復興支援活動のために富士通の新入社員約500名を引率する業務なども経験。現在も新入社員から若年層の人材育成に担当部長として活動中。
 
[アブストラクト]
「企業内には、続々とZ世代がやってくる!」新入社員育成の大変革が急務であると考え始めた矢先に世界的なパンデミックがやってきた。企業の人材育成担当者様も我々も、オンライン研修準備のために奮闘の日々が続いた。しかし、オンライン研修が始まってみると、ポジティブな意見ばかりが集まってくる。研修終了後、「次年度もオンライン研修を有効活用したい」という声ばかり。ニューノーマル時代の新入社員育成は、アフターデジタルの世界観で捉えると次の一手が見えるはず…
[キーワード]
  • Z世代, 新入社員育成, オンライン研修, アフターデジタル, ニューノーマル