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教育環境分科会 2020年度会合 ポストコロナの学びのデザイン
| 日時 | 2021年1月21日(木) 9:30-12:00 |
|---|---|
| 開催方法 | オンライン開催(ZOOM) |
| 参加対象 | SS研会員、CS研会員、IS研会員の各機関ご所属の方 |
| 参加費 | 無料 |
| 参加申込み | 開催済 |
| その他 | 本会合は、2020年度冬イベント(19日:BoF、20日:システム技術分科会、合同分科会、21日:教育環境分科会、科学技術計算分科会)の一部です。 |
開催趣旨
教育環境フォーラム(2020年9月実施)に引き続き、コロナ禍のもとでの、そしてコロナ後の大学教育を考えます。
オンライン教育の急速な導入と、その経験を今後の教育に活かすということを考えたときに、どうしても教育情報化の推進という点ばかりを考えがちです。しかし、教育環境をより広い視座で捉えたときに、オンラインと対面、同期と非同期、個人学習とグループ学習、デジタルとアナログ、など様々な座標軸で最適な環境を選択できる知見が必要です。
今回、効率化という意味での情報通信技術の、対極にあるかのような「不便益」についての特別講演、さらに様々な観点からのライトニングトークをいただき、会員の方々が教育環境の様々な座標軸を考える契機になればと考えています。
プログラム(敬称略)※予告なく変更する場合がございます。予めご了承下さい。
【公開可能な資料のみ順次本ページに掲載予定】
| 9:30- | 開始 |
|---|---|
| [司会]重田 勝介(北海道大学) | |
| 9:30-9:35 |
開催趣旨説明
隅谷 孝洋(広島大学)
|
| 9:35-10:25 講演 40分 Q&A 10分 |
特別講演
不便益システムをデザインする
川上 浩司 (京都大学) プロフィール
不便だからこそ得られることを「不便益」と名付けました。このときの「不便」とは、手間がかかり頭を使わねばならないこととします。そうすると、普通は、不便を解消する方向に技術開発が進みます。ところが、場合によっては解消してはならず、それどころか、あえて不便を導入して「不便益」を得るという方向で、システムをデザインすることもできます。そのような事例を紹介しますので、コロナ禍の不便な生活を経験した後での学びのデザインのヒントにしてください。 システムデザイン, 不便益, ユーザエクスペリエンス
プレゼン資料(PDF:8.9MB)
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| 10:25-10:30 | 休憩(5分) |
| 10:30-11:10 10分/名 |
ライトニングトーク
「ポストコロナの学びのデザイン」
発表者:
安武 公一 (広島大学) プロフィール・アブストラクト プレゼン資料(PDF:13.4MB)
内田 弘樹 (富士通株式会社) プロフィール・アブストラクト プレゼン資料(PDF:3.2MB)
平岡 斉士 (熊本大学) プロフィール・アブストラクト プレゼン資料(PDF:1.6MB)
田中 恵子 (京都情報大学院大学) プロフィール・アブストラクト プレゼン資料(PDF:1.7MB)
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| 11:10-11:15 | 休憩(5分) |
| 11:15-11:55 40分 |
パネルディスカッション
ポストコロナの学びのデザイン
ファシリテーター:
喜多 一 (京都大学)プロフィール パネリスト: 川上 浩司 (京都大学) 安武 公一 (広島大学) 内田 弘樹 (富士通株式会社) 平岡 斉士 (熊本大学) 田中 恵子 (京都情報大学院大学) |
| 11:55-12:00 |
閉会挨拶
小林 真也 (愛媛大学)
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講演者 / ファシリテーター
不便益システムをデザインする
川上 浩司 (Kawakami Hiroshi)
京都大学 情報学研究科 特定教授
京都先端科学大学 工学部 教授
京都先端科学大学 工学部 教授
[略歴]
1987年京都大学工学部卒業、1989年同大学院工学研究科修士課程修了。同年岡山大学工学部情報工学科助手、1998年京都大学情報学研究科助教授(後に准教授)、2014年同大学デザイン学ユニット(後に情報学研究科)特定教授。 2019年10月から京都先端科学大学教授を併任。博士(工学)。
[研究分野、研究テーマ]- システム科学
- システムデザイン
- 不便益
- 計測自動制御学会,システム制御情報学会,ヒューマンインタフェース学会,人工知能学会,機械工学会,など
- 『進化技術ハンドブック:基礎編』全体編集責任者(近代科学社, 2010)『不便から生まれるデザイン』単著(化学同人,2011)『不便益 という発想』単著(インプレス/ミシマ社,2017)『不便益』編著(近代科学社,2017)『不便益のススメ』単著(岩波ジュニア新書,2019)『不便益の実装』分担(近代科学社,2020)など
- 計測自動制御学会論文賞(1991,2003,2013)ヒューマンインタフェース学会論文賞(2010,2018)自動車技術会論文賞(2014)計測自 動制御学会部門貢献表彰(2016)日本感性工学会出版賞(2020)受賞
ヴァーチャルな空間でリアルな授業を! -インタラクティブ性を導入したオンライン授業の実践報告-
安武 公一 (Yasutake Koich)
広島大学 大学院人間社会科学研究科 准教授
[略歴]
1994年3月 神戸大学大学院経済学研究科博士課程後期課程修了、経済学修士、博士(学術)。広島大学経済学部助手、同講師、広島大学大学院社会科学研究科講師を経て、現在広島大学人間社会科学研究科准教授。2003年-2008年日本WebCTユーザ会幹事、2005年-2007年情報処理学会教育学習支援情報システム研究グループ運営委員、2007年-2013年情報処理学会教育学習支援情報システム研究会運営委員、2012-2013年情報処理学会教育学習支援情報システム研究会幹事。2019年広島大学教育賞受賞。専門は国際経済学、計算社会科学。
[アブストラクト]
SARS-CoV-2による新型コロナウィルス感染症が引き起こしたパンデミックにより、わが国の高等教育環境・実践は大きな影響を受け、オンライン授業への強制的な切り替えを余儀なくされました。ほぼ強制的に開始されたオンライン授業ですが、それは単に緊急避難的な従来型の対面授業の代替物であるだけではありません。オンライン授業であっても双方向的にインタラクティブな授業環境、学習環境をリアルに構築することは可能です。本講演では、広島大学経済学において実施された学部授業を例として、オンデマンド型講義資料配信スタイルともハイフレックス型オンライン授業とも異なる、アクティブ・ラーニングを志向した、インタラクティブな協調学習タイプのオンライン授業について報告します。「思考する学習者の相互作用」を重視した、with-CORONA、after-CORONAな時代の高等教育の明日を考えるヒントとなれば幸いです。
[キーワード]- オンライン授業, 協調学習, 高等教育, アクティブ・ラーニング
テレワークによるwell-beingとは -草の根的に創出される活動について-
内田 弘樹 (Uchida Hiroki)
富士通株式会社 デザインセンター 部長
[略歴]
多摩美術大学生産デザイン学科プロダクトデザイン専攻卒業
1996年富士通株式会社に入社
コンテンツビジネスから、ユーザーインターフェースデザイン、仮想世界(セカンドライフ内でのデザイン)、IoT・ロボット・5Gなどのビジョン開発、ブランドデザイン、富士通スマートフォンarrowsのリブランディング、サービスデザインによるお客様の新規ビジネス創出などに従事。
約1000件の案件の経験を経て、企業が新ビジネスを世に送り出すためには企業内の組織変革や社内・外に対して新たなコミュニケーションデザインが必要であることを痛感し、現在、富士通13万人デザイン思考浸透のためのコミュニケーションプログラム設計やお客様とのタッチポイント創出などに取組中。
[所属学会、受賞歴、著書など]
1996年富士通株式会社に入社
コンテンツビジネスから、ユーザーインターフェースデザイン、仮想世界(セカンドライフ内でのデザイン)、IoT・ロボット・5Gなどのビジョン開発、ブランドデザイン、富士通スマートフォンarrowsのリブランディング、サービスデザインによるお客様の新規ビジネス創出などに従事。
約1000件の案件の経験を経て、企業が新ビジネスを世に送り出すためには企業内の組織変革や社内・外に対して新たなコミュニケーションデザインが必要であることを痛感し、現在、富士通13万人デザイン思考浸透のためのコミュニケーションプログラム設計やお客様とのタッチポイント創出などに取組中。
[所属学会、受賞歴、著書など]
- 国際ユニバーサルデザイン協議会 IAUD国際デザイン賞2018 金賞
- 2013年度・2016年度グッドデザイン賞
- NPO法人 経済教育研究会
[アブストラクト]
テレワークによるワークやチーミングにおけるメリット・デメリットとそこから生まれた新たな取組みの紹介。また、大学訪問が出来ない時代のリクルーティング活動に対して新たなタッチポイントを創出した事例など現場の生の声をお届けします。
[キーワード]- チーミング, オンラインワークショップ/勉強会, リクルート
非同期学習設計のすすめ -対面授業の代替からの脱却-
平岡 斉士 (Hiraoka Naoshi)
熊本大学教授システム学研究センター准教授
[略歴]
京都大学 教育学部卒、同 大学院教育学研究科 博士前期・後期課程修了。博士(教育学)。
熊本大学 大学院社会文化科学研究科 教授システム学専攻 博士前期課程修了。修士(教授システム学)。
研究テーマ:心理学の教育適用、知的技能学習支援、メディア特性の活用本能的に快適な学習システム設計、メディアの特性の見極めと活用、非同期型学習設計、eポートフォリオ設計支援、ありがたや状態でなく本質的にIDを理解してもらうための方略 。
熊本大学 大学院社会文化科学研究科 教授システム学専攻 博士前期課程修了。修士(教授システム学)。
研究テーマ:心理学の教育適用、知的技能学習支援、メディア特性の活用本能的に快適な学習システム設計、メディアの特性の見極めと活用、非同期型学習設計、eポートフォリオ設計支援、ありがたや状態でなく本質的にIDを理解してもらうための方略 。
[アブストラクト]
対面授業は通常は学習者が同じ時間に集う同期型(リアルタイム型)で行われるが、ICTを活用した遠隔授業では同期型だけでなく、学習者が自身のペースで学ぶ非同期型(オンデマンド型)も現実的な選択肢となる。ポストコロナでは対面授業の代替をICTを活用した遠隔学習に求めるのではなく、非同期型学習を中心にした新たな学びの形を整えていく必要がある。本発表では、非同期型学習の特徴とその学習をデザインするときのコツについて述べる。
[キーワード]- インストラクショナルデザイン, eラーニング, 非同期学習, LMS
米国:相互運用性のあるLERの最新動向 -学びと仕事をつなぐ学習記録の技術標準-
田中 恵子 (Tanaka Keiko)
京都情報大学院大学 東京サテライト 助教
[略歴]
京都情報大学院大学助教。国際大学 GLOCOM 客員研究員,日本 IT 団体連盟 IT 教育・人材育成委員会事務局長代理。上智大学文学士(新聞)京都情報大学院大学応用情報技術研究科修了,情報技術修士(専門職)。広告プランナー,京都コンピュータ学院講師,英字ニュース編集,ベンチャー企業広報を経て現職。
[所属学会、受賞歴、著書など]
[所属学会、受賞歴、著書など]
- 教育工学会
- 日本キャリア教育学会
[アブストラクト]
教育や研修などによる個人の学習記録を、セマンティックウェブ技術とブロックチェーン技術との組み合わせにより、採用の合理化につなげる取組みがアメリカで進められている。ジョブ型雇用において、採用側が個人の学習履歴をシームレスに認知できる技術基盤として新たに「LER(Learning and Employment Records)]」と命名された官民オープンデータ連携について最新の動向を報告する。
[キーワード]- 人材育成, LER, ILR, オープンデータ, 学習履歴, デジタルバッジ
「ポストコロナの学びのデザイン」
喜多 一 (Kita Hajime)
京都大学 国際高等教育院 教授/情報環境機構 機構長
[略歴]
1959年生まれ、1987 年京都大学大学院工学研究科博士課程研究指導認定退学、工学博士、京都大学 工学部 助手、東京工業大学 大学院 総合理工学研究科 助教授、大学評価・学位授与機構 教授、京都大学 学術情報メディアセンター 教授を経て 2013年より京都大学 国際高等教育院 教授、2016年まで同院副教育院長、2016年より京都大学情報環境機構 機構長を兼務。大学 ICT 推進協議会、システム制御情報学会 理事、情報処理学会 一般情報教育委員会 委員。専門はシステム工学、情報教育。社会シミュレーション、一般情報教育、初学者のプログラミング教育の研究に従事。