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教育・研究システム分科会2025年度会合 「大学DXを導くAI活用の羅針盤 ― マネジメント・ガイドライン・倫理」

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日時 2025年12月23日(火) 10:00-13:00
会場 場所:Fujitsu Uvance Kawasaki Tower(JR川崎タワー) 20階大会議室M201
(住所:神奈川県川崎市幸区大宮町1番地5)

ハイブリッド開催 集合+オンライン配信(ZOOM)
参加対象 SS研会員、CS研会員、IS研会員の各機関にご所属の方
参加費 無料
参加申込み 冬イベントページ 「参加申込み」よりお申込みください。
その他

本会合は、2025年度冬イベント(展示、HPC分科会)の一部です。
ご興味がございましたら是非ご参加ください。

開催趣旨

 いま大学は、デジタルトランスフォーメーション(DX)の潮流の中で、新たな知の創出や教育の高度化に向けた変革を迫られている。その中心にあるのが、急速に進展する人工知能(AI)の活用である。教育・研究の現場では、生成AIをはじめとする新しいツールが急速に普及し、学修支援、研究活動、さらには大学運営の効率化まで、多様な場面での応用が広がりつつある。
 しかし一方で、AIを導入・活用するにあたり、マネジメントの不在やセキュリティリスク、ガイドラインの未整備といった課題が顕在化している。教育の質の保証や研究の信頼性確保、学生・教職員の権利保護、さらには倫理的な判断基準の策定など、大学として責任を持って取り組むべきテーマが山積している。
 こうした状況を踏まえ、本年度の教育・研究システム分科会2025年度会合(冬イベント)では、「大学DXを導くAI活用の羅針盤 ― マネジメント・ガイドライン・倫理」をテーマに掲げ、AIを大学でどう位置づけ、どう管理し、どのようなルールのもとで活用すべきかを、AIマネジメント、倫理、ガイドラインという三つの視点から、大学におけるAI活用の現在地とこれからの方向性を探る。講演とパネルディスカッションを通じて実践に基づいた知見を共有し、未来の大学DXを切り拓くための「羅針盤」をともに描く場としたい。

 

プログラム(敬称略) ※予告なく変更する場合がございます。予めご了承下さい。

【公開可能な資料のみ会合終了後に掲載予定】

9:30- 受付開始(現地)
9:50- アクセス開始(オンライン)
 [司会]廣瀬 幸 (九州工業大学)
10:00-10:05
開催趣旨説明
藤村 丞(福岡大学)
10:05-10:40
講演 35分

講演1
「大学DXをレスポンシブルに実装する
 ーELSI(倫理的・法的・社会的課題)の考え方」
岸本 充生 (大阪大学) プロフィール

大学におけるDXは教育・研究・実務のすべてにおいて実践されているが、それぞれが独立に議論される傾向がある。またそれぞれのリスクも異なり、それらへの対処方法も異なってくる。本講演では、新規技術の研究開発から社会実装までのELSI(倫理的・法的・社会的課題)の取組を紹介しつつ、大学DXに焦点を当てて、大阪大学で社会技術共創研究センター(ELSIセンター)が関わったテーマを取り上げ、挑戦と残された課題を紹介する。

ELSI(倫理的・法的・社会的課題), リスク, AI倫理, リスクガバナンス
10:40-11:15
講演 35分

講演2
「安心安全なAI社会の実現に向けて:富士通におけるAI倫理およびAIガバナンスの実践」
荒堀 淳一 (富士通株式会社) プロフィール

当社は、AIの社会実装を加速させるエコシステム構築に貢献するために、AIリスク管理をはじめとする組織統制、法規制や業界標準への準拠、産学官を問わない組織横断的な連携、そして社会へのベストプラクティスの共有などの施策を強力に推進している。本講演では、当社が取り組むAI倫理およびAIガバナンス施策の要諦をあらためてご説明するとともに、AIビジネス推進時に直面しがちなAI倫理リスク事例/対策例を取り上げ、AI利活用の未来をみなさまと共に考える場としたい。

AI倫理, AIガバナンス, 法務

11:15-11:50

講演 35分

講演3
「AIの信頼性と倫理をどう担保するか? (ISO/IEC 42001で考えるAIガバナンス)」
山口 和夫 (株式会社日本環境認証機構) プロフィール

生成AIの活用が進む中で、教育・研究の現場でも“どう使うか”だけでなく、“どう管理するか”が問われています。AI技術の急速な進展と社会への浸透に伴い、AIの利活用に関する信頼性・透明性・倫理的課題への対応が求められる中で、AIが示す結果に責任を持つには、どのような仕組みが必要なのでしょうか?本講演では、AIのライフサイクル全体を対象とした国際規格「ISO/IEC 42001」について、わかりやすくご紹介します。

AIガバナンス, リスクマネジメント, AI倫理, 透明性, マネジメントシステム
11:50-12:05 休憩(15分)
12:05-12:55
講演 50分

パネルディスカッション
「大学DXを導くAI活用の羅針盤 ― マネジメント・ガイドライン・倫理」
ファシリテーター:
  木戸 善之 (岡山理科大学)
パネリスト:
  岸本 充生 (大阪大学)
  荒堀 淳一 (富士通株式会社)
  山口 和夫 (株式会社日本環境認証機構)
12:55-13:00
閉会挨拶
久保田 真一郎 (熊本大学)

講演者 / パネルディスカッション パネリスト

大学DXをレスポンシブルに実装する
 ーELSI(倫理的・法的・社会的課題)の考え方

lecturer
岸本 充生(KISHIMOTO Atsuo)
大阪大学 D3センター教授&社会技術共創研究センター長
[略歴]
京都大学経済学研究科で博士(経済学)を取得後、工業技術院(のちに、産業技術総合研究所)に就職。安全科学研究部門研究グループ長を経て、2014年から東京大学公共政策大学院特任教授。2017年から大阪大学データビリティフロンティア機構(現・D3センター)教授。2020年4月からは社会技術共創研究センター(ELSIセンター)センター長を兼務。新規科学技術のELSI(倫理的・法的・社会的課題)を研究している。専門はリスク学、政策評価。所属学会は、日本リスク学会、環境経済・政策学会、人工知能学会など、共編著に『リスク学事典』(丸善)、共著に『基準値のからくり』『世界は基準値でできている』(共に、講談社ブルーバックス)など

 

「安心安全なAI社会の実現に向けて:富士通におけるAI倫理およびAIガバナンスの実践」

lecturer

荒堀 淳一(Arahori Junichi)
富士通株式会社
AIインテグリティセンター センター長 兼 AI倫理室長
[略歴]
 2002年:富士通株式会社入社
 2012年:同社 ビジネス法務部部長
 2015年:同社 ワシントンDC事務所長
 2019年:同社 デジタルテクノロジー推進法務室長
 2022年:同社 AI倫理ガバナンス室室長
 2025年:同社 AIインテグリティセンター長
       (兼AI倫理室長)(現)
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 総務省AIネットワーク社会推進会議 AIガバナンス検討会 構成員
  • 経団連AI活用戦略タスクフォース委員

「AIの信頼性と倫理をどう担保するか?
 (ISO/IEC 42001で考えるAIガバナンス)」

lecturer
山口 和夫(Yamaguchi Kazuo)
株式会社日本環境認証機構
認証事業本部 審査部 ISMS技師長
[略歴]
 2019 - 現在 株式会社 日本環境認証機構
       (審査員/セミナー講師)
 2017 - 2018 株式会社 NECソリューションイノベータ
 2004 - 2018 株式会社 日本環境認証機構
       (契約審査員/セミナー講師)
 1990 - 2016 株式会社 NEC情報システムズ
 1989 - 1990 NEC Electronics社(米国カリフォルニア州)
 1982 - 1989 株式会社 NEC技術情報システム開発
[研究分野、研究テーマ]
  • 情報セキュリティマネジメント
  • クラウドセキュリティマネジメント
  • ITサービスマネジメント
  • プライバシー保護マネジメント
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • JACB情報技術委員会