カテゴリ:2025年度

HPCフォーラム2025「HPC、どう使ってる? ~より良いHPCにむけて~」

 

日時 2025年8月18日(月) 10:00-16:00
開催方法 場所:JR川崎タワー20階大会議室M201
ハイブリッド開催(集合 + オンライン配信(ZOOM))
午前に話題提供を行い(配信は午前のみ)、午後よりグループに分かれて議論を行うワークショップ形式になります。是非、現地での討論にご参加ください。また、現地参加には人数制限があります。先着順となりますのでご了承ください。
参加対象 SS研会員に限らず、どなたでも参加可能。
参加費 無料
参加申込み [開催済]
その他 SS研では本フォーラム以外に以下のオープンフォーラムを開催します。
ご興味がございましたら是非ご参加ください。

開催趣旨

 今回のHPCフォーラムは、従来の講演会形式ではなく、参加者の皆さんが小グループに分かれて議論を行うワークショップ形式で開催し、より良いHPCの使い方について大いに討論して頂きたいと思います。
 昨今、HPC上で実行されるアプリケーションはMPI等を使った並列シミュレーションだけではなく、大規模ワークフローの実行やPythonで記述されたフレームワーク経由でHPCを使う事例が増えてきています。
 このように使い方が多様化するアプリケーションをHPC上でより良く使うには、個々のプログラムの性能や利用者毎の使い勝手だけでなく、システム全体の効率や利用者間の公平性などを総合的に考える必要があります。そこで、今回のHPCフォーラムでは、まず数名の講演者の皆様に、現在HPCがどのように使われているのか、もしくは、より良いHPCの利用に向けてどのような方法が考えられるか、などについてお話しして頂きます。その後、参加者の皆さんに小人数のテーブルに分かれて頂き、昼食も含めて3時間ほど、HPCの使い方について自由に討論(もしくは雑談)して頂きます。最後に、各テーブルでの討論の概要を参加者全体で共有することで、今後のより良いHPC環境の実現に向けた一歩に出来れば、と考えております。
 前半の話題提供はオンラインと現地のハイブリッド開催ですが、後半の討論は現地のみでの開催です。是非この機会に現地でご参加いただき、HPCの使い方についての雑談をお楽しみください。

プログラム(敬称略)※予告なく変更する場合がございます。予めご了承下さい。

【公開可能な資料のみ順次本ページに掲載予定】

9:30- 受付開始  (現地参加)
9:50- アクセス開始(オンライン参加)
[司会] 藤田 直行 (宇宙航空研究開発機構)
10:00-10:10
開催趣旨説明
南里 豪志 (九州大学)
10:10-12:00
話題提供
話題提供(予定)
スーパーコンピュータ「富岳」におけるOpen OnDemandの利用
中尾 昌広(理化学研究所)
  プロフィール・アブストラクト
講演資料 (PDF:5.9MB)

大規模言語モデル開発向け GPUクラウドの調達
吉田 浩(国立情報学研究所)
  プロフィール・アブストラクト
講演資料 (PDF:1.5MB)

スーパーコンピュータ「富岳」による台風に伴う竜巻の数値シミュレーション
吉田 龍二(横浜国立大学)
  プロフィール・アブストラクト
講演資料(PDF:5.9MB)

宇宙天気予測シミュレーション -太陽嵐の影響予測 -
塩田 大幸(情報通信研究機構)
  プロフィール・アブストラクト
講演資料(PDF:5.5MB)

HPCアプリケーションのGPGPU化事例
多湖 和馬(富士通株式会社)
  プロフィール・アブストラクト
講演資料 (PDF:1.6MB)
12:00-13:00 ランチミーティング(60分)
軽食をご用意します。
13:00-14:10
グループ討論(70分)
複数のグループに分かれて討論
 
14:10-14:20 休憩(10分)
14:20-14:50
討論結果共有(30分)
各グループでの討論結果を共有
14:50-15:00 閉会あいさつ
15:00-16:00 お時間のある方は残って自由討論(60分)

講演者

スーパーコンピュータ「富岳」におけるOpen OnDemandの利用

lecturer

中尾 昌広
理化学研究所 計算科学研究センター 運用技術部門 技師
[略歴]
2013年12月 -(現在): 理化学研究所 計算科学研究センター
2021年4月 -(現在): 運用技術部門 先端運用技術ユニット 技師
2018年4月 - 2021年3月: アーキテクチャ開発チーム 研究員
2013年12月 - 2018年3月: プログラミング環境研究チーム 研究員
2010年4月 - 2013年11月: 筑波大学 計算科学研究センター 研究員
 
[研究分野、研究テーマ]
  • 高性能計算
  • プログラミング言語
  • 最適化アルゴリズム
[受賞歴]
  • HPCIソフトウェア賞【普及部門賞】最優秀賞
  • Graph500 BFS部門 11期連続1位(2025年8月現在)
  • Graph Golf Competition 一般/格子/ホストスイッチグラフの各部門で優勝
  • 情報処理学会 山下記念研究賞
  • HPC Challenge Award Competition Class 2 最優秀賞 など
[アブストラクト]
Open OnDemandは、Webブラウザからスーパーコンピュータを簡単に利用するためのソフトウェアです。コマンドラインに不慣れなユーザでも、計算ジョブの実行、ファイルの操作、リモートデスクトップやJupyterLabなどのGUIアプリケーションの利用が、すべてWebブラウザ上で可能になります。このことから、利便性の向上だけでなく、利用者層の拡大も期待できます。本講演では、スーパーコンピュータ「富岳」におけるOpen OnDemandの導入、活用状況、課題などについてご紹介します。
[キーワード]
  • 高性能計算, 運用技術, ユーザ支援, ユーザインタフェース, Webアプリケーション

大規模言語モデル開発向け
GPUクラウドの調達

lecturer

吉田 浩
国立情報学研究所 クラウド基盤研究開発センター 特任教授
[略歴]
2015年より国立情報学研究所 (NII) クラウド基盤研究開発センターにおいて、クラウド技術およびストレージ技術の研究開発、大学・研究機関のクラウド導入・利活用の支援活動、NIIの事業用・研究用クラウド基盤の整備に従事。2024年よりNII 大規模言語モデル研究開発センターを兼務。2015年以前は富士通株式会社において、クラウド、ストレージ、ソフトウェア関連の開発企画を担当。
[研究分野、研究テーマ]
  • クラウドコンピューティング
  • ストレージシステム
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • IEEE
  • 情報処理学会
[アブストラクト]
国立情報学研究所では、2024年度に、大規模言語モデルの開発を目的として、商用クラウド上の大量のGPU資源を調達して利用した。このクラウド資源の調達プロセスは前年度から約1年をかけて進められた。ここでは、特に策定した調達仕様の技術面に加えて、GPU関連資源およびクラウド特有の考慮点を中心に、調達の概要を説明する。
[キーワード]
  • 大規模言語モデル、GPU、パブリッククラウド、クラウド内ネットワーク、クラウドストレージ

スーパーコンピュータ「富岳」による台風に伴う竜巻の数値シミュレーション

lecturer

吉田 龍二
横浜国立大学 環境情報研究院 准教授
[略歴]
2022年4月~現在
  横浜国立大学 環境情報研究院 自然環境と情報専攻 /都市科学部 環境リスク共生学科 / 総合学術高等研究院 台風科学技術研究センター
2018年8月~2022年3月
  米国海洋大気庁(NOAA)Earth System Research Laboratories, Chemical Sciences Laboratory
2011年10月~2018年7月
  理化学研究所計算科学研究機構複合系気候科学研究チーム
2014年9月
  京都大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻 論文博士認定 (博士 理学)
[研究分野、研究テーマ]
  • メソ気象学,組織化積乱雲群
  • 熱帯大気,熱帯低気圧発生過程,熱帯域大規模循環
  • 数値大気モデル開発
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 日本気象学会
  • アメリカ地球物理学連合
  • アメリカ気象学会
  • 海洋開発研究機構 ブルーアース11ポスター若手奨励賞(平成23年3月)
  • 日本気象学会 2017年度気象集誌論文賞(平成30年5月)
[アブストラクト]
富士通株式会社と国立大学法人横浜国立大学の富士通SRLは、スーパーコンピュータ「富岳」上で、富士通の大規模並列処理技術と、横浜国立大学台風科学技術研究センターの坪木和久教授が開発した数値大気モデル Cloud Resolving Storm Simulator を組み合わせることで、これまで困難だった台風に伴って発生する竜巻の予測を可能にする、高速かつ高解像度な気象シミュレーションを実現した。本講演では、その詳細について紹介する。
[キーワード]
  • 気象学, 台風,竜巻,数値地球流体力学, 高解像度モデル

宇宙天気予測シミュレーション
-太陽嵐の影響予測 -

lecturer

塩田 大幸
情報通信研究機構 電磁波研究所電磁波伝搬研究センター 宇宙環境研究室 宇宙天気予報グループ 研究マネージャー
[略歴]
2023年5月 - 現在 情報通信研究機構 研究マネージャー
2023年8月 - 現在 名古屋大学 宇宙地球環境研究所 客員教授
2020年 – 2023年 情報通信研究機構 主任研究員
2017年 – 2020年 情報通信研究機構 研究員
2013年 – 2017年 名古屋大学 特任助教
2010年 – 2013年 理化学研究所 基礎科学特別研究員
2009年 – 2010年 名古屋大学 研究員
2008年 – 2009年 海洋研究開発機構 ポストドクトラル研究員
2007年 – 2008年 国立天文台 研究員
[研究分野、研究テーマ]
  • 太陽物理学
  • 太陽圏物理学
  • 宇宙天気
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 日本天文学会
  • 地球電磁気・地球惑星圏学会
[アブストラクト]
太陽コロナで発生する爆発現象「太陽嵐(太陽フレア・コロナ質量放出(CME))」は、地球に到来すると地球周辺の宇宙空間の環境(宇宙天気)を大きく乱し、宇宙空間を利用する社会インフラなどに影響が及ぶことがある。太陽嵐の影響を予測するため、太陽観測データに基づく惑星間空間の磁気流体力学シミュレーションを用いた予測システムを開発した。その概要とともに情報通信研究機構の宇宙天気予報業務の中で実際に利用された事例を紹介する。
[キーワード]
  • 宇宙天気, 太陽嵐(太陽フレア・CME), 太陽風, 磁気流体力学シミュレーション

HPCアプリケーションのGPGPU化事例

lecturer

多湖 和馬
富士通株式会社 ミッションクリティカルシステム事業本部 テクニカルコンピューティング事業部
[略歴]
富士通株式会社に入社後、製造業務向けアプリの開発・業務適用、民間企業向けHPC運用支援を行う。現在はHPCアプリケーションに対する性能評価、高速化等に従事している。
[アブストラクト]
富士通は長年にわたり、スーパーコンピュータの構築をはじめとするHPCビジネスに取り組んできました。近年GPUスパコンの普及が進む中で、利用者がGPUを有効利用できるように、HPCアプリケーションのGPGPU化サービスを展開しています。本発表では、Miyabiスーパーコンピュータ向けに実施したHPCアプリケーションのGPGPU化の事例を取り上げます。HPCアプリケーションにおけるGPGPU化のアプローチ、実装過程での課題と解決策をご紹介します。
[キーワード]
  • GPGPU, OpenACC, HPCアプリケーション, OSS