Blog

教育環境分科会 2024年度会合 教育DXを活用した大学の将来像とは? ~オープンバッジ・マイクロクレデンシャルの活用方法を考える~

印刷用ご案内

日時 2024年10月28日(月) 13:30-17:25
会場 場所:神戸国際会議場
ハイブリッド開催 集合+オンライン配信(ZOOM)
参加対象 SS研会員、CS研会員、IS研会員の各機関にご所属の方
参加費 無料
参加申込み 開催済
その他 本会合は、2024年度秋イベント(28日:科学技術計算分科会、教育環境分科会、BoF、29日:システム技術分科会合同分科会)の一部です。

開催趣旨

 近年、デジタルトランスフォーメーション(DX)が話題となる一方で、大学を未来に向けて、どのように変革していくかを考える必要が生じています。 その1つとして、オープンバッジやマイクロクレデンシャルといったデジタル証明書の活用が挙げられます。 オープンバッジは、デジタル形式で取得できるスキルや経験の証明書であり、学習成果や専門知識を視覚的に示し、オンラインで共有できる仕組みです。 マイクロクレデンシャルは、学修成果を証明し、明確な基準に基づいて評価されることで教育の質を保証することを目指すものです。これらのデジタル証明書を活用することで、 学習成果をどのように可視化し、学習者の能力を効果的に評価・証明できるかを検討することが求められています。
 本分科会では、オープンバッジやマイクロクレデンシャルに関する概要、大学や企業における具体的な活用事例を紹介し、教育DXを活用した未来の大学教育のあり方について議論します。

プログラム(敬称略)※予告なく変更する場合がございます。予めご了承下さい。

【公開可能な資料のみ会合後に掲載予定】

13:00- 受付開始(現地)
13:20- アクセス開始(オンライン)
 [司会]久保田 真一郎 (熊本大学)
13:30-14:00
講演 30分

講演1
「高等教育DXの将来像
 オープンバッジ・マイクロクレデンシャル活用の観点から」
重田 勝介 (北海道大学)プロフィール

本講演では、高等教育のデジタル化(教育DX)を推進するにあたっての可能性と課題を整理すると同時に、オープンバッジやマイクロクレデンシャルを導入する意義について解説する。国内外の高等教育機関における教育DXの事例やオープンバッジ、マイクロクレデンシャル導入の事例から、高等教育を進化させる手法としてオープンバッジ、マイクロクレデンシャルに着目する背景と活用の展望を示す。

高等教育,教育DX,オープンバッジ,マイクロクレデンシャル
プレゼン資料(PDF:2.2MB)
14:00-14:45
講演 45分

講演2
「マイクロクレデンシャルとデジタル学修歴の国内外の最新動向と標準化」
井上 雅裕 (慶應義塾大学) プロフィール

産業構造の急速な変化への対応やイノベーションを推進できる人材の育成のために、大学で修得した知識だけでなく、卒業後も継続的に学習を行うことが期待されている。これに対して修士や学士などの学位プログラムを補完する教育として、特定の領域を比較的短期間で学び、その学修成果を証明するマイクロクレデンシャルが各国で注目されている。マイクロクレデンシャルは教育制度と学修歴をデジタル発行するためのデジタルバッジ等の情報技術で構成される。ここでは,これらの最新動向と標準化、および教育制度と情報技術からなるアーキテクチャについて述べる。

マイクロクレデンシャル, デジタルバッジ, 標準化, アーキテクチャ, 国際連携
プレゼン資料(PDF:3.5MB)
14:45-15:00 休憩(15分)

15:00-15:25

講演 25分

講演3
「大阪大学における教学DXの現状と課題
-Open BadgeとMicro Credential を中心に-」
竹村 治雄 (大阪大学) プロフィール
都竹 茂樹 (大阪大学) プロフィール

本講演では、大阪大学における教育学習支援情報システムの変遷を通して、教学DXの実現に向けた取り組み状況を紹介する。特に、学生のニーズに適合した教育の提供の方法についての考察と、それを実現するために技術的背景であるマイクロクレデンシャルの活用と、そのために必要となるオープンバッジの導入の現状と課題について述べる。
あわせて演者の都竹が熊本大学において実施した「バッジを活用した社会人向けブレンディッドラーニングプログラムの事例」についても紹介し、バッジの活用方法について考える。

教育DX, オンライン学習, オープンバッジ, 教育学習支援情報システム, マイクロクレデンシャル
プレゼン資料(PDF:4.3MB)
15:25-15:50
講演 25分

講演4
「中央大学におけるオープンバッジ活用
:「学修成果可視化」ツールとしての特徴を考える」
佐藤 信行 (中央大学)プロフィール

中央大学は、2021年度に一般財団法人オープンバッジ・ネットワークが発行するオープンバッジの実証実験導入を行い、現在はいくつかの場面で活用を行っている。本学では、オープンバッジを学修成果可視化の有用な手段の一つと考えており、ポートフォリオ等各種の可視化手段と組み合わせた活用を模索しているところである。そこで、今回は、本学における学修成果の可視化に関する考え方とオープンバッジの位置づけを中心として、本学の取組事例をご紹介したい。

学修成果可視化,オープンバッジ, ポートフォリオ, 中央大学, 事例研究
プレゼン資料(PDF:766KB)
15:50-16:15
講演 25分

講演5
「オープンバッジを活用したDXの推進
 ~カルチャー変革とスキル開発の両輪~」
松井 正徳 (株式会社富士通ラーニングメディア) プロフィール

デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する上で、個人の成長と組織の成長は不可欠です。本講演では、富士通におけるオープンバッジを活用したスキル開発とカルチャー変革の取り組みを紹介します。近年の人的資本経営やジョブ型人材マネジメントの潮流を踏まえ、組織戦略で必要とされるスキルを可視化・管理し、社員の自律的な学びと学びの文化の醸成を促進することについて考えます。

DX, カルチャー変革, 人的資本経営, ジョブ型人材マネジメント, オープンバッジ
プレゼン資料(PDF:4.6MB)
16:15-16:30 休憩(15分)
16:30-17:20
講演 50分

パネルディスカッション
「教育DXを活用した大学の将来像とは?
~オープンバッジ・マイクロクレデンシャルの活用方法を考える~」
ファシリテーター:
隅谷 孝洋 (広島大学)
パネリスト:
重田 勝介 (北海道大学)
井上 雅裕 (慶應義塾大学)
都竹 茂樹 (大阪大学)
佐藤 信行 (中央大学)
松井 正徳 (株式会社富士通ラーニングメディア)
17:20-17:25
閉会挨拶
村上 正行 (大阪大学)

講演者 / パネルディスカッション パネリスト

「高等教育DXの将来像
 オープンバッジ・マイクロクレデンシャル活用の観点から」

lecturer
重田 勝介(Shigeta Katsusuke)
北海道大学 情報基盤センター 教授
[略歴]
北海道大学情報基盤センター教授。大学院教育推進機構オープンエデュケーションセンター副センター長・オープン教育開発部門長。 大阪大学大学院卒(博士 人間科学)。東京大学助教等をへて現職。研究分野は教育工学・オープンエデュケーション。
[研究分野、研究テーマ]
  • 教育工学
  • オープンエデュケーション
  • ハイブリッド型学習
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 日本教育工学会
  • 教育システム情報学会
  • 情報処理学会
  • 信教育学会 等

「マイクロクレデンシャルとデジタル学修歴の国内外の最新動向と標準化」

lecturer

井上 雅裕(INOUE Masahiro)
慶應義塾大学 大学院システムデザイン・マネジメント研究科 特任教授
一般社団法人オープンバッジネットワーク理事
[略歴]
慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科 特任教授、芝浦工業大学名誉教授、 早稲田大学大学院理工学研究科 物理学及応用物理学専攻 博士前期課程修了、博士(工学)、技術士(情報工学部門)、 シニア教育士(工学・技術)、三菱電機株式会社、芝浦工業大学教授、同副学長を経て、2021年4月より現職。
一般社団法人PMI日本支部理事 教育国際化委員会委員長、 一般財団法人オーブンバッジネットワーク理事、 JV-Campus/JMOOC マイクロクレデンシャル合同WG発起人、 IEEEシニアメンバ
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 「大学のデジタル変革―DXによる教育の未来―」東京電機大学
出版局
  • 「M2M/IoTシステム入門」森北出版
  • 「組込みシステム」共立出版
  • 「システム工学 -定量的な意思決定法-」オーム社
  • 「システム工学 -問題の発見・解決の方法-」オーム社
  • 「学生を成長させる海外留学プログラムの設計」東信堂
  • 「プロジェクトマネジメント・ツールボックス」 鹿島出版

「大阪大学における教学DXの現状と課題
-Open BadgeとMicro Credential を中心に-」

lecturer
竹村 治雄(TAKEMURA Haruo)
大阪大学 スチューデント・ライフサイクルサポートセンター
副センター長・特任教授(非常勤)
[略歴]
1987年3月 大阪大学 大学院基礎工学研究科 物理系専攻情報工学分野 博士後期課程単位取得退学
1987年4月 - 1992年3月 (株)国際電気通信基礎技術研究所・研究員
1991年4月 - 1994年3月 (株)国際電気通信基礎技術研究所・主任研究員
1994年4月 - 2001年3月 奈良先端科学技術大学院大学・情報科学研究科・助教授
2001年4月 - 2024年3月 大阪大学 サイバーメディアセンター 教授
2003年4月 - 2024年3月 大阪大学情報科学研究科 情報システム工学専攻 教授(兼任)
2022年4月 - 2024年3月 大阪大学 スチューデントライフサイクルサポートセンター 教授(兼任)
2024年4月 大阪大学 名誉教授
2024年4月 - 現在 大阪大学 スチューデント・ライフサイクルサポートセンター 特任教授(非常勤)
[研究分野、研究テーマ]
  • ヒューマン・コンピュータ・インタラクション
  • VR/AR/MR 3次元ユーザインタフェース
  • 教育学習支援情報システム
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 電子情報通信学会
  • 情報処理学会
  • 日本バーチャルリアリティ学会
  • ヒューマンインタフェース学会

「大阪大学における教学DXの現状と課題
-Open BadgeとMicro Credential を中心に-」

lecturer
都竹 茂樹(TSUZUKU Shigeki)
大阪大学 スチューデント・ライフサイクルサポートセンター
教学DX部 教授
[略歴]
1991年3月 高知医科大学医学部卒業 (医師)
1995年3月 名古屋大学大学院医学研究科満了 (医学博士)
2006年6月 ハーバード大学公衆衛生大学院修了(MPH、公衆衛生学修士)
2011年3月 熊本大学大学院教授システム学専攻修了(修士・教授システム学)

1997年4月 - 1999年10月 国立長寿医療研究センター疫学研究部 リサーチレジデント
1999年10月 - 2000年9月 ハワイ骨粗鬆症財団 客員研究員
2003年4月 - 2004年3月 ホノルルハートプログラム 客員研究員
2007年10月 - 2011年7月 高知大学医学部公衆衛生学教室 准教授
2011年7月 - 2023年3月 熊本大学 教授(政策創造研究教育センター、教授システム学研究センター)
2023年4月より現在 大阪大学スチューデント・ライフサイクルサポートセンター 教学DX部 教授
[研究分野、研究テーマ]
  • 教育工学(インストラクショナル・デザイン)
  • ヘルスプロモーション
  • トレーニング科学
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 日本教育工学会
  • 教育システム情報学会
  • 日本臨床運動療法学会
  • 日本公衆衛生学会

「中央大学におけるオープンバッジ活用
 :「学修成果可視化」ツールとしての特徴を考える」

lecturer
佐藤 信行(Sato Nobuyuki)
中央大学大学院法務研究科 教授
中央大学教育力研究開発機構長 中央大学副学長
[略歴]
2021年04月 中央大学教育力研究開発機構長(創設時機構長)
2020年07月 中央大学副学長
2011年01月 中央大学副学長(~2014年11月)
2011年04月 中央大学情報環境整備センター副所長(~2013年03月)
2006年04月 中央大学大学院法務研究科教授
2001年04月 尚美学園大学教授(~2006年03月)
1995年03月 釧路公立大学専任講師・准教授(~2001年03月)
2000年03年 博士(法学、中央大学)
1992年03月 中央大学大学院法学研究科博士後期課程公法専攻満期退学
[研究分野、研究テーマ]
  • 情報法、法情報学
  • 英米加公法
  • 比較憲法
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 日本カナダ学会(元会長、理事)
  • 比較法学会理事
  • 日米法学会評議員
  • 日本公法学会、全国憲法研究会、憲法理論研究会会員
  • 地方公共団体情報システム機構本人確認情報保護委員会委員長
  • 佐藤信行「学修成果可視化とオープンバッジの活用」大学時報(日本私立大学連盟)410号(2023年5月)88頁

「オープンバッジを活用したDXの推進
 ~カルチャー変革とスキル開発の両輪~」

lecturer
松井 正徳(Matsui Masanori)
富士通ラーニングメディア カスタマーサクセス本部
[略歴]
学びの場づくり×ITに可能性を感じ、IT系人材育成サービス会社に入社。 研修講師やソリューション営業を経て、富士通グループのDX人材育成やカルチャー変革の推進に従事。 現在は、社内外に公開可能なスキル・経験のデジタル証明書「オープンバッジ」やスキル開発フレームワークの立ち上げから設計推進を担っている。 「“志むすぶ”を学びのセンターにする」を胸に、社内では神山まるごと高専Crew、社外でもキャリア教育やHRコミュニティ/地域コミュニティの運営、SHIMOKITA COLLEGEの社会人チューターとして、学びの場づくりの挑戦を広げている。
[受賞歴など]
  • 第1回オープンバッジ大賞 優秀賞企業部門