Bookmarkとは、情報ライブラリーの本を紹介するコーナーです。
当センターの実施事業をボランティアでお手伝いいただいているサポートスタッフの方々による本の紹介、新刊展示架からのご紹介など、毎号、各テーマに沿った本を紹介しています。
「男女共同参画週間」テーマの本
6月23日から29日までの1週間は、男女共同参画週間です。
7月12日(土曜日)トミヤマユキコさんを講師にお招きし、
講演会「自分を愛せるようになるための第一歩~ルッキズムとジェンダーを超えて」
を開催します。
この講演会にちなんで、講師の最新著書「バディ入門 : 「ツレ」がいるから強くなれる!」をご紹介します。
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「バディ」を「考察」し、人間関係の新たな可能性を深堀りしませんか 固い絆で結ばれたバディがいたらと思うことはありませんか。 |
Pick up:"ジェンダード・イノベーション"
ジェンダード・イノベーション(以下、GI)とは、Sex(セックス)、Gender(ジェンダー)の観点に基づき、性差を折り込みながら研究し、イノベーションを創出、もしくは、不具合を解消するため性差の観点から行動し公正性を実現しようとする考え方です。GIの研究は、日常生活で当たり前になっている自動車のシートベルト、都市交通、AI、医学などウェルビーイングの促進に寄与しています。
埼玉県で推進している「ジェンダー主流化」の一環に位置づけられるGI。日本が直面している課題を理解するため、以下の2冊をご紹介します。
| ジェンダード・イノベーションの可能性 | |
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編著者: 小川眞里子 |
ジェンダード・イノベーションの現在地をわかりやすく解説 本書は、GIに関する初の日本語入門書として刊行された。シービンガー氏が日本で行った講演録や出版に際しての特別寄稿が掲載されており、GIの基礎とその歩み、展望について創始者の見解を知ることができる。それでも決してわかりやすいと言えないGIの理解ためには、編者による序論が非常に参考になる。 本書には、GIを支えるフェミニズムや正義論、多様性などの理論や関連する多様な研究が論じられており、GIの発展可能性について深く洞察することができた。特に当事者研究からの問題提起は、インターセクショナリティ(交差性)を重視するGIの視点を理解する上で非常に有意義な内容で、一読に値する。 「あとがき」では、GIと社会の接点として、私たち市民が消費者としてイノベーションの価値をどのように評価しているかについて論じている。私たちは、自立した消費者として、差別や偏見を助長する製品、または他者の尊厳を害する製品を選ばないという問題意識を持っているだろうか。「GIは消費者教育ともつながる」という一文によって、GIは個人の生活や行動に深く関わることを認識することができた。 序論に「わかりやすい表現に努めた」と記されているように、著者らの意図は広く一般の読者層に理解してもらうことにある。本書は、多くの人々に読まれることが期待される一冊である。 |
| ジェンダード・イノベーションの潮流―セックスとジェンダーを考慮した研究・イノベーション | |
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著者: 山本里枝子 |
「ジェンダード・イノベーション」の推進には何が必要か? 日本の政策には、GIの推進が謳われているものの、まだまだ始まったばかりであり、現時点では諸外国に後れを取っている。今後、その差を縮めていくことが重要であるため、JST-CRDSは8ヵ国の政策動向を調査した。本書はその報告書である。なお、本書では「GI」ではなく、対象をより明確にするために「セックスとジェンダーを考慮した研究・イノベーション」と表現している。
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サポートスタッフのイチオシ本
| コンビニ人間 | |
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著者: 村田沙耶香 |
あなたにも知って欲しい世界がある コンビニのアルバイトをしている主人公を取り巻く世界を描く。現在多くの国に翻訳されており、様々な悩みや生きづらさを抱えている人に受け入れられているようだ。私は当時結婚、出産すべきという社会の圧力を感じ苦しんでいたため、本当に生きやすい社会とは何かと考えさせられた。 |
| ミシンと日本の近代~消費者の創出 | |
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著者: アンドルー・ゴードン |
日本のミシンの歴史から理想の主婦像が作られた経緯を知る 著者はアメリカの日本歴史研究者。1950年の日本の既婚女性の裁縫時間の長さに驚いたのが執筆の動機だという。本来家事の効率化のための機械であるミシン。明治時代から普及したのに、日本人に機械を通じて「時間を節約する」という合理的な考え方は広まらなかった。ミシンは家計の節約の道具と捉えられ、国家政策の良妻賢母と結びつき、女性が家庭経営を通じて国家に貢献するのを理想としたのが日本の特徴だと指摘している。 |
| 侍女の物語 | |
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ディストピア(反理想郷)小説の傑作! 管理社会に目を向けるべし 本書は架空の近未来のアメリカ独裁国家(ギレアデ国)を舞台に、強制的に代理母にさせられた女性オブフレッドの視点で描かれた物語である。キャリアウーマンだった主人公はある日、家族から隔離、確保、「赤いセンター」で洗脳教育をされて「代理母」となる。代理母は「侍女」と呼ばれ、徹底的な管理の下、自由を奪われた生活を送る。侍女たちは所有を表すof(~のもの)がついた名前を付けられ、主人公オブフレッドの場合は「フレッドのもの」という名で人格が奪われ、「産むための道具」とされる。 |
新刊展示架からご紹介
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タイトル:中学生から知りたいパレスチナのこと |
タイトル: シッゲのおうちはどこ? |
タイトル: なぜ人は自分を責めて しまうのか |
お知らせ
2025年9月4日(木曜日)、 5日(金曜日)は、停電を伴う設備点検のため臨時休館致します。
- 6月より、返却期限票とともに、右のスリットをお渡ししています。
ライブラリーの資料をご利用になる際は、付箋ではなく、しおりをお使いください。
付箋は、剥がすときに破れたり字がかすれたり、また糊の劣化により黄ばんだりします
ので、使用はお控えください。資料保全にご協力をお願いします。
あとがき
新刊展示架からの紹介にもありますが、情報ライブラリーには児童書や絵本も所蔵しています。
おばけのキャラクターで知られる、絵本作家のせなけいこさんが、昨年10月お亡くなりになりました。著作「おひさまとおつきさまのけんか」をお読みになったことがありますか。戦争についてストレートな問いかけがされています。
近年、大人が絵本を読むことが静かなブームとなっています。絵本は文字が少ない分、そのメッセージを受け取るには想像力が必要です。子どものものだと思っていた絵本からページの続きが広がるかもしれません。
雨がしとしと降る音は、集中力を高めるとも言われます。梅雨の時期、雨音をバックに情報ライブラリーで皆さんの新しい世界を広げてみませんか。
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年末年始(12月29日~1月3日)
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