Bookmark Vol.63

はじめのひとこと

 読書好きだった父の影響で、子供の頃から本ばかり読んでいました。幼稚園でひらがなを習うと、毎月届く幼児向け絵本雑誌、小学校へ上がってからは月一回刊行の児童文学全集を何度も何度も覚えるまで読んでいるような子供でした。

 そんな私が小学3年生か4年生のとき。母から「新しく町立図書館ができたから見にいこう。」と誘われ、初めて「(図書室ではなく)図書館」というところに行ってみたら、そこはたくさんの本がある、まるで夢のような場所でした。しかも、どれでも1冊、貸してもらえるとは。

 その日以来、学校から帰ると(図書館は通学路の途中だったのに寄り道厳禁なので一旦スルーし)自転車で図書館へ行き、時間をかけて1冊選んで借りる日が続きました。日曜日や夏休みは一日2回。朝と夕方です。それだけ通えば働いている人たちとも話をするようになり、いつしか私は、自分もここにお勤めしたい、と思うようになりました。ここでは読みたい本を買って好きなだけ読めると思ったからです。学校の図書室の先生はおしゃべりすると怒るけど、ここの人たちはみんな優しいし。

 ・・・と、このように図書館と共に小学校生活を送りましたが、中学校へ入学した途端、毎日が部活中心となり、図書館へは全く行かなくなりました。本を読む時間も減り、いつの間にか「図書館で働く」という希望も忘れ、思い出すこともなくなっていました。

 そして幾星霜。およそ3年前にここWith Youさいたまでの勤務を命じられ、通い始めたら、なんと一角に図書館があるではありませんか!男女共同参画専門といっても、図書館は図書館。私はかつて図書館で働きたいという夢を抱いていたことを数十年ぶりに思い出し、そしてそれを叶えたのでした。

 With Youさいたまで働くようになり、図書館の仕事は非常に細やかで多岐にわたることを知りました。窓口での貸出や返却の対応だけではなく、購入後の付番やバーコード貼付・ラッピング、年に一度の棚卸点検、〇〇フェア的な企画展示などもあります。また、担当者が好きな本を何でも買えるのではなく、きちんとした選書・配架基準があり、それをクリアしなければ購入も寄贈受入れもできません。

 この「はじめのひとこと」では、読んでくださる皆様に読書を呼び掛けるのを常としていますが、たまには図書館でのお仕事に目を向けてみてはいかがでしょうか。

#本棚から一冊

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編集後記

 3月8日は「ミモザの日」とも呼ばれ、毎年この時季になると多くの花屋さんでミモザの花を見かけるようになりました。ミモザには「感謝」「友情」「思いやり」などの花言葉があり、国や花の色によっても特別な意味があるそうです。ミモザを見かけると春の訪れを感じるとともに、明るく元気なエネルギーをもらえるような気がします。

 新年度・新学期を控え、新しいことを学びたい方、いつもとちょっと違う発見をしたい方、ぜひ情報ライブラリーへお越しください。様々な視点で選んだ新着図書と開放的な閲覧席をご用意してお待ちしております。

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次号は令和7年6月に発行します!