男女共同参画講演会「おとなの性教育」
 男女共同参画講演会「おとなの性教育」では、親しい間柄でも語り合うことが難しい性やからだについて、性別や世代を超えて語り合う、いわば「おとなのための性教育講座」を開講します。
 この講演会にちなみ、講師の共著本などを紹介します。
 

月経の人類学――女子生徒の「生理」と開発支援

なぜ月経は社会問題なのか?
  近年、月経をめぐる問題は開発途上国だけでなく、欧米や日本でも女性たちが声を上げています。月経は身体的な生理現象というだけでなく、文化や慣習、ジェンダー規範、教育、公衆衛生、貧困など多岐に渡る領域と深く関わっています。日本においても経血をケガレとみなし、月経をタブー視し、女性を隔離し行動を制限する慣習が存在していました。
 本書では初めに、なぜ国際開発において月経が注目を浴び、支援が必要だと認識されるようになったのか、その経緯と具体的にどのような支援が行われているかが述べられています。そして、月経が社会・文化の中でどのようにみなされてきたのか、日本と開発途上国と呼ばれる地域を比較し、相対化してとらえることができるようになっています。日本の月経教育と月経事情についても、埼玉県内の中学校に取材し、インタビュー調査を行った結果から、初経後間もない女子への支援について考察されています。
 本書は月経を生理現象としてだけでなく、さまざまな角度から包括的に考えるきっかけの一冊になるはずです。
 

著者・出版社・出版年

杉田映理, 新本万里子編. -- 世界思想社, 2022.
 

請求記号

495.13/ゲ

おうち性教育はじめます 一番やさしい!防犯・SEX・命の伝え方 

親として人として、あらためて性について学ぼう!
 本書は、50年にわたって性教育に携わり「日本の性教育の第一人者」とも呼ばれる村瀬幸浩さんと、マンガイラストレーターのフクチマミさんが、子供への性教育をどのように教えたらよいか、3~10歳の子を持つ親に向けて書いたコミックエッセイです。性教育の必要性は理解しているけれど、いつ頃から始めたらいいのかわからない、どう伝えたらいいのかわからない……、そんな大人たちの不安や疑問を解消してくれる一冊になっています。
 「赤ちゃんはどこから生まれてきたの?」といった子供定番の質問から、「うんこ」「ちんちん」などの言葉を公共の場で口にするといった、親の悩みあるあるにも答えてくれます。
 本書では、家庭での性教育は子供が性犯罪の被害者・加害者にならないために、また幸せに生きていくために必要だと述べられています。そのためには子どもと一緒に親も学ぶという視点が大切であると。
 自身も性についてしっかり学んだ経験がなく、口に出したりするのは恥ずかしいと思っている大人たちも、あらためて性について知り、学び直すことができる本です。
 

著者・出版社・出版年

フクチマミ, 村瀬幸浩著. -- KADOKAWA, 2020. -- (MF comic essay).
 

請求記号

367.99/オ

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