イベント情報

SS研冬イベント 展示紹介

日時 2025年12月23日(火) 13:00-15:00
会場 Fujitsu Uvance Kawasaki Tower(JR川崎タワー) 20階大会議室M202

 

SS研分科会の会場隣で展示しています。申込不要ですので、ぜひ展示会場にお越しください。

【展示一覧】展示概要はリンク先を参照ください(敬称略)

機関名 展示内容 機関名 展示内容
宇宙航空研究開発機構 MR(Mixed Reality)による体感型可視化
HOVAR: HOlogram Visualization of Airflow in Reality
香川大学 香川大学のDX推進の取り組み
九州大学情報基盤研究開発センター スーパーコンピュータシステム玄界 高度情報科学技術研究機構 スパコン「富岳」の利⽤研究事例の発信
静岡大学 AIをフル活用して開発した”勘の塊”のようなスケジューリングソルバー 広島大学 広島大学における
ローカル5G実験環境とデジタルツインの構築
富士通
ミッションクリティカルシステム事業本部
~40年培った水冷技術で持続可能な社会に貢献~
Fujitsu Liquid Cooling Management for Datacente
富士通Japan
Public&Education事業本部
AIとデータが創る持続可能な大学の未来
エフサステクノロジーズ
サーバ&ストレージ事業本部
PRIMERGY CDI
データセンターのインフラを最適化
エフサステクノロジーズ
プロダクトソリューション本部
機密データを守りながら生成AI活用
Private AI Platform on PRIMERGY

2025年度 冬イベント

 

日時 2025年12月23日(火) 冬イベント 10:00-18:00
           懇親会 18:00-19:00
開催方法

ハイブリッド開催 集合+オンライン開催(Zoom)

会場

 Fujitsu Uvance Kawasaki Tower(JR川崎タワー) 20階大会議室
※JR川崎駅付近にあるJR川崎タワーでの開催となります。JR武蔵中原駅前にある「川崎工場」とは別物になりますのでご注意ください。

参加対象 SS研会員限定
※教育・研究システム分科会についてはCS研/IS研の方も参加可能です。
参加費 会合、展示見学・ランチ:無料
懇親会:500円(当日受付にて申し受けます。)
参加申し込み  参加申込み  12/18(木)まで

 

全体プログラム※予告なく変更する場合がございます。予めご了承下さい。

時間 イベント 会場
10:00-13:00 教育・研究システム分科会2025年度会合
テーマ「大学DXを導くAI活用の羅針盤 ― マネジメント・ガイドライン・倫理」
M201
13:00-15:00 展示見学・ランチ

10件の展示があります。展示概要につきましては以下をご参照ください。
SS研冬イベント 展示紹介

M202
15:00-18:00 HPC分科会2025年度会合
テーマ「AIと開発・利用支援の融合 ~人とHPCをつなぐ新基盤~」
M201
18:00-19:00
懇親会
※会費制:500円(当日受付にて申し受けます)
★立食形式の簡易懇親会になります。
M202

教育・研究システム分科会2025年度会合 「大学DXを導くAI活用の羅針盤 ― マネジメント・ガイドライン・倫理」

印刷用ご案内

 

日時 2025年12月23日(火) 10:00-13:00
会場 場所:Fujitsu Uvance Kawasaki Tower(JR川崎タワー) 20階大会議室M201
(住所:神奈川県川崎市幸区大宮町1番地5)

ハイブリッド開催 集合+オンライン配信(ZOOM)
参加対象 SS研会員、CS研会員、IS研会員の各機関にご所属の方
参加費 無料
参加申込み 冬イベントページ 「参加申込み」よりお申込みください。
その他

本会合は、2025年度冬イベント(展示、HPC分科会)の一部です。
ご興味がございましたら是非ご参加ください。

開催趣旨

 いま大学は、デジタルトランスフォーメーション(DX)の潮流の中で、新たな知の創出や教育の高度化に向けた変革を迫られている。その中心にあるのが、急速に進展する人工知能(AI)の活用である。教育・研究の現場では、生成AIをはじめとする新しいツールが急速に普及し、学修支援、研究活動、さらには大学運営の効率化まで、多様な場面での応用が広がりつつある。
 しかし一方で、AIを導入・活用するにあたり、マネジメントの不在やセキュリティリスク、ガイドラインの未整備といった課題が顕在化している。教育の質の保証や研究の信頼性確保、学生・教職員の権利保護、さらには倫理的な判断基準の策定など、大学として責任を持って取り組むべきテーマが山積している。
 こうした状況を踏まえ、本年度の教育・研究システム分科会2025年度会合(冬イベント)では、「大学DXを導くAI活用の羅針盤 ― マネジメント・ガイドライン・倫理」をテーマに掲げ、AIを大学でどう位置づけ、どう管理し、どのようなルールのもとで活用すべきかを、AIマネジメント、倫理、ガイドラインという三つの視点から、大学におけるAI活用の現在地とこれからの方向性を探る。講演とパネルディスカッションを通じて実践に基づいた知見を共有し、未来の大学DXを切り拓くための「羅針盤」をともに描く場としたい。

 

プログラム(敬称略) ※予告なく変更する場合がございます。予めご了承下さい。

【公開可能な資料のみ会合終了後に掲載予定】

9:30- 受付開始(現地)
9:50- アクセス開始(オンライン)
 [司会]廣瀬 幸 (九州工業大学)
10:00-10:05
開催趣旨説明
藤村 丞(福岡大学)
10:05-10:40
講演 35分

講演1
「大学DXをレスポンシブルに実装する
 ーELSI(倫理的・法的・社会的課題)の考え方」
岸本 充生 (大阪大学) プロフィール

大学におけるDXは教育・研究・実務のすべてにおいて実践されているが、それぞれが独立に議論される傾向がある。またそれぞれのリスクも異なり、それらへの対処方法も異なってくる。本講演では、新規技術の研究開発から社会実装までのELSI(倫理的・法的・社会的課題)の取組を紹介しつつ、大学DXに焦点を当てて、大阪大学で社会技術共創研究センター(ELSIセンター)が関わったテーマを取り上げ、挑戦と残された課題を紹介する。

ELSI(倫理的・法的・社会的課題), リスク, AI倫理, リスクガバナンス
10:40-11:15
講演 35分

講演2
「安心安全なAI社会の実現に向けて:富士通におけるAI倫理およびAIガバナンスの実践」
荒堀 淳一 (富士通株式会社) プロフィール

当社は、AIの社会実装を加速させるエコシステム構築に貢献するために、AIリスク管理をはじめとする組織統制、法規制や業界標準への準拠、産学官を問わない組織横断的な連携、そして社会へのベストプラクティスの共有などの施策を強力に推進している。本講演では、当社が取り組むAI倫理およびAIガバナンス施策の要諦をあらためてご説明するとともに、AIビジネス推進時に直面しがちなAI倫理リスク事例/対策例を取り上げ、AI利活用の未来をみなさまと共に考える場としたい。

AI倫理, AIガバナンス, 法務

11:15-11:50

講演 35分

講演3
「AIの信頼性と倫理をどう担保するか? (ISO/IEC 42001で考えるAIガバナンス)」
山口 和夫 (株式会社日本環境認証機構) プロフィール

生成AIの活用が進む中で、教育・研究の現場でも“どう使うか”だけでなく、“どう管理するか”が問われています。AI技術の急速な進展と社会への浸透に伴い、AIの利活用に関する信頼性・透明性・倫理的課題への対応が求められる中で、AIが示す結果に責任を持つには、どのような仕組みが必要なのでしょうか?本講演では、AIのライフサイクル全体を対象とした国際規格「ISO/IEC 42001」について、わかりやすくご紹介します。

AIガバナンス, リスクマネジメント, AI倫理, 透明性, マネジメントシステム
11:50-12:05 休憩(15分)
12:05-12:55
講演 50分

パネルディスカッション
「大学DXを導くAI活用の羅針盤 ― マネジメント・ガイドライン・倫理」
ファシリテーター:
  木戸 善之 (岡山理科大学)
パネリスト:
  岸本 充生 (大阪大学)
  荒堀 淳一 (富士通株式会社)
  山口 和夫 (株式会社日本環境認証機構)
12:55-13:00
閉会挨拶
久保田 真一郎 (熊本大学)

講演者 / パネルディスカッション パネリスト

大学DXをレスポンシブルに実装する
 ーELSI(倫理的・法的・社会的課題)の考え方

lecturer
岸本 充生(KISHIMOTO Atsuo)
大阪大学 D3センター教授&社会技術共創研究センター長
[略歴]
京都大学経済学研究科で博士(経済学)を取得後、工業技術院(のちに、産業技術総合研究所)に就職。安全科学研究部門研究グループ長を経て、2014年から東京大学公共政策大学院特任教授。2017年から大阪大学データビリティフロンティア機構(現・D3センター)教授。2020年4月からは社会技術共創研究センター(ELSIセンター)センター長を兼務。新規科学技術のELSI(倫理的・法的・社会的課題)を研究している。専門はリスク学、政策評価。所属学会は、日本リスク学会、環境経済・政策学会、人工知能学会など、共編著に『リスク学事典』(丸善)、共著に『基準値のからくり』『世界は基準値でできている』(共に、講談社ブルーバックス)など

 

「安心安全なAI社会の実現に向けて:富士通におけるAI倫理およびAIガバナンスの実践」

lecturer

荒堀 淳一(Arahori Junichi)
富士通株式会社
AIインテグリティセンター センター長 兼 AI倫理室長
[略歴]
 2002年:富士通株式会社入社
 2012年:同社 ビジネス法務部部長
 2015年:同社 ワシントンDC事務所長
 2019年:同社 デジタルテクノロジー推進法務室長
 2022年:同社 AI倫理ガバナンス室室長
 2025年:同社 AIインテグリティセンター長
       (兼AI倫理室長)(現)
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 総務省AIネットワーク社会推進会議 AIガバナンス検討会 構成員
  • 経団連AI活用戦略タスクフォース委員

「AIの信頼性と倫理をどう担保するか?
 (ISO/IEC 42001で考えるAIガバナンス)」

lecturer
山口 和夫(Yamaguchi Kazuo)
株式会社日本環境認証機構
認証事業本部 審査部 ISMS技師長
[略歴]
 2019 - 現在 株式会社 日本環境認証機構
       (審査員/セミナー講師)
 2017 - 2018 株式会社 NECソリューションイノベータ
 2004 - 2018 株式会社 日本環境認証機構
       (契約審査員/セミナー講師)
 1990 - 2016 株式会社 NEC情報システムズ
 1989 - 1990 NEC Electronics社(米国カリフォルニア州)
 1982 - 1989 株式会社 NEC技術情報システム開発
[研究分野、研究テーマ]
  • 情報セキュリティマネジメント
  • クラウドセキュリティマネジメント
  • ITサービスマネジメント
  • プライバシー保護マネジメント
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • JACB情報技術委員会

HPC分科会2025年度会合「AIと開発・利用支援の 融合 ~人とHPCをつなぐ新基盤~」

印刷用ご案内

 

日時 2025年12月23日(火) 15:00-18:00
会場 場所:Fujitsu Uvance Kawasaki Tower(JR川崎タワー)20階大会議室M201
(住所:神奈川県川崎市幸区大宮町1番地5)

ハイブリッド開催 集合+オンライン配信(ZOOM)
参加対象 SS研会員限定
参加費 無料
参加申込み 冬イベントページ 「参加申込み」よりお申込みください。
その他

本会合は、2025年度冬イベント(展示、教育・研究システム分科会2025年度会合)の一部です。
ご興味がございましたら是非ご参加ください。

開催趣旨

 近年、AIは人間を支援する道具として幅広い分野で活用が進み、その重要性はますます高まっています。同時に、AIそのものの高度化を実現するために、AI開発を支援する新しい基盤技術やHPC技術も求められています。今回の科学技術計算分科会会合では、この「支援」というキーワードを軸に、AIによるHPC利用支援やプログラム開発支援、さらにAI for ScienceのようにHPC上での科学応用を可能にする高度なAIの開発支援などについて、第一線で取り組まれている講師の方々をお迎えし、これらの支援技術の現状や今後の展望についてお話しいただきます。会合後には講師や参加者の皆様同士が自由に交流できる懇親会も予定しています。AIとHPCが融合する新たな基盤を共に考え、活発に意見交換できる場に、ぜひご参加ください。

プログラム(敬称略) ※予告なく変更する場合がございます。予めご了承ください。

【公開可能な資料のみ会合終了後に掲載予定】

14:30- 受付開始(現地)
14:50- アクセス開始(オンライン)
 [司会]佐藤 賢斗 (理化学研究所)
15:00-15:05
開催趣旨説明
南里 豪志(九州大学)
15:05-15:45
講演 40分

講演1
「生成AIを援用した主に計算力学プログラミングに関する話題」
三好 昭生 (株式会社インサイト) プロフィール

計算力学分野において生成人工知能を活用したプログラミング手法について紹介する。学習目的の簡単な問題から実用レベルのコード開発まで、ゼロからの新規開発や既存コードの不具合修正・機能拡張における生成人工知能の効果的な活用事例を示す。従来手法との単純比較は困難であるが、技術進歩が急速に進む現状において、開発者に求められる新たな資質や考え方について議論し、計算力学プログラミングの新しいアプローチを提案する。

生成人工知能, 計算力学, プログラミング支援, コード開発, 有限要素法
15:45-16:25
講演 40分

講演2
「生成AIが支えるHPC利用支援の新展開」
中村 宜文 (理化学研究所) プロフィール

理化学研究所 計算科学研究センターでは、スーパーコンピュータ「富岳」のユーザ支援に生成AI「AskDona」を活用し、自然対話によるサポートを実現しています。本講演では、RAGと生成AIを組み合わせた支援システムの運用成果と改良点、研究成果閲覧支援を含む応用展開、そしてAIによるHPC利用支援の今後の展望について紹介します。

生成AI, HPC, スーパーコンピュータ「富岳」, 対話型ユーザ支援AI, 研究成果閲覧支援
16:25-16:35 休憩(10分)

16:35-17:15

講演 40分

講演3
「コード生成AIによるHPCアプリケーションのGPU移植」
星野 哲也 (名古屋大学) プロフィール

AI研究の隆盛によりGPUを標準搭載するスーパーコンピュータが一般化し、シミュレーションにおいてもGPUの活用がより一層重要となる一方、CPU向けに開発されたレガシーコードのGPU移植は依然として大きな課題である。この課題を解決し得る有力な方法として、急速に発展しているコード生成AIの活用が挙げられる。本講演では2025年8月に公開された最新のAIモデルであるClaude Opus 4.1を使用したClaude Codeにより、MPI+OpenMPで並列化されたFortranベースの有限要素法アプリケーションGeoFEMを対象にGPU向けコード生成を試みた知見を共有する。

コード生成AI, Claude Code, GPUプログラミング, OpenACC, Fortran
17:15-17:55
講演 40分

講演4
「大規模言語モデル「Takane」が拓くHPCの未来」
白幡 晃一 (富士通株式会社) プロフィール

HPC環境におけるAI、特に生成AIの活用が研究開発の新たなフェーズを切り拓いている。本講演では、富士通のエンタープライズ向け大規模言語モデル「Takane」の技術と応用事例を紹介する。材料探索における因果関係の自動説明や、専門業務を支援するAIエージェントに加え、大規模モデルの知識をHPCでの利用に適した軽量な特化AIへ蒸留する最新技術にも触れる。これらの実例を通じ、AIとHPCの連携が拓く研究開発の未来像を展望する。

生成AI, 大規模言語モデル(LLM), AI軽量化, 特化型AI, AI for Science
17:55-18:00
閉会挨拶
立川 智章 (東京理科大学)

講演者

生成AIを援用した主に計算力学プログラミングに関する話題

lecturer
三好 昭生(MIYOSHI Akio)
株式会社インサイト 代表取締役
[略歴]
 1982年3月 東京大学大学院工学系研究科原子力工学専攻修士課程修了
 1982年4月 株式会社間組「ベローズの研究」に従事
 1988年7月 日産自動車株式会社「スペースシャトル搭載宇宙機器の構造設計等」に従事
 1999年9月 東京大学大学院工学系研究科システム量子工学専攻博士課程修了
 1999年10月 株式会社インサイト設立、現在に至る
[研究分野、研究テーマ]
 ・インタフェース・エージェント、構造有限要素法、粒子法、個別要素法
 ・可視化技術、高性能計算
 ・機械学習応用(回帰、分類、次元削減、ベイズ推定)
 ・自動メッシング、自動粒子生成
 ・生成人工知能を活用したシステム構築
 ・生成人工知能を活用した計算力学プログラミング
[所属学会、受賞歴、著書など]
 ・日本機械学会
 ・人工知能学会
 ・日本応用数理学会
 ・交通工学研究会
 ・粉体工学会

 

「安心安全なAI社会の実現に向けて:富士通におけるAI倫理およびAIガバナンスの実践」

中村 宜文(Nakamura Yoshifumi)
理化学研究所 計算科学研究センター 上級技師
[略歴]
 2025年4月~現在 理化学研究所 上級技師
 2020年10月~2025年3月 理化学研究所 技師
 2019年7月~現在 神戸大学大学院システム情報学研究科 客員教授
 2013年4月~2019年6月 神戸大学大学院システム情報学研究科 客員准教授
 2011年3月~2020年9月 理化学研究所 研究員
 2010年10月~2011年2月 筑波大学 研究員
 2008年11月~2010年9月 レーゲンスブルク大学 研究員
 2005年11月~2008年10月 ドイツ電子シンクロトロン研究所 研究員
[研究分野、研究テーマ]
 ・高性能計算
 ・計算素粒子物理学
 ・性能最適化
[所属学会、受賞歴、著書など]
 ・日本物理学会
 ・情報処理学会

「コード生成AIによるHPCアプリケーションのGPU移植」

lecturer
星野 哲也(Hoshino Tetsuya)
名古屋大学
情報基盤センター
[略歴]
 2018年9月 東京工業大学大学院情報理工学研究科 博士(理学)
 2016年1月〜2022年12月 東京大学情報基盤センター 助教
 2023年1月〜現在 名古屋大学情報基盤センター 准教授
[研究分野、研究テーマ]
 ・高性能計算
 ・GPUプログラミング
 ・自動最適化

「大規模言語モデル「Takane」が拓くHPCの未来」

lecturer
白幡 晃一(Shirahata Kouichi)
富士通株式会社 人工知能研究所 シニアプロジェクトディレクター
[略歴]
 2015年3月 東京工業大学 大学院情報理工学研究科  博士後期課程修了 博士(理学)
 2015年4月 株式会社富士通研究所 コンピュータシステム研究所 入社
 2018年10月~2021年3月 株式会社富士通研究所 ICTシステム研究所 シニアリサーチャー
 2021年4月~2022年3月 富士通株式会社 ICTシステム研究所 主任研究員
 2022年4月~2023年3月 富士通株式会社 コンピューティング研究所 プロジェクトマネージャー
 2023年6月~2024年3月 富士通株式会社 コンピューティング研究所 リサーチディレクター
 2024年4月~現在 富士通株式会社 人工知能研究所 シニアプロジェクトディレクター
[研究分野、研究テーマ]
 ・深層学習や構造解析・流体・量子化学シミュレーションの高速化
 ・性能と信頼性を両立する大規模言語モデル・生成AIの開発
[所属学会、受賞歴、著書など]
 ・2020年、2021年スーパーコンピュータ「富岳」およびABCIを用いて機械学習処理性能ベンチマークMLPerf HPCで世界最高性能を達成

教育・研究システムフォーラム2025 「大学DXの未来地図 ~教育・研究・運営はどう変わる?~」

印刷用ご案内

日時 2025年8月7日(木) 13:00-17:10
会場 場所:富士通ソリューションスクエアS棟3階P1
(住所:東京都大田区新蒲田1-17-25)

ハイブリッド開催 集合+オンライン配信(ZOOM)
参加対象 SS研会員に限らず、どなたでも参加可能。
(懇親会への会員外ベンダーの参加はご遠慮いただきます。)
参加費 フォーラム:無料
懇親会:500円(当日受付にて申し受けます。)
参加申込み  [開催済]
その他 SS研では本フォーラム以外に以下のオープンフォーラムを開催します。
ご興味がございましたら是非ご参加ください。

開催趣旨

 現在、大学はかつてない変革の波に直面している。学生数の減少や学びの多様化、国際競争の激化、厳しさを増す財政状況、そして新しい働き方への対応など、多岐にわたる課題が同時に押し寄せている。こうした中、デジタル技術を活用して大学の構造そのものを変革する「大学DX」が、すべての大学にとって喫緊のテーマとなりつつある。 近年では、学生の行動ログや学修履歴を活用した個別最適化された学習支援システムの導入や、生成AI による授業設計・履修相談の支援、さらには事務業務の効率化や教職員のワークフロー自動化などの動きが進んでおり、オンライン授業の質保証のためのデータ分析、入退管理や環境制御といったスマートキャンパス化、研究活動の支援基盤整備など、教育・研究・運営のあらゆる領域にわたる多彩なDX の取り組みが見られるようになってきた。 しかしその一方で、「どこから着手すべきか分からない」「全学的な合意形成が難しい」「人材や専門知識が不足している」「セキュリティや倫理面での不安がある」といった現場の声も多く聞かれる。理想と現実のギャップをいかに埋め、大学としての戦略的なDX をいかに描いていくのかという課題に、多くの大学関係者が直面している。 こうした状況を踏まえ、本年度の教育・研究システムフォーラム2025 では、大学DX をより高度かつ円滑に進めていくための道筋を探るべく、「大学DX の未来地図 ~教育・研究・運営はどう変わる?~」をテーマとし、先進事例や実践的な知見、現場の課題意識を共有し、これからの大学におけるDX のあり方と、その進化が切り開く可能性について議論を行いたい。

プログラム(敬称略) ※予告なく変更する場合がございます。予めご了承下さい。

【公開可能な資料のみフォーラム終了後に掲載予定】

12:30- 受付開始(現地)
12:50- アクセス開始(オンライン)
 [司会]田邊 俊治 (国立情報学研究所)
13:00-13:05
開催趣旨説明
藤村 丞(福岡大学)
13:05-13:55
講演 50分

講演1
「大阪大学のDX
  ~仲間をシアワセにするDXとは?~」
鎗水 徹 (大阪大学) プロフィール

大阪大学では教育・研究・経営のDXを進めています。在学生・教職員だけでなく阪大コミュニティに関わった全ての方々の人生に寄り添ったサービスを提供する基盤(OUID・OU人財データプラットフォーム)を構築し、その成果をご紹介します。また「ヒトがいない」、「カネがない」、「戦略がわからない」、「組織の動かし方がわからない」というDX推進上の課題に対し、どのように克服していったかについてもご紹介します。

デジタル・トランスフォーメーション(DX), 大学教育, ID統合, IT戦略
13:55-14:05 休憩(10分)
14:05-14:55
講演 50分

講演2
「アカデミアの研究を支える認証基盤」
佐藤 周行 (国立情報学研究所) プロフィール

大学をはじめとするアカデミアでは、卒業証明、在学証明をはじめとする各種証明業務が社会的なミッションとされている。そのために、組織の内部の人間のアイデンティティを管理するための認証基盤の整備が進められてきた。その整備が一段落すると、アカデミアの研究の本質である研究のためのアイデンティティ管理がその次の課題として解決を求められるようになった。本講演では、組織を越えたアイデンティティ連携の典型例として組織間共同研究のアイデンティティ管理とそのセキュアな運用のためのポリシー管理について、NIIで企画配備されている計画について述べる。

アイデンティティ連携, 組織内アイデンティティ管理,共同研究, 認証強度
プレゼン資料(PDF:3.9MB)
14:55-15:05 休憩(10分)

15:05-15:55

講演 50分

講演3
「真のDXに取り組むための土台作り
 全社DXプロジェクト「フジトラ」の実践知と現在地とは」
朝倉 陽助 (富士通株式会社) プロフィール

富士通では、2020年より全社DXプロジェクト「フジトラ」を開始し、経営と現場が一体となり「全員参加型」でプロジェクトを推進。旧態依然とした大企業カルチャーから脱却し、パーパスドリブン&データドリブン経営の実現にむけ、様々な角度から富士通を変革。また、デジタルをありたい姿に辿り着くための手段と捉え、デジタルを使いこなすための土台作りからアプローチ。その変革の現在地と実践知を、各種取り組みを通してご紹介します。

社内DX,カルチャー変革,デザイン思考,パーパス経営,データドリブン経営
プレゼン資料(PDF:7.2MB)
15:55-16:05 休憩(10分)
16:05-17:05
講演 60分

パネルディスカッション
「大学DXの未来地図 ~教育・研究・運営はどう変わる?~」
ファシリテーター:
  木戸 善之 (岡山理科大学)
パネリスト:
  鎗水 徹 (大阪大学)
  佐藤 周行 (国立情報学研究所)
  朝倉 陽助 (富士通株式会社)
17:05-17:10
閉会挨拶
永田 正樹 (静岡大学)
17:10-17:30 休憩、懇親会準備、会場移動
17:30-19:00
懇親会(会員外ベンダーの参加はご遠慮いただきます。)
※会費制:500円
  • お飲み物とおつまみの簡易パーティです。お気軽にご参加下さい。

講演者 / パネルディスカッション パネリスト

大阪大学のDX
 ~仲間をシアワセにするDXとは?~

lecturer
鎗水 徹(Yarimizu Toru)
大阪大学 OUDX推進室 副室長・教授
大阪大学 D3センター DX研究部門長・教授
大阪大学 大学院情報科学研究科 教授
[略歴]
大阪大学のDX(デジタル・トランスフォーメーション)推進リーダーとして、大学全体の教育・研究・経営のDXに従事。 新日本製鐵(現 日本製鉄)入社後、30年超のITベンダー・ユーザ企業両方での実務経験を踏まえた「経営とIT」戦略の理論研究と実践に取り組んでいる。
[研究分野、研究テーマ]
  • 経営情報学
  • デジタル・トランスフォーメーション
  • 経営戦略
  • IT戦略
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 経営情報学会 理事
  • 情報処理学会
  • 日本経営学会
  • 組織学会
  • 教育システム情報学会

 

「アカデミアの研究を支える認証基盤」

lecturer

佐藤 周行(Sato Hiroyuki)
国立情報学研究所
トラスト・デジタルID基盤研究開発センター センター長
[略歴]
1985年東大卒1990年同大学院修了理博。1990年九州大学講師、助教授、1989年東大助教授を経て2024年国立情報学研究所教授 トラスト・デジタルID基盤研究開発センター長。インターネットトラスト工学を専門とする。日本のアカデミアにおけるアイデンティティ連携「学認」を代表する。2009年文部科学省大臣表彰

「真のDXに取り組むための土台作り
 全社DXプロジェクト「フジトラ」の実践知と現在地とは」

lecturer
朝倉 陽助(Asakura Yosuke)
富士通株式会社 CEO室 DX Division マネージャー
[略歴]
2012年に富士通入社。自治体担当営業として、複数の大規模SIプロジェクトに従事。2021年より全社DXプロジェクト「フジトラ」に参画し、DX Desingerとして、社内変革をリード。現在は、「フジトラ」で培った実践知をもとに、お客様のカルチャー変革やDX実践を支援。

HPCフォーラム2025「HPC、どう使ってる? ~より良いHPCにむけて~」

 

日時 2025年8月18日(月) 10:00-16:00
開催方法 場所:JR川崎タワー20階大会議室M201
ハイブリッド開催(集合 + オンライン配信(ZOOM))
午前に話題提供を行い(配信は午前のみ)、午後よりグループに分かれて議論を行うワークショップ形式になります。是非、現地での討論にご参加ください。また、現地参加には人数制限があります。先着順となりますのでご了承ください。
参加対象 SS研会員に限らず、どなたでも参加可能。
参加費 無料
参加申込み [開催済]
その他 SS研では本フォーラム以外に以下のオープンフォーラムを開催します。
ご興味がございましたら是非ご参加ください。

開催趣旨

 今回のHPCフォーラムは、従来の講演会形式ではなく、参加者の皆さんが小グループに分かれて議論を行うワークショップ形式で開催し、より良いHPCの使い方について大いに討論して頂きたいと思います。
 昨今、HPC上で実行されるアプリケーションはMPI等を使った並列シミュレーションだけではなく、大規模ワークフローの実行やPythonで記述されたフレームワーク経由でHPCを使う事例が増えてきています。
 このように使い方が多様化するアプリケーションをHPC上でより良く使うには、個々のプログラムの性能や利用者毎の使い勝手だけでなく、システム全体の効率や利用者間の公平性などを総合的に考える必要があります。そこで、今回のHPCフォーラムでは、まず数名の講演者の皆様に、現在HPCがどのように使われているのか、もしくは、より良いHPCの利用に向けてどのような方法が考えられるか、などについてお話しして頂きます。その後、参加者の皆さんに小人数のテーブルに分かれて頂き、昼食も含めて3時間ほど、HPCの使い方について自由に討論(もしくは雑談)して頂きます。最後に、各テーブルでの討論の概要を参加者全体で共有することで、今後のより良いHPC環境の実現に向けた一歩に出来れば、と考えております。
 前半の話題提供はオンラインと現地のハイブリッド開催ですが、後半の討論は現地のみでの開催です。是非この機会に現地でご参加いただき、HPCの使い方についての雑談をお楽しみください。

プログラム(敬称略)※予告なく変更する場合がございます。予めご了承下さい。

【公開可能な資料のみ順次本ページに掲載予定】

9:30- 受付開始  (現地参加)
9:50- アクセス開始(オンライン参加)
[司会] 藤田 直行 (宇宙航空研究開発機構)
10:00-10:10
開催趣旨説明
南里 豪志 (九州大学)
10:10-12:00
話題提供
話題提供(予定)
スーパーコンピュータ「富岳」におけるOpen OnDemandの利用
中尾 昌広(理化学研究所)
  プロフィール・アブストラクト
講演資料 (PDF:5.9MB)

大規模言語モデル開発向け GPUクラウドの調達
吉田 浩(国立情報学研究所)
  プロフィール・アブストラクト
講演資料 (PDF:1.5MB)

スーパーコンピュータ「富岳」による台風に伴う竜巻の数値シミュレーション
吉田 龍二(横浜国立大学)
  プロフィール・アブストラクト
講演資料(PDF:5.9MB)

宇宙天気予測シミュレーション -太陽嵐の影響予測 -
塩田 大幸(情報通信研究機構)
  プロフィール・アブストラクト
講演資料(PDF:5.5MB)

HPCアプリケーションのGPGPU化事例
多湖 和馬(富士通株式会社)
  プロフィール・アブストラクト
講演資料 (PDF:1.6MB)
12:00-13:00 ランチミーティング(60分)
軽食をご用意します。
13:00-14:10
グループ討論(70分)
複数のグループに分かれて討論
 
14:10-14:20 休憩(10分)
14:20-14:50
討論結果共有(30分)
各グループでの討論結果を共有
14:50-15:00 閉会あいさつ
15:00-16:00 お時間のある方は残って自由討論(60分)

講演者

スーパーコンピュータ「富岳」におけるOpen OnDemandの利用

lecturer

中尾 昌広
理化学研究所 計算科学研究センター 運用技術部門 技師
[略歴]
2013年12月 -(現在): 理化学研究所 計算科学研究センター
2021年4月 -(現在): 運用技術部門 先端運用技術ユニット 技師
2018年4月 - 2021年3月: アーキテクチャ開発チーム 研究員
2013年12月 - 2018年3月: プログラミング環境研究チーム 研究員
2010年4月 - 2013年11月: 筑波大学 計算科学研究センター 研究員
 
[研究分野、研究テーマ]
  • 高性能計算
  • プログラミング言語
  • 最適化アルゴリズム
[受賞歴]
  • HPCIソフトウェア賞【普及部門賞】最優秀賞
  • Graph500 BFS部門 11期連続1位(2025年8月現在)
  • Graph Golf Competition 一般/格子/ホストスイッチグラフの各部門で優勝
  • 情報処理学会 山下記念研究賞
  • HPC Challenge Award Competition Class 2 最優秀賞 など
[アブストラクト]
Open OnDemandは、Webブラウザからスーパーコンピュータを簡単に利用するためのソフトウェアです。コマンドラインに不慣れなユーザでも、計算ジョブの実行、ファイルの操作、リモートデスクトップやJupyterLabなどのGUIアプリケーションの利用が、すべてWebブラウザ上で可能になります。このことから、利便性の向上だけでなく、利用者層の拡大も期待できます。本講演では、スーパーコンピュータ「富岳」におけるOpen OnDemandの導入、活用状況、課題などについてご紹介します。
[キーワード]
  • 高性能計算, 運用技術, ユーザ支援, ユーザインタフェース, Webアプリケーション

大規模言語モデル開発向け
GPUクラウドの調達

lecturer

吉田 浩
国立情報学研究所 クラウド基盤研究開発センター 特任教授
[略歴]
2015年より国立情報学研究所 (NII) クラウド基盤研究開発センターにおいて、クラウド技術およびストレージ技術の研究開発、大学・研究機関のクラウド導入・利活用の支援活動、NIIの事業用・研究用クラウド基盤の整備に従事。2024年よりNII 大規模言語モデル研究開発センターを兼務。2015年以前は富士通株式会社において、クラウド、ストレージ、ソフトウェア関連の開発企画を担当。
[研究分野、研究テーマ]
  • クラウドコンピューティング
  • ストレージシステム
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • IEEE
  • 情報処理学会
[アブストラクト]
国立情報学研究所では、2024年度に、大規模言語モデルの開発を目的として、商用クラウド上の大量のGPU資源を調達して利用した。このクラウド資源の調達プロセスは前年度から約1年をかけて進められた。ここでは、特に策定した調達仕様の技術面に加えて、GPU関連資源およびクラウド特有の考慮点を中心に、調達の概要を説明する。
[キーワード]
  • 大規模言語モデル、GPU、パブリッククラウド、クラウド内ネットワーク、クラウドストレージ

スーパーコンピュータ「富岳」による台風に伴う竜巻の数値シミュレーション

lecturer

吉田 龍二
横浜国立大学 環境情報研究院 准教授
[略歴]
2022年4月~現在
  横浜国立大学 環境情報研究院 自然環境と情報専攻 /都市科学部 環境リスク共生学科 / 総合学術高等研究院 台風科学技術研究センター
2018年8月~2022年3月
  米国海洋大気庁(NOAA)Earth System Research Laboratories, Chemical Sciences Laboratory
2011年10月~2018年7月
  理化学研究所計算科学研究機構複合系気候科学研究チーム
2014年9月
  京都大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻 論文博士認定 (博士 理学)
[研究分野、研究テーマ]
  • メソ気象学,組織化積乱雲群
  • 熱帯大気,熱帯低気圧発生過程,熱帯域大規模循環
  • 数値大気モデル開発
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 日本気象学会
  • アメリカ地球物理学連合
  • アメリカ気象学会
  • 海洋開発研究機構 ブルーアース11ポスター若手奨励賞(平成23年3月)
  • 日本気象学会 2017年度気象集誌論文賞(平成30年5月)
[アブストラクト]
富士通株式会社と国立大学法人横浜国立大学の富士通SRLは、スーパーコンピュータ「富岳」上で、富士通の大規模並列処理技術と、横浜国立大学台風科学技術研究センターの坪木和久教授が開発した数値大気モデル Cloud Resolving Storm Simulator を組み合わせることで、これまで困難だった台風に伴って発生する竜巻の予測を可能にする、高速かつ高解像度な気象シミュレーションを実現した。本講演では、その詳細について紹介する。
[キーワード]
  • 気象学, 台風,竜巻,数値地球流体力学, 高解像度モデル

宇宙天気予測シミュレーション
-太陽嵐の影響予測 -

lecturer

塩田 大幸
情報通信研究機構 電磁波研究所電磁波伝搬研究センター 宇宙環境研究室 宇宙天気予報グループ 研究マネージャー
[略歴]
2023年5月 - 現在 情報通信研究機構 研究マネージャー
2023年8月 - 現在 名古屋大学 宇宙地球環境研究所 客員教授
2020年 – 2023年 情報通信研究機構 主任研究員
2017年 – 2020年 情報通信研究機構 研究員
2013年 – 2017年 名古屋大学 特任助教
2010年 – 2013年 理化学研究所 基礎科学特別研究員
2009年 – 2010年 名古屋大学 研究員
2008年 – 2009年 海洋研究開発機構 ポストドクトラル研究員
2007年 – 2008年 国立天文台 研究員
[研究分野、研究テーマ]
  • 太陽物理学
  • 太陽圏物理学
  • 宇宙天気
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 日本天文学会
  • 地球電磁気・地球惑星圏学会
[アブストラクト]
太陽コロナで発生する爆発現象「太陽嵐(太陽フレア・コロナ質量放出(CME))」は、地球に到来すると地球周辺の宇宙空間の環境(宇宙天気)を大きく乱し、宇宙空間を利用する社会インフラなどに影響が及ぶことがある。太陽嵐の影響を予測するため、太陽観測データに基づく惑星間空間の磁気流体力学シミュレーションを用いた予測システムを開発した。その概要とともに情報通信研究機構の宇宙天気予報業務の中で実際に利用された事例を紹介する。
[キーワード]
  • 宇宙天気, 太陽嵐(太陽フレア・CME), 太陽風, 磁気流体力学シミュレーション

HPCアプリケーションのGPGPU化事例

lecturer

多湖 和馬
富士通株式会社 ミッションクリティカルシステム事業本部 テクニカルコンピューティング事業部
[略歴]
富士通株式会社に入社後、製造業務向けアプリの開発・業務適用、民間企業向けHPC運用支援を行う。現在はHPCアプリケーションに対する性能評価、高速化等に従事している。
[アブストラクト]
富士通は長年にわたり、スーパーコンピュータの構築をはじめとするHPCビジネスに取り組んできました。近年GPUスパコンの普及が進む中で、利用者がGPUを有効利用できるように、HPCアプリケーションのGPGPU化サービスを展開しています。本発表では、Miyabiスーパーコンピュータ向けに実施したHPCアプリケーションのGPGPU化の事例を取り上げます。HPCアプリケーションにおけるGPGPU化のアプローチ、実装過程での課題と解決策をご紹介します。
[キーワード]
  • GPGPU, OpenACC, HPCアプリケーション, OSS

第47回SS研総会

 

日時 2025年4月25日(金) 総会 15:00-17:30
          懇親会17:40-19:00
開催方法

ハイブリッド開催 集合+オンライン開催(Zoom)

会場

総会:JR川崎タワー20階大会議室M201
懇親会:JR川崎タワー20階大会議室M201
※JR川崎駅付近にあるJR川崎タワーでの開催となります。JR武蔵中原駅前にある「川崎工場」とは別物になりますのでご注意ください。

参加対象 SS研会員
参加費 総会:無料
懇親会:500円(当日受付にて申し受けます。)
参加申し込み  [開催済]

プログラム(敬称略)※予告なく変更する場合がございます。予めご了承下さい。

14:30- 受付開始
14:50- ZOOMアクセス開始
15:00-15:05
開会挨拶・議案書投票結果報告
岡村 耕二(九州大学)
15:05-15:30
総会議事

 議案結果報告
 変更更点説明

15:30-16:30
講演50分+QA10分

特別講演
量子コンピュータの未来
 多様な技術、産業化に向けたG-QuATの挑戦
 浦野 千春 (産業技術総合研究所) プロフィール
 

現在提案されている量子コンピュータには様々な方式があります。大規模な量子コンピュータの構築に向けた開発競争は始まったばかりで、それぞれに長所と短所があり、技術的課題が多く存在します。現時点では最適なアプローチを断定することは難しく、複数の技術を並行して観察する必要があります。今後、新しい技術が登場することで、展望が大きく変わる可能性もあります。本講演では、量子コンピュータの歴史、開発ロードマップ、そしてG-QuATの産業化への取り組みについて紹介します。

 量子コンピュータ, 量子ビット, 大規模化, 産業化, 技術的課題
15:30-15:45 休憩[15分]
15:45-17:25
講演 30分+QA 10分

富士通講演
富士通における量子コンピューティングへの取り組み
近藤 正雄 (富士通株式会社) プロフィール
 

富士通は次世代のコンピューティング技術として量子コンピューティングの研究開発に取り組んでいます。応用先が広がると期待される量子ゲート方式において、量子デバイスから基盤ソフト、アプリまで、すべての技術領域をカバーしています。エラー訂正や量子シミュレータなどのソフトウェア技術に特に注力する一方、ハードウェアは世界有数の研究機関とグローバルに連携しながら、幅広く可能性を追求する体制で、研究開発を推進しています。

量子コンピュータ, 誤り耐性量子計算, 量子アプリケーション, 量子シミュレータ、ダイヤモンドスピン
17:25-17:30
閉会挨拶
高木 亮治 (宇宙航空研究開発機構)
17:30-17:40 移動・休憩
17:40-19:00
懇親会
※会費制:500円(当日受付にて申し受けます)
★立食形式の簡易懇親会になります。

講演者

量子コンピュータの未来
多様な技術、産業化に向けたG-QuATの挑戦

lecturer
浦野 千春 (Urano Chiharu)
産業技術総合研究所
量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター(G-QuAT) 企画室長
[略歴]
 1995年3月 東京大学 工学部 物理工学科 卒業
 2000年3月 東京大学大学院 工学系研究科 超伝導工学専攻
                     博士課程 修了
 2002年4月 産業技術総合研究所 計測標準研究部門 入所
 2023年7月 産業技術総合研究所
           G-QuAT 量子センサーチーム長
 2024年4月 産業技術総合研究所 G-QuAT 企画室長
 2007年~2008年 国際度量衡局(BIPM)訪問研究員
 2010年~2011年 米国国立標準技術研究所(NIST)
                     訪問研究員

[研究分野、研究テーマ]
  • 超伝導技術の精密物理計測への応用

[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 日本物理学会、応用物理学会
  • 第22回超伝導科学技術賞受賞

富士通における量子コンピューティングへの取り組み

lecturer
近藤 正雄 (Kondo Masao)
富士通株式会社 富士通研究所
量子研究所
シニアディレクター
[略歴]
 1995年 東京工業大学大学院 理工学研究科
      無機材料工学専攻 博士課程修了 博士(工学)
 1995年 (株)富士通研究所 基盤技術研究所 入社
 2005年 (株)富士通研究所 材料・環境技術研究所
                     主任研究員
 2008年 (株)富士通研究所 R&D戦略室 担当部長
 2009年 (株)富士通研究所 基盤技術研究所
               エネルギー技術研究部長
 2011年 (株)富士通研究所 
        環境・エネルギー研究センター 主管研究員
 2016年 富士通研究開発中心有限公司 R&D戦略室長
 2019年 富士通研究開発中心有限公司 董事兼総経理
 2022年 富士通株式会社 量子研究所 シニアディレクター
  現在に至る

[研究分野、研究テーマ]
  • 機能性材料デバイスの研究開発
  • 強誘電体デバイスの研究開発
  • 環境・エネルギー関連技術の研究開発

[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 日本セラミックス協会
  • 日本セラミックス協会 電子材料研究討論会 研究奨励賞(2002年)

 

合同分科会 2024年度会合「本物か偽物か ~真実はいつもひとつか?~」

印刷用ご案内

日時 2024年10月29日(火) 分科会 13:30~17:50
開催方法 場所:神戸国際会議場
集合開催(当日の各講演の配信予定はありません。)
参加対象 SS研会員、CS研会員、IS研会員の各機関にご所属の方
参加費 無料
参加申込み 開催済
その他 本会合は、2024年度秋イベント(28日:科学技術計算分科会教育環境分科会BoF、29日:システム技術分科会、合同分科会)の一部です。

開催趣旨

 ディープフェイクを始めとする生成AI技術の進展により、私達は本物と見分けがつかないコンテンツが容易に作成され、日常的に目にする時代に生きています。この新しい技術は、誤情報や偽情報の拡散という重大なリスクを孕んでいる一方で、私たちの創造性をさらに広げる可能性も秘めています。 本年度の合同分科会では、生成AI技術の現状とその潜在的な危険性を理解し、どのようにして真実を見極め、技術を安全かつ効果的に活用するかについて様々な観点から議論します。情報が氾濫する現代において、真実の価値が問われる今だからこそ、私たちは情報の信頼性を見極め、正しい判断を下す力を養う必要があります。技術の進化とその影響について深く考える機会とし、真偽の混じる情報との健全な関係を築くための知見を共有します。真実はいつもひとつ、か?

プログラム(敬称略)※予告なく変更する場合がございます。予めご了承下さい。

【公開可能な資料のみ会合後に掲載予定】

Session1 [司会]楫 勇一(名古屋大学)
13:30-13:40
会長挨拶
岡村 耕二 (九州大学情報基盤研究開発センター)
開催趣旨説明
立川 智章 (東京理科大学)
13:40-14:35
講演 35分
Q&A 10分
講演
自然言語処理による欺瞞と広がりの検出
生成AI時代のフェイクニュース対策
狩野 芳伸 (静岡大学)プロフィール
 

人々の意見や気持ちを形作る媒体は、マスメディアからSNSへと移行しています。その中で欺瞞・フェイクニュースを検出し、意図的な意見形成への影響を防ぐことは火急の対策を要する状況です。テキストメッセージは作成伝達のコストが低い一方で人々への影響力は大きく、我々の研究では自然言語処理による解析と人物属性の推測を基盤とし、最終的には世論形成過程のシミュレーションを目標としています。こうした取り組みを周辺関連技術の説明を交えてご紹介します。

 自然言語処理, 生成AI, フェイクニュース, SNS, 世論
  プレゼン資料(11/6版)(PDF:1.4MB)
14:25-15:10
講演 35分
Q&A 10分
講演
ディープフェイクの実態と対策
計算社会科学の見地から
笹原 和俊 (東京科学大学)プロフィール
 

本講演では、急速に進化するディープフェイクの現状とその社会的影響を解説し、計算社会科学の視点から対策を議論します。まず、最新のAI技術によるディープフェイクの生成とソーシャルメディアでの拡散の様々な事例とその背後にあるメカニズムについて解説します。さらに、ディープフェイクの検出技術の現状と課題、拡散抑止のための多様な介入方法を紹介し、技術的・社会的側面の両面からの対応策を議論します。

 計算社会科学, 複雑系科学, フェイクニュース, ディープフェイク, 情報拡散
プレゼン資料(PDF:5.7MB) 
15:10-15:15
展示紹介
15:15-16:15 休憩&展示見学(60分)
Session2 [司会]原田 慶(富士通株式会社)
16:15-17:00
講演 35分
Q&A 10分
講演
インターネットに信頼をもたらす偽情報対策技術
~偽情報の検知・評価・システム化~
山本 大 (富士通株式会社)プロフィール
 

近年、自然災害や医療・選挙・経済などさまざまな分野で偽・誤情報がインターネットに流通し、大きな社会問題となっています。本講演では、インターネット上の真偽不明な情報に対処するために、富士通が研究開発に取り組んでいる、多様な根拠情報に基づく真偽判定技術について紹介します。また、2024年7月に「経済安全保障重要技術育成プログラム」に採択された、偽情報対策システムの研究開発について紹介します。

 偽・誤情報, フェイクニュース, 生成AI, 統合分析, SNS
 プレゼン資料(11/5版)(PDF:3.2MB)
17:00-17:45
講演 35分
Q&A 10分
講演
デジタルトラストの現状と課題
湯淺 墾道 (明治大学)プロフィール
 

虚偽情報やディスインフォメーションへの対策が各国で急務となっている。国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)社会技術開発センター(RISTEX)では、2023年度から「情報社会における社会的側面からのトラスト形成」プログラムを設定し、研究開発プログラムを募集している。デジタルトラスト、デジタル・ソーシャルトラストという概念自体に明確な定義や一般的な理解が存在するわけではなく、本プログラムでは、高度情報社会の進展が生む市民の不安や不利益等の社会問題について情報の受け手側と発信側、あるいは情報との間の「トラスト」形成の在り方の問題と捉えている。本稿では、デジタルトラスト、デジタル・ソーシャルトラストをめぐる近時の問題の中から、その一端である選挙に関連する問題を紹介し、米国等におけるディスインフォメーションやAI利用に関する法規制の動きについて検討する。

 ファクトチェック,デジタルトラスト,ディスインフォメーション,人工知能,偽情報
 プレゼン資料(11/1版)(PDF:3.3MB)
17:45~17:50
閉会挨拶
松本 多恵 (新潟大学)
17:50-18:10
休憩・会場移動
18:10-19:30
懇親パーティ

※会費制:3,000円(当日受付にて申し受けます)

・司会:山田 久仁 (富士通)
・乾杯:北口 善明 (東京科学大学)
・歓談
・中締め:副会長 高木 亮治(JAXA)

講演者

自然言語処理による欺瞞と広がりの検出
生成AI時代のフェイクニュース対策

lecturer
狩野 芳伸 (Kano Yoshinobu)
静岡大学 情報学部 准教授
[略歴]
2001年東京大学理学部物理学科卒、2003年東京大学大学院情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻修士課程修了、2007年同博士後期課程満期退学、博士(情報理工学)(東京大学、2011年)。同特任研究員、JSTさきがけ研究者等を経て、2014年に静岡大学学術院情報学領域 准教授(現在に至る)。人工知能学会代議員・論文誌副編集長、情報処理学会・言語処理学会各正会員。専門分野は自然言語処理とその対話・医療・政治・法律各分野における応用。本講演関連の外部資金として、セコム科学技術振興財団 特定領域研究助成 情報セキュリティ分野「SNSにおける欺瞞とその広がりの自動検出・推測と政治学・社会学的分析および予防的介」研究代表者、科学技術振興機構創造的戦略研究推進事業さきがけ「文理融合による人と社会の変革基盤技術の共創」領域「社会精神状態と世論形成過程のシミュレーション」研究代表者など。

ディープフェイクの実態と対策
計算社会科学の見地から

lecturer

笹原 和俊(Sasahara Kazutoshi)
東京科学大学環境・社会理工学院 教授(※10/1~)
[略歴]
2005年東京大学大学院総合文化研究科修了。博士(学術)。名古屋大学大学院情報学研究科助教・講師、東京工業大学環境・社会理工学院准教授・教授を経て、現職。国立情報学研究所客員教授。2009年カリフォルニア大学ロサンゼルス校客員研究員、2016年インディアナ大学客員研究員。2016?2020年JSTさきがけ研究者。
[研究分野、研究テーマ]
計算社会科学。特に、フェイクニュースやディープフェイクの科学。
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 計算社会科学会
  • 人工知能学会
  • 映像情報メディア学会 ベストアーティクル賞,2023
  • 公益財団法人電気通信普及財団 第38回電気通信普及財団賞(テレコム学際研究賞),2023
  • 第2回NTTデータTwitter Innovation Contest 最優秀賞・日立製作所特別賞,2019
  • 笹原和俊(共著)『ネット世論操作とデジタル影響工作』,原書房,2023
  • 笹原和俊(単著)『ディープフェイクの衝撃 AI技術がもたらす破壊と創造』PHP研究所,2023
  • 笹原和俊(単著)『フェイクニュースを科学する 拡散するデマ、陰謀論、プロパガンダの仕組み』,化学同人,2021

インターネットに信頼をもたらす偽情報対策技術
~偽情報の検知・評価・システム化~

lecturer
山本 大
富士通株式会社 富士通研究所 データ&セキュリティ研究所 リサーチディレクター
[略歴]
2007年(株)富士通研究所に入社。2011-2012年ベルギー ルーヴェン・カトリック大学客員研究員。2019年(株)富士通研究所主任研究員。2023年より現職。近年はゼロトラスト時代の新たなトラストアーキテクチャである「Trust as a Service」や、真偽判定支援など偽情報対策技術の研究開発に従事。博士(工学)。
[研究分野、研究テーマ]
  • 偽情報対策、デジタルトラスト
  • ネットワークセキュリティ
  • 暗号実装、ハードウェアセキュリティ
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 電子情報通信学会 情報セキュリティ研究会 専門委員(2019年~現在)
  • 電子情報通信学会 暗号と情報セキュリティシンポジウム SCIS論文賞(2015年)受賞
  • 令和5 年度関東地方発明表彰 発明奨励賞 受賞

デジタルトラストの現状と課題

lecturer
湯淺 墾道 (YUASA Harumichi)
明治大学専門職大学院ガバナンス研究科教授
[略歴]
青山学院大学法学部卒業。九州国際大学教授・副学長、情報セキュリティ大学院大学教授・副学長をへて2021年より現職。明治大学学長室専門員、日本サイバー犯罪対策センター(JC3)理事、JPCERT/CC理事、科学技術振興機構(JST)社会技術開発センター(RISTEX)プログラム総括、日本学生支援機構CIO補佐官などを併任。
[研究分野、研究テーマ]
  • 電子政府
  • 個人情報保護、プライバシー保護
  • サイバーセキュリティ
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • サイバーセキュリティ法制学会副理事長
  • 情報処理学会(2024年度山下記念研究賞)
  • 著書『情報化社会の政治と制度』『被災地から考える日本の選挙』(共著)ほか

システム技術分科会 2024年度会合 無線通信の未来展望 ~ここに来ればミライが見える!ワイヤレスネットワークの将来を語ろう!~

印刷用ご案内

日時 2024年10月29日(火) 9:00-12:00
会場 場所:神戸国際会議場
ハイブリッド開催 集合+オンライン配信(ZOOM)
参加対象 SS研会員、CS研会員、IS研会員の各機関にご所属の方
参加費 無料
参加申込み 開催済
その他 本会合は、2024年度秋イベント(28日:科学技術計算分科会教育環境分科会BoF、29日:システム技術分科会、合同分科会)の一部です。

開催趣旨

無線通信技術は、私たちの社会と経済を支える重要な基盤となっており、現代社会において無くてはならないインフラとして当たり前の存在になってきている。スマートフォンをはじめとするモバイルデバイスの普及により、無線通信は人々の生活に深く根付いている。今日の世界では、無線通信は単なる通信手段を超えて、情報の共有、業務の効率化、社会的つながりの強化、そして経済成長の推進など、多岐にわたる役割を果たしている。

5Gの普及はその代表的な例であり、広帯域かつ低遅延の通信により、IoT、スマートシティ、自動運転など、これまで実現不可能だった革新的なサービスを可能にしている。これにより、都市のインフラがスマートに管理され、交通の効率化やエネルギーの最適化が進み、生活の質の向上と持続可能な社会の実現に貢献している。さらに、現在研究が進められている6G 技術は、さらなる通信の広帯域化やネットワークの拡張を実現し、新たな社会的価値を創造することが期待されている。

また、無線LAN(Wi-Fi)は、大学や企業、公共施設、家庭などあらゆる場所で利用されており、インターネット接続の主要手段として不可欠な存在となっている。大学や企業などにおける無線LAN の運用とその長い歴史から得られたノウハウは、無線通信技術の進化を支える重要な知見を提供する。こうした知見は、新しいネットワークインフラの構築や、より効率的で信頼性の高いネットワークの運用に向けた指針となる。

さらに、ローカル5G の実証実験も各地で進行中である。ローカル5G は、特定の地域や用途に応じてカスタマイズされたネットワークを構築し、産業のデジタルトランスフォーメーション(DX)や地域社会の活性化に大きく寄与している。例えば、スマートファクトリーやスマート農業、遠隔医療など、多様な分野でローカル5G の利活用が期待されており、社会の多様なニーズに対応する柔軟な通信インフラの提供が進んでいる。

このような状況を踏まえ、本年度のシステム技術分科会2024 年度会合では、無線通信技術の社会的役割とその重要性について深く掘り下げ理解を深めるために、「無線通信の未来展望~ここに来ればミライが見える!ワイヤレスネットワークの将来を語ろう!~」をテーマとし、無線通信の進化が社会にもたらす変革をともに見据え、その進化がもたらす新しい可能性に向けた議論を行いたい。

プログラム(敬称略)※予告なく変更する場合がございます。予めご了承下さい。

【公開可能な資料のみ会合後に掲載予定】

8:30- 受付開始(現地)
8:50- アクセス開始(オンライン)
 [司会]永田 正樹 (静岡大学)
9:00-9:05
開催趣旨説明
藤村 丞 (福岡大学)
9:05-9:40
講演 35分

講演1
静岡大学におけるWiFi運用史
 動作状況分析による無線LAN品質改善の取組み
山崎 國弘 (静岡大学) プロフィール
 

モバイルデバイスの普及とBYOD定着で無線LANは大学の教職員・学生にとって最も身近なネットワークとなっている.授業時間中は接続数とトラヒックが多く,授業時間毎に全端末が入替わるなど利用状況が大きく変動する.静岡大学ではAP増設でWiFi4~6混在環境となり無線LAN品質低下事象が顕在化,問題解決のために動作状況分析による改善の取組みをおこなっている.無線LAN品質改善の取組み事例と必要性を感じた運用支援機能について紹介する.

動作状況分析,稠密環境,無線LAN,混在利用,ログデータ
プレゼン資料(PDF:8.9MB)
9:40-10:15
講演 35分

講演2
5Gの高度化と6Gに向けた取り組みと将来展望
須山 聡(株式会社NTTドコモ)プロフィール
 

5Gのさらなる高度化を目指した研究開発および国際標準化が進められている.さらに,2030年頃に実用化が見込まれる6Gに向けた検討も国内外で精力的に進められている.本講演では,5Gの高度化と6Gに関する国内外動向や標準化スケジュール,無線技術の検討領域や展望,それらに関するドコモの取り組みについて紹介する.

5G Evolution, 6G, 無線アクセス技術, 電波伝搬,実証実験
プレゼン資料(PDF:6.9MB)
10:15-10:50
講演 35分

講演3
大阪大学におけるローカル5Gの実証実験から見えてきた課題
大平 健司 (大阪大学) プロフィール
 

大阪大学は2022年10月よりNICT(国立研究開発法人情報通信研究機構)総合テストベッドのB5Gモバイル環境テストベッドサイトとなった。またこれとは別に2024年2月より学内システム連携ローカル5G無線通信システム一式が導入された。本講演では、これらのローカル5G環境の導入過程およびこれらを用いたローカル5Gネットワークの運用に関する実証実験を通じて得られた知見・課題について述べる。

ローカル5G, 導入・運用, 実証実験
プレゼン資料(PDF:1.6MB)
10:50-11:05 休憩(15分)
11:05-11:55
講演 50分

パネルディスカッション
「無線通信の未来展望」
ファシリテーター:
廣瀬 幸 (九州工業大学)
パネリスト:
山崎 國弘 (静岡大学)
大平 健司 (大阪大学)
須山 聡  (株式会社NTTドコモ)
11:55-12:00
閉会挨拶
田邊 俊治 (国立情報学研究所)

講演者

静岡大学におけるWiFi運用史
 動作状況分析による無線LAN品質改善の取組み

lecturer
山崎 國弘 (Kunihiro Yamazaki)
静岡大学 情報基盤センター 客員教授
[略歴]
2010年から静岡大学 情報基盤センター 客員教授
日本電信電話株式会社にて遠隔検針システム、コールセンタステム、ビジネスホン、PBX、多重化伝送装置、CTI(通信端末機器のコンピュータ制御)システムなどの開発に従事.2015年より株式会社アバンセシステム 執行役員
無線LANの稼働状況分析及び品質改善に取り組んでいる.大学ICT推進協議会2019年度年次大会「eduroamの認証要求の集中による過負荷事象の発生と対策実施について」で優秀論文賞受賞.

5Gの高度化と6Gに向けた取り組みと将来展望

lecturer

須山 聡 (Suyama Satoshi)
株式会社NTTドコモ 6Gテック部 担当部長
[略歴]
2001年から東京工業大学の助手・助教として移動通信における無線伝送技術の研究に従事.2013年に株式会社NTTドコモに入社し,5Gの無線アクセス方式・技術の研究開発,実証実験及びシステムトライアルに従事.現在は,6Gの無線アクセス技術の研究開発及び実証実験を推進.6Gテック部無線アクセス技術担当の担当部長.XGモバイル推進フォーラム(XGMF)6G無線技術プロジェクトのサブリーダ.2023年から東京工業大学の特定教授も兼務.
2010年に東京工業大学で博士(工学)取得.電子情報通信学会シニア会員,IEEE会員.
電子情報通信学会において,学術奨励賞(2005年),論文賞(2012年),通信ソサイエティ論文賞(2022年)などの各種賞を受賞.国際会議European Wireless Technology Conference (EuWiT) 2009 とIEEE International Symposium on Personal, Indoor and Mobile Radio Communications (PIMRC) 2016においてBest Paper Awardを受賞.加えて,2021年に電気通信普及財団賞(テレコムシステム技術賞)を受賞.

大阪大学におけるローカル5Gの実証実験から見えてきた課題

lecturer
大平 健司(Kenji Oohira)
大阪大学 情報推進本部 准教授
[略歴]
 2021年4月 - 現在 大阪大学 情報推進本部 准教授
 2019年4月 - 2021年3月 大阪大学 情報推進本部 講師
 2015年12月 - 2019年3月 徳島大学 情報センター 講師
 2012年8月 - 2015年11月 奈良先端科学技術大学院大学
               情報科学研究科 特任助教
 2011年4月 - 2012年7月 名古屋大学 情報連携統括本部 特任助教
 2008年4月 - 2011年3月 京都大学 学術情報メディアセンター 特定助教
[研究分野、研究テーマ]
  • ネットワーク管理運用
  • 経路制御
  • 情報セキュリティ
  • 公衆無線インターネット接続サービス
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 電子情報通信学会
  • 情報処理学会
  • IEEE
  • ACM

BoF 2024年度 BoF "Birds of a feather" 

BoF : 特定のテーマに興味を持つ有志による集会

日時

2024年10月28日(月)19:30~21:00
開催方法 集合開催ビックエコー生田ロード店(三ノ宮駅周辺カラオケ店)
グループに分かれて議論を行います。各部屋ごとに話題提供を行い、コーディネーターが進行をしてディスカッションを行います。
参加対象 SS研会員、CS研会員、IS研会員の各機関にご所属の方
参加費 2,000円(飲食含む。現地にて徴収予定)
参加申込み 開催済
その他 本会合は、2024年度秋イベント(28日:科学技術計算分科会教育環境分科会、BoF、29日:システム技術分科会合同分科会)の一部です。

開催趣旨

 「異なる専門分野の人たちや、異なる機関の人たちと知的な交流が行える場」の提供は、SS研の魅力の一つです。
 今年も,SS研秋イベントの開催に合わせ、BoF(Birds of a Feather)を開催します。BoFは、SS研の活動の中でも、最も「ざっくばらん」に意見交換、そして、交流のできる場の一つです。
 日常の活動や、自分の専門分野の学会では顔を合わすことがない人たちとの出会いと会話は、知的好奇心に新たな刺激を与え、視野を広げ、考えを深めてくれます。
 「ちょっと覗いてみようか」で参加できるBoFで、SS研の魅力を堪能してください。

プログラム(敬称略)※予告なく変更する場合がございます。予めご了承下さい。

 

19:30-
開始
19:30-20:00
30分
自己紹介&話題提供(各部屋ごと)
「情報人材育成 ~何ができる人が足りないの?~」

事務局側でグループ分けさせていただきます。指定の部屋に分かれていただき、自己紹介&話題提供を行います。

20:00-21:00
60分
ディスカッション

各部屋のコーディネーターの進行でディスカッションを行います。なお、議論した内容はレポートにまとめて後日ホームページに掲載させていただく予定です。

報告書①(PDF:580KB)
報告書②(PDF:3.6MB)
報告書③(PDF:354KB)
報告書④(PDF:492KB)