イベント情報

教育環境分科会 2024年度会合 教育DXを活用した大学の将来像とは? ~オープンバッジ・マイクロクレデンシャルの活用方法を考える~

印刷用ご案内

日時 2024年10月28日(月) 13:30-17:25
会場 場所:神戸国際会議場
ハイブリッド開催 集合+オンライン配信(ZOOM)
参加対象 SS研会員、CS研会員、IS研会員の各機関にご所属の方
参加費 無料
参加申込み 開催済
その他 本会合は、2024年度秋イベント(28日:科学技術計算分科会、教育環境分科会、BoF、29日:システム技術分科会合同分科会)の一部です。

開催趣旨

 近年、デジタルトランスフォーメーション(DX)が話題となる一方で、大学を未来に向けて、どのように変革していくかを考える必要が生じています。 その1つとして、オープンバッジやマイクロクレデンシャルといったデジタル証明書の活用が挙げられます。 オープンバッジは、デジタル形式で取得できるスキルや経験の証明書であり、学習成果や専門知識を視覚的に示し、オンラインで共有できる仕組みです。 マイクロクレデンシャルは、学修成果を証明し、明確な基準に基づいて評価されることで教育の質を保証することを目指すものです。これらのデジタル証明書を活用することで、 学習成果をどのように可視化し、学習者の能力を効果的に評価・証明できるかを検討することが求められています。
 本分科会では、オープンバッジやマイクロクレデンシャルに関する概要、大学や企業における具体的な活用事例を紹介し、教育DXを活用した未来の大学教育のあり方について議論します。

プログラム(敬称略)※予告なく変更する場合がございます。予めご了承下さい。

【公開可能な資料のみ会合後に掲載予定】

13:00- 受付開始(現地)
13:20- アクセス開始(オンライン)
 [司会]久保田 真一郎 (熊本大学)
13:30-14:00
講演 30分

講演1
「高等教育DXの将来像
 オープンバッジ・マイクロクレデンシャル活用の観点から」
重田 勝介 (北海道大学)プロフィール

本講演では、高等教育のデジタル化(教育DX)を推進するにあたっての可能性と課題を整理すると同時に、オープンバッジやマイクロクレデンシャルを導入する意義について解説する。国内外の高等教育機関における教育DXの事例やオープンバッジ、マイクロクレデンシャル導入の事例から、高等教育を進化させる手法としてオープンバッジ、マイクロクレデンシャルに着目する背景と活用の展望を示す。

高等教育,教育DX,オープンバッジ,マイクロクレデンシャル
プレゼン資料(PDF:2.2MB)
14:00-14:45
講演 45分

講演2
「マイクロクレデンシャルとデジタル学修歴の国内外の最新動向と標準化」
井上 雅裕 (慶應義塾大学) プロフィール

産業構造の急速な変化への対応やイノベーションを推進できる人材の育成のために、大学で修得した知識だけでなく、卒業後も継続的に学習を行うことが期待されている。これに対して修士や学士などの学位プログラムを補完する教育として、特定の領域を比較的短期間で学び、その学修成果を証明するマイクロクレデンシャルが各国で注目されている。マイクロクレデンシャルは教育制度と学修歴をデジタル発行するためのデジタルバッジ等の情報技術で構成される。ここでは,これらの最新動向と標準化、および教育制度と情報技術からなるアーキテクチャについて述べる。

マイクロクレデンシャル, デジタルバッジ, 標準化, アーキテクチャ, 国際連携
プレゼン資料(PDF:3.5MB)
14:45-15:00 休憩(15分)

15:00-15:25

講演 25分

講演3
「大阪大学における教学DXの現状と課題
-Open BadgeとMicro Credential を中心に-」
竹村 治雄 (大阪大学) プロフィール
都竹 茂樹 (大阪大学) プロフィール

本講演では、大阪大学における教育学習支援情報システムの変遷を通して、教学DXの実現に向けた取り組み状況を紹介する。特に、学生のニーズに適合した教育の提供の方法についての考察と、それを実現するために技術的背景であるマイクロクレデンシャルの活用と、そのために必要となるオープンバッジの導入の現状と課題について述べる。
あわせて演者の都竹が熊本大学において実施した「バッジを活用した社会人向けブレンディッドラーニングプログラムの事例」についても紹介し、バッジの活用方法について考える。

教育DX, オンライン学習, オープンバッジ, 教育学習支援情報システム, マイクロクレデンシャル
プレゼン資料(PDF:4.3MB)
15:25-15:50
講演 25分

講演4
「中央大学におけるオープンバッジ活用
:「学修成果可視化」ツールとしての特徴を考える」
佐藤 信行 (中央大学)プロフィール

中央大学は、2021年度に一般財団法人オープンバッジ・ネットワークが発行するオープンバッジの実証実験導入を行い、現在はいくつかの場面で活用を行っている。本学では、オープンバッジを学修成果可視化の有用な手段の一つと考えており、ポートフォリオ等各種の可視化手段と組み合わせた活用を模索しているところである。そこで、今回は、本学における学修成果の可視化に関する考え方とオープンバッジの位置づけを中心として、本学の取組事例をご紹介したい。

学修成果可視化,オープンバッジ, ポートフォリオ, 中央大学, 事例研究
プレゼン資料(PDF:766KB)
15:50-16:15
講演 25分

講演5
「オープンバッジを活用したDXの推進
 ~カルチャー変革とスキル開発の両輪~」
松井 正徳 (株式会社富士通ラーニングメディア) プロフィール

デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する上で、個人の成長と組織の成長は不可欠です。本講演では、富士通におけるオープンバッジを活用したスキル開発とカルチャー変革の取り組みを紹介します。近年の人的資本経営やジョブ型人材マネジメントの潮流を踏まえ、組織戦略で必要とされるスキルを可視化・管理し、社員の自律的な学びと学びの文化の醸成を促進することについて考えます。

DX, カルチャー変革, 人的資本経営, ジョブ型人材マネジメント, オープンバッジ
プレゼン資料(PDF:4.6MB)
16:15-16:30 休憩(15分)
16:30-17:20
講演 50分

パネルディスカッション
「教育DXを活用した大学の将来像とは?
~オープンバッジ・マイクロクレデンシャルの活用方法を考える~」
ファシリテーター:
隅谷 孝洋 (広島大学)
パネリスト:
重田 勝介 (北海道大学)
井上 雅裕 (慶應義塾大学)
都竹 茂樹 (大阪大学)
佐藤 信行 (中央大学)
松井 正徳 (株式会社富士通ラーニングメディア)
17:20-17:25
閉会挨拶
村上 正行 (大阪大学)

講演者 / パネルディスカッション パネリスト

「高等教育DXの将来像
 オープンバッジ・マイクロクレデンシャル活用の観点から」

lecturer
重田 勝介(Shigeta Katsusuke)
北海道大学 情報基盤センター 教授
[略歴]
北海道大学情報基盤センター教授。大学院教育推進機構オープンエデュケーションセンター副センター長・オープン教育開発部門長。 大阪大学大学院卒(博士 人間科学)。東京大学助教等をへて現職。研究分野は教育工学・オープンエデュケーション。
[研究分野、研究テーマ]
  • 教育工学
  • オープンエデュケーション
  • ハイブリッド型学習
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 日本教育工学会
  • 教育システム情報学会
  • 情報処理学会
  • 信教育学会 等

「マイクロクレデンシャルとデジタル学修歴の国内外の最新動向と標準化」

lecturer

井上 雅裕(INOUE Masahiro)
慶應義塾大学 大学院システムデザイン・マネジメント研究科 特任教授
一般社団法人オープンバッジネットワーク理事
[略歴]
慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科 特任教授、芝浦工業大学名誉教授、 早稲田大学大学院理工学研究科 物理学及応用物理学専攻 博士前期課程修了、博士(工学)、技術士(情報工学部門)、 シニア教育士(工学・技術)、三菱電機株式会社、芝浦工業大学教授、同副学長を経て、2021年4月より現職。
一般社団法人PMI日本支部理事 教育国際化委員会委員長、 一般財団法人オーブンバッジネットワーク理事、 JV-Campus/JMOOC マイクロクレデンシャル合同WG発起人、 IEEEシニアメンバ
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 「大学のデジタル変革―DXによる教育の未来―」東京電機大学
出版局
  • 「M2M/IoTシステム入門」森北出版
  • 「組込みシステム」共立出版
  • 「システム工学 -定量的な意思決定法-」オーム社
  • 「システム工学 -問題の発見・解決の方法-」オーム社
  • 「学生を成長させる海外留学プログラムの設計」東信堂
  • 「プロジェクトマネジメント・ツールボックス」 鹿島出版

「大阪大学における教学DXの現状と課題
-Open BadgeとMicro Credential を中心に-」

lecturer
竹村 治雄(TAKEMURA Haruo)
大阪大学 スチューデント・ライフサイクルサポートセンター
副センター長・特任教授(非常勤)
[略歴]
1987年3月 大阪大学 大学院基礎工学研究科 物理系専攻情報工学分野 博士後期課程単位取得退学
1987年4月 - 1992年3月 (株)国際電気通信基礎技術研究所・研究員
1991年4月 - 1994年3月 (株)国際電気通信基礎技術研究所・主任研究員
1994年4月 - 2001年3月 奈良先端科学技術大学院大学・情報科学研究科・助教授
2001年4月 - 2024年3月 大阪大学 サイバーメディアセンター 教授
2003年4月 - 2024年3月 大阪大学情報科学研究科 情報システム工学専攻 教授(兼任)
2022年4月 - 2024年3月 大阪大学 スチューデントライフサイクルサポートセンター 教授(兼任)
2024年4月 大阪大学 名誉教授
2024年4月 - 現在 大阪大学 スチューデント・ライフサイクルサポートセンター 特任教授(非常勤)
[研究分野、研究テーマ]
  • ヒューマン・コンピュータ・インタラクション
  • VR/AR/MR 3次元ユーザインタフェース
  • 教育学習支援情報システム
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 電子情報通信学会
  • 情報処理学会
  • 日本バーチャルリアリティ学会
  • ヒューマンインタフェース学会

「大阪大学における教学DXの現状と課題
-Open BadgeとMicro Credential を中心に-」

lecturer
都竹 茂樹(TSUZUKU Shigeki)
大阪大学 スチューデント・ライフサイクルサポートセンター
教学DX部 教授
[略歴]
1991年3月 高知医科大学医学部卒業 (医師)
1995年3月 名古屋大学大学院医学研究科満了 (医学博士)
2006年6月 ハーバード大学公衆衛生大学院修了(MPH、公衆衛生学修士)
2011年3月 熊本大学大学院教授システム学専攻修了(修士・教授システム学)

1997年4月 - 1999年10月 国立長寿医療研究センター疫学研究部 リサーチレジデント
1999年10月 - 2000年9月 ハワイ骨粗鬆症財団 客員研究員
2003年4月 - 2004年3月 ホノルルハートプログラム 客員研究員
2007年10月 - 2011年7月 高知大学医学部公衆衛生学教室 准教授
2011年7月 - 2023年3月 熊本大学 教授(政策創造研究教育センター、教授システム学研究センター)
2023年4月より現在 大阪大学スチューデント・ライフサイクルサポートセンター 教学DX部 教授
[研究分野、研究テーマ]
  • 教育工学(インストラクショナル・デザイン)
  • ヘルスプロモーション
  • トレーニング科学
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 日本教育工学会
  • 教育システム情報学会
  • 日本臨床運動療法学会
  • 日本公衆衛生学会

「中央大学におけるオープンバッジ活用
 :「学修成果可視化」ツールとしての特徴を考える」

lecturer
佐藤 信行(Sato Nobuyuki)
中央大学大学院法務研究科 教授
中央大学教育力研究開発機構長 中央大学副学長
[略歴]
2021年04月 中央大学教育力研究開発機構長(創設時機構長)
2020年07月 中央大学副学長
2011年01月 中央大学副学長(~2014年11月)
2011年04月 中央大学情報環境整備センター副所長(~2013年03月)
2006年04月 中央大学大学院法務研究科教授
2001年04月 尚美学園大学教授(~2006年03月)
1995年03月 釧路公立大学専任講師・准教授(~2001年03月)
2000年03年 博士(法学、中央大学)
1992年03月 中央大学大学院法学研究科博士後期課程公法専攻満期退学
[研究分野、研究テーマ]
  • 情報法、法情報学
  • 英米加公法
  • 比較憲法
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 日本カナダ学会(元会長、理事)
  • 比較法学会理事
  • 日米法学会評議員
  • 日本公法学会、全国憲法研究会、憲法理論研究会会員
  • 地方公共団体情報システム機構本人確認情報保護委員会委員長
  • 佐藤信行「学修成果可視化とオープンバッジの活用」大学時報(日本私立大学連盟)410号(2023年5月)88頁

「オープンバッジを活用したDXの推進
 ~カルチャー変革とスキル開発の両輪~」

lecturer
松井 正徳(Matsui Masanori)
富士通ラーニングメディア カスタマーサクセス本部
[略歴]
学びの場づくり×ITに可能性を感じ、IT系人材育成サービス会社に入社。 研修講師やソリューション営業を経て、富士通グループのDX人材育成やカルチャー変革の推進に従事。 現在は、社内外に公開可能なスキル・経験のデジタル証明書「オープンバッジ」やスキル開発フレームワークの立ち上げから設計推進を担っている。 「“志むすぶ”を学びのセンターにする」を胸に、社内では神山まるごと高専Crew、社外でもキャリア教育やHRコミュニティ/地域コミュニティの運営、SHIMOKITA COLLEGEの社会人チューターとして、学びの場づくりの挑戦を広げている。
[受賞歴など]
  • 第1回オープンバッジ大賞 優秀賞企業部門

科学技術計算分科会 2024年度会合 AI で導く次世代のサイエンス  ~AI+Science=?~

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■まんがレポート

日時 2024年10月28日(月) 13:00-18:00(予定)
会場 場所:神戸国際会議場
ハイブリッド開催 集合+オンライン配信(ZOOM)
参加対象 SS研会員機関ご所属の方
参加費 無料
参加申込み 開催済
その他 本会合は、2024年度秋イベント(28日:科学技術計算分科会教育環境分科会BoF、29日:システム技術分科会合同分科会)の一部です。

開催趣旨

近年、AIを科学に応用する取り組みが多様な分野で広がりを見せています。これらの取り組みは、従来の科学技術シミュレーションに対し、計算時間や資源の削減に寄与するだけでなく、複雑でモデル化が難しい現象の予測や、従来の手法では見つけられなかった新たな関係やパターンの発見につながるものとして、期待が寄せられています。

しかし、科学技術計算のためのAIモデルに関する研究開発はまだ始まったばかりであり、現在も改良に向けた試行錯誤が続けられています。さらに、AIモデルの予測結果の信頼性や、学習に必要な計算資源、などの課題も指摘されています。

そこで今回の科学技術計算分科会では、AIの科学技術計算への応用に取り組まれている専門家の方々を講師としてお迎えし、AI+サイエンスの現状や今後の展望についてお話しいただきます。また、講演後に講師や参加者の皆様が気軽に情報交換できるよう、コーヒーブレイクを長めに設定したプログラムを予定しております。

この機会に、AI+サイエンスに対する期待や疑問を存分に語り合っていただければ幸いです。

プログラム(敬称略)※予告なく変更する場合がございます。予めご了承下さい。

【公開可能な資料のみ会合後に掲載予定】

12:30- 受付開始(現地)
12:50- アクセス開始(オンライン)
   [司会] 藤田 直行 (宇宙航空研究開発機構)
13:00-13:10
開催趣旨説明
南里 豪志 (九州大学)

13:10-13:55
講演 40分+ 5分

講演1
実験・計算科学・データ科学を組み合わせた材料研究(放射性廃棄物材料の例)
大窪 貴洋 (千葉大学)プロフィール
 

計算科学を援用した材料開発や物理化学研究は、ハードウェアや方法論の進展によって急速に進展している。今後、機械学習や人工知能に代表されるデータサイエンス、計算科学・実験データらを高度に融合することで、さらなる発展が見込まれる。講演者は放射性廃棄物や電池部材の材料研究を行っており、実用上の課題解決に重きをおいた研究を行っている。発表では、実験と計算科学、データサイエンスを組み合わせて材料研究を行った研究事例を紹介する。

固体電解質、放射性廃棄物、核磁気共鳴、第一原理計算、分子動力学計算
プレゼン資料(PDF:7.3MB)
13:55-14:40
講演 40分+ 5分

講演2
高性能計算と人工知能で加速する脳シミュレーション
五十嵐 潤 (理化学研究所)プロフィール
 

脳情報処理機構や脳疾患機序の解明に向け、生理学実験やシミュレーションが盛んに行われ、全脳規模の結合構造や神経活動の観測、脳シミュレーションが取り組まれている。データは多様になり、データ量や処理の計算量は指数関数的に増加しており、可能性は広がる一方で、その扱いの困難さは増加している。これに対して、人工知能は、神経科学と高性能計算を結び付け、脳データ解析や数理シミュレーションを加速・拡張する可能性がある。本講演では、富岳による脳シミュレーションの例を紹介し、次の時代の脳シミュレーションに向けた、AIの適用可能性の検討や取り組みについて紹介する。

神経回路シミュレーション, 大脳皮質, コネクトーム、高性能計算、人工知能
プレゼン資料(PDF:3.7MB)
14:40-15:25
講演 40分+質疑 5分

講演3
気象・気候分野におけるAI for Science
 AIは気象・気候研究に役に立つか?
中野 満寿男 (海洋研究開発機構) プロフィール
 

ここ2,3年の大手テック企業によるAI天気予報モデルの開発には目をみはるものがありました。一方で、徐々に気象ドメイン側でもこれらのモデルの検証が進み、様々な問題点が指摘されるに至っています。本講演ではAI天気予報モデル研究をはじめとする気象・気候分野でのAI活用についてレビューしつつ、これから我々が進むべき道についても議論できればと思います。

数値天気予報, サロゲートモデル, 極端気象, 気候変動, 予測可能性
プレゼン資料(PDF:7.3MB)
15:25-16:00 休憩+座談(35分)

16:00-16:45
講演 40分+質疑 5分

講演4
産業界でのAI活用
 サロゲートモデルでエンジニアリングを加速
宮本 裕平 (みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社) プロフィール
 

近年のAI・機械学習技術の発展に伴い、様々な産業分野においてその活用が始まっています。コンピュータを利用した物理シミュレーションにおいても、シミュレーションの一部をサロゲートモデルに置き換える計算高速化や、サロゲートモデルを用いた効率的な最適化検討など、新たな可能性が広がっています。本講演では、サロゲートモデルを活用してエンジニアリングを加速させるための展望についてお話しします。

機械学習, AI, サロゲートモデル, 数値解析, 物理シミュレーション
プレゼン資料(PDF:4.7MB)

16:45-17:30
講演 40分+質疑 5分

講演5
HPCとAIを活用した材料探索・シミュレーション技術の開発
吉本 勇太 (富士通株式会社) プロフィール
 

材料開発は、初期の研究段階から市場投入までに多大な時間とコストを要します。近年、HPCとAIを駆使した材料探索技術やシミュレーション技術が注目されており、これにより材料開発のサイクルを大幅に短縮することが期待されています。本発表では、弊社で開発を進めている、HPCとAIを活用した材料探索プラットフォームや、大規模・長時間の機械学習分子動力学計算を安定に実行する技術、データ間の因果関係を抽出する技術などについてご紹介します。

材料探索, 分子動力学, 機械学習, 原子間ポテンシャル, 因果発見
プレゼン資料(PDF:3.9MB)
17:30-17:40
閉会挨拶
南里 豪志 (九州大学)
17:40-18:00
座談

講演者

実験・計算科学・データ科学を組み合わせた材料研究(放射性廃棄物材料の例)

lecturer
大窪 貴洋
千葉大学大学院工学研究院 准教授
[略歴]
2015年4月 - 現在 千葉大学, 大学院 工学研究院, 准教授
 2010年4月 - 2015年3月 千葉大学, 大学院 工学研究院, 助教
 2007年10月 - 2010年3月 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 固体高分子形燃料電池基盤研究センター, 研究員
 2005年4月 - 2007年9月 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 地層性分研究開発部門, 産学連携研究員.
[研究分野、研究テーマ]
  • 固体電解質中のイオン伝導機構の解明
  • 放射性廃棄物処分の安全評価研究
  • 核磁気共鳴実験の開発
  • 計算科学と実験を融合した解析法の開発
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 化学会
  • 電気化学会
  • セラミックス協会
  • 原子力学会
  • 核磁気共鳴学会

高性能計算と人工知能で加速する脳シミュレーション

lecturer

五十嵐 潤
理化学研究所 計算科学研究センター 高性能人工知能システム研究チーム 上級研究員
[略歴]
 2020年4月 - 現在 理化学研究所 計算科学研究センター 高性能人工知能システム研究チーム 上級研究員
 2016年4月 - 2020年3月 理化学研究所 情報システム本部 上級研究員
 2013年4月 - 2016年3月 沖縄科学技術大学院大学 神経計算ユニット スタッフサイエンティスト
 2009年4月 - 2013年3月 理化学研究所 次世代計算科学研究開発プログラム 特別研究員 脳回路機能理論研究チーム
 2007年4月 - 2009年3月 九州工業大学 生命隊工学研究科 研究員 
 2007年3月 九州工業大学 生命体工学研究科博士後期課程修了、博士(工学).
[研究分野、研究テーマ]
  • 計算神経科学
  • 大規模神経回路シミュレーション
  • 振動的神経活動の情報処理における役割や脳疾患機序への関与
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 所属学会:神経回路学会学会、神経科学学会
  • 受賞歴:CNS2019, Trainee Poster Competition Award
         平成28年度 日本神経回路学会 全国大会 論文賞
         平成23年度 日本シミュレーション学会研究賞
         平成21年度 日本神経回路学会 全国大会 大会奨励賞
         SACSIS2007「Cellスピードチャレンジ2007優秀賞
  • 著書:山﨑匡、五十嵐潤、はじめての神経回路シミュレーション、森北出版

気象・気候分野におけるAI for Science
 AIは気象・気候研究に役に立つか?

lecturer
中野 満寿男
海洋研究開発機構 地球環境部門環境変動予測研究センター  副主任研究員
[略歴]
 2007年3月 九州大学大学院理学府地球惑星科学専攻博士課程修了
 2007年5月~2010年3月 (財)地球科学技術総合推進機構 研究員
 2010年4月-2017年3月 海洋研究開発機構 特任研究員
 2017年4月-2023年10月 海洋研究開発機構 研究員
 2018年11月-2019年11月 欧州中期予報センター Visiting Scientist
 2023年4月-現在 横浜国立大学台風科学技術研究センターIMS客員准教授 (兼務)
 2023年10月-現在 海洋研究開発機構 副主任研究員
[研究分野、研究テーマ]
  • 台風などの極端気象予測
  • 雲解像―渦解像大気海洋結合モデル
  • 予測可能性
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 日本気象学会
  • 米国気象学会
  • 米国地球物理学連合

産業界でのAI活用
 サロゲートモデルでエンジニアリングを加速

lecturer
宮本 裕平
みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社 サイエンスソリューション部
[略歴]
 2015年~現在 みずほリサーチ&テクノロジーズ サイエンスソリューション部
[業務分野]
  • 商用CAEソフトを用いた受託解析、技術コンサルティング
  • 数値計算プログラムの開発

HPCとAIを活用した材料探索・シミュレーション技術の開発

lecturer
吉本 勇太
富士通株式会社 富士通研究所 コンピューティング研究所 イノベーティブコンピューティングCPJ プリンシパルリサーチャー
[略歴]
 2014年3月 東京大学 大学院工学系研究科 博士課程修了
 2014年~2015年 株式会社東芝 生産技術センター
 2015年~2023年 東京大学 大学院工学系研究科 特任助教・助教・講師
 2023年4月~現在 富士通株式会社 富士通研究所
[研究分野、研究テーマ]
  • 分子シミュレーション
  • 機械学習の材料科学への応用
  • 輸送現象
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 受賞歴:2020年度 日本機械学会 動力エネルギーシステム部門 優秀講演表彰 他2件
  • 著書:マイクロ・ナノ熱工学の進展(エヌ・ティー・エス 2021年)(分担)

2024年度 秋イベント

日程 2024年10月28日(月)~29日(火)
場所 神戸国際会議場
開催方法 10/28PM 科学技術計算分科会:ハイブリッド開催
     教育環境分科会:ハイブリッド開催
10/28夜 BoF:集合開催
10/29AM システム技術分科会:ハイブリッド開催
10/29PM 合同分科会:現地開催のみ
参加対象 「全体プログラム」参照
参加費 「全体プログラム」参照
参加申込み 開催済
宿泊について 各自で手配をお願い致します。各ホテルは大変込み合いますので、早めの手配をお勧めします。

全体プログラム※予告なく変更する場合がございます。予めご了承下さい。

    参加対象 参加費
10月28日
(月)
科学技術計算分科会2024年度会合(13:00~18:00)
  • テーマ「AIで導く次世代のサイエンス ~AI+Science=?~」
SS研会員 会合:無料
教育環境分科会2024年度会合(13:30~17:25)
  • テーマ「教育DXを活用した大学の将来像とは?~オープンバッジ・マイクロクレデンシャルの活用方法を考える~」
SS研会員
CS研会員
IS研会員
会合:無料
BoF "Birds of a feather"(19:30~21:00)
  • テーマ「情報人材育成 ~何ができる人が足りないの?~」
SS研会員
CS研会員
IS研会員
会費:2,000円
10月29日
(火)
システム技術分科会2024年度会合(9:00~12:00)
  • テーマ「無線通信の未来展望~ここに来ればミライが見える! ワイヤレスネットワークの将来を語ろう!~」
SS研会員
CS研会員
IS研会員
会合:無料
合同分科会2024年度会合 (13:30~17:50)
  • テーマ「本物か偽物か ~真実はいつもひとつか?~」
SS研会員
CS研会員
IS研会員
会合:無料
懇親パーティ(18:10~19:30) SS研会員
CS研会員
IS研会員
会費:3,000円

SS研ICTフォーラム2024 研究データ管理(RDM)とオープンデータの未来~研究データは宝の山!マネジメントの最前線~

印刷用ご案内

日時 2024年8月8日(木) フォーラム 13:00-17:00
開催方法

場所:富士通ソリューションスクエアS棟3階P2
(住所:東京都大田区新蒲田1-17-25)
ハイブリッド開催(集合 + オンライン配信(ZOOM))

参加対象 SS研会員に限らず、どなたでも参加可能。
(懇親会への会員外ベンダーの参加はご遠慮いただきます。)
参加費 フォーラム:無料
懇親会:500円(当日会場受付にて申し受けます。)
参加申込み 開催済
その他

SS研では本フォーラム以外に以下のオープンフォーラムを開催します。
ご興味がございましたら是非ご参加ください。

開催趣旨

 近年、研究データの管理と活用が科学技術の発展においてますます重要な役割を果たしている。 研究データ管理(RDM:Research Data Management)は、データの収集、保存、共有、再利用を効率的 かつ効果的に行うための体系的なアプローチであり、適切な研究データ管理は、研究の透明性、再現性、 信頼性を向上させるだけでなく、異なる分野間のコラボレーションを促進し、新たな発見を生む可能性を 秘めている。同時に、オープンデータの動きも世界中で広がりつつある。オープンデータの推進は、 データの公共性と利便性を最大限に活用し、学術コミュニティ全体において、知識の進展を促進することが 期待されている。 このような状況を踏まえ、本年度のICTフォーラム2024では、研究データ管理とオープンデータの理解を 深めるために「研究データ管理(RDM)とオープンデータの未来 ~研究データは宝の山!マネジメントの最前線~」 をテーマとし、研究データ管理とオープンデータの最新動向や実践例を共有し、持続可能なデータ管理の実現や 利活用方法などについて議論を行いたい。

プログラム(敬称略)※予告なく変更する場合がございます。予めご了承下さい。

【公開可能な資料のみ順次本ページに掲載予定】

12:50- アクセス開始
 [司会]廣瀬 幸(九州工業大学)
13:00~13:05
開催趣旨説明
藤村 丞(福岡大学)
13:05-13:55
講演 40分
Q&A 10分
講演
オープンサイエンスと研究データ管理
~GakuNin RDMとその活用~
下山武司(国立情報学研究所)プロフィール
 

国際的なオープンサイエンスの流れから、研究活動の公正性を保ちつつ、研究成果を広く共有し利活用できるようにするための、研究データ管理の重要性が高まってきています。この講演では、NIIが提供している、研究データ管理基盤「GakuNin RDM」を起点として、効果的に研究推進を進めるために、このツールをどのように活用し、研究者がより効率的に自身の研究データの管理・共有を実現するのかを説明します。

オープンサイエンス、研究データ管理、GakuNin RDM、研究公正、研究推進
13:55-14:05 休憩(10分)
14:05-14:55
講演 40分
Q&A 10分
講演
データサイエンス型歯科医療情報システムの
試験的運用
野崎一徳(大阪大学歯学部附属病院)プロフィール
岡真太郎(同上)プロフィール
 

データサイエンス型歯科医療情報システムの試験的運用では、歯科医療機器、情報機械、ビッグデータ、診療記録、AIサービスを活用し、近い将来の診療改善を目指しています。現在、歯科医療機器から収集されたデータをビッグデータ解析で処理し、AIサービスが診断や治療計画を支援するための準備を進めています。これにより、診療記録の統合管理と診療の質向上が実現できるよう努めています。

歯科医療機器, 情報機械, ビッグデータ, 診療記録, AIサービス
14:55-15:05

休憩(10分)

15:05-15:55
講演 40分
Q&A 10分
富士通講演
安心安全な研究データ管理・流通の実現に向けて
研究活動の不正行為(捏造、改ざん、盗用)対策への課題と挑戦
鈴木和幸(富士通株式会社)プロフィール
 

研究データの管理や学内外への流通に際して、データの発信元や所有権、真正性の証明と合わせて、データ取引の証跡を改ざん不能なデジタルエビデンスとして管理することで、あらゆるデータに対し、安心安全でトラストな利活用を実現する、Fujitsu Computing as a Service Data e-TRUSTを活用した類似事例などを交えてご紹介します。

研究不正対策(改ざん抑止), 証跡・監査, 自己主権型データ流通, eシール
15:55-16:05 休憩(10分)
16:05-16:55
講演 50分
パネルディスカッション
「研究データ管理(RDM)とオープンデータの未来~研究データは宝の山!マネジメントの最前線~」
モデレータ:上繁 義史(長崎大学)
パネリスト:下山 武司(国立情報学研究所)
パネリスト:岡 真太郎(大阪大学歯学部附属病院)
パネリスト:鈴木 和幸(富士通株式会社)
 

講演内容をベースにして、フォーラムのテーマに関連した様々な問題点についてディスカッションを行う。

16:55~17:00
閉会挨拶
木戸 善之(岡山理科大学)
17:00-17:30 休憩・懇親会準備
17:30-19:00
懇親会(会員外ベンダーの参加はご遠慮いただきます。)
※会費制:500円
  • お飲み物とおつまみの簡易パーティです。お気軽にご参加下さい。

講演者

オープンサイエンスと研究データ管理
~GakuNin RDMとその活用~

lecturer
下山 武司(Shimoyama Takeshi)
国立情報学研究所 オープンサイエンス基盤研究センター
特任准教授
[プロフィール]
2020年4月-現在 国立情報学研究所, オープンサイエンス基盤研究センター
1991年4月-2020年3月(株)富士通研究所, セキュリティ研究所
[研究分野、研究テーマ]
  • 数式処理技術
  • 暗号技術の研究開発
  • 研究データ管理
[所属学会、受賞歴、著書など]
所属学会
  • 電子情報通信学会、情報処理学会
受賞歴
  • 2014年6月 電子情報通信学会 業績賞
  • 2013年10月 ドコモ・モバイル・サイエンス賞, NPO法人モバイル・コミュニケーション・ファンド
  • 2013年6月 情報処理学会 喜安記念業績賞受賞
  • 2012年1月 暗号と情報セキュリティシンポジウムイノベーション論文賞受賞, 電子情報通信学会
  • 2008年5月 情報処理学会 喜安記念業績賞受賞
  • 2007年11月 第55回電気科学技術奨励賞(オーム技術賞)受賞, 電気科学技術奨励会
  • 2007年10月 IWSEC2007 Best Paper Award, IWSEC2007実行委員会
  • 1997年1月 暗号と情報セキュリティシンポジウム論文賞,電子情報通信学会
著書
  • 気付力が夢を叶える! 研究開発力を格段に高める思考と実践法、日刊工業新聞社 2012年
  • 情報セキュリティ 暗号,認証,倫理まで、昭晃堂 2003年
  • 情報セキュリティ事典、共立出版 2003年

データサイエンス型歯科医療情報システムの試験的運用

lecturer

野崎 一徳(Nozaki Kazunori)
大阪大学 歯学部附属病院 口腔医療情報部 部長
[プロフィール]
2001年3月に北海道大学歯学部を卒業後、同年4月に大阪大学大学院歯学研究科博士課程に入学。2004年3月に博士(歯学)の学位を取得し、同年4月より大阪大学サイバーメディアセンターで教務職員として勤務。2006年4月に大阪大学大学院情報科学研究科博士後期課程に入学し、2009年9月に博士(情報科学)を取得。2011年7月にフランスのジョセフ・フーリエ大学Gipsa-Labで客員教授を務め、同年8月に大阪大学大学院基礎工学研究科に特任講師(常勤)として加わる。2013年4月に大阪大学歯学部附属病院医療情報室の助教に就任し、2019年7月から准教授、同年8月に室長、2024年4月より口腔医療情報部に改組され、部長に就任。医療情報学とコンピュータサイエンスの融合研究を続けている。日本情報処理学会、日本医療情報学会、日本補綴歯科学会、日本老年歯科医学会、日本機械学会、IADR各会員。
[研究分野、研究テーマ]
  • 歯科医療情報学・分散無限前提のデータサイエンス
  • 音声発話・構音障害
  • 計算機科学・分散システム
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • IEEE/ACM SC06 HPC Analytics Challenge Best paper, 2006
  • 生体医工学会ベストリサーチアワード, 2011
  • Journal of Dental Research 編集委員, 2024-
  • ISO/TC 106, 215 委員, 2023-

データサイエンス型歯科医療情報システムの試験的運用

lecturer

岡 真太郎(Oka Shintaro)
大阪大学 歯学部附属病院 オーラルデータサイエンス共同研究部門 特任助教
[ぷろ]
2016年 3月 大阪大学歯学部 卒業
2016年 4月 大阪大学歯学部附属病院 研修歯科医
2021年 3月 大阪大学大学院歯学研究科口腔科学専攻 修了(博士(歯学))
2021年 4月 大阪大学歯学部附属病院 特任研究員
2023年 4月 大阪大学歯学部附属病院 特任助教
[研究分野、研究テーマ]
  • 医療情報学
  • 機械学習
  • 個人情報保護
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 日本医療情報学会
  • 日本歯科保存学会 認定医
  • 日本歯内療法学会

安心安全な研究データ管理・流通の実現に向けて
研究活動の不正行為(捏造、改ざん、盗用)対策への課題と挑戦

lecturer
鈴木 和幸(Suzuki Kazuyuki)
富士通株式会社 アドバンスドテクノロジー事業本部
Digital App Platform CaaSプラットフォーム部
[プロフィール]
  • 2008年 株式会社FFCに入社(配属後、富士通資本100%のFAE/富士通アドバンストエンジニアリングに社名変更)
    Windowsセキュリティ製品開発やWebアプリ画面コンポーネントなど開発に従事
  • 2011年 共通技術部門でPKG製品の開発に従事するとともに、他部門とコア技術等で提案・開発支援などを実施
  • 2016年 グッドデザイン賞 イベント運営支援ソリューション EXBOARDの開発に従事
    https://www.g-mark.org/gallery/winners/9dd846d7-803d-11ed-af7e-0242ac130002
  • 2022年 エンジン部品加工に関するAIモデル、および、AIモデル管理支援PKG「COLMINA 現場品質AI 運用管理パッケージ」開発に従事
    https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP626555_Z00C22A2000000/
  • 2021年 会社統合に伴い富士通に移籍
  • 2022年 異なるサービス間や個人や企業間の安心安全なデータ流通と活用を実現する「CaaS Data e-TRUST」のエンジニアとして開発や顧客提案などに従事
  • 2022年 富士通と帝国データバンク、「日本版eシール」の社会実装に向けた実証実験結果の報告書を公表
    https://pr.fujitsu.com/jp/news/2022/11/9.html
  • 2022年 富士通Japanとの実証実験を開始 学修情報の証明と流通を目指す
    https://www.kwansei.ac.jp/news/detail/4717

SS研HPCフォーラム2024 HPC、どう使ってる? ~HPCをもっと楽しもう!~

印刷用ご案内

日時 2024年8月6日(火) 10:00-16:00
開催方法 場所:富士通ソリューションスクエアS棟3階P1
(住所:東京都大田区新蒲田1-17-25)

ハイブリッド開催(集合 + オンライン配信(ZOOM))
配信は午前中のみとなります。是非、現地での討論にご参加ください。また、現地参加には人数制限があります。先着順となりますのでご了承ください。
参加対象 SS研会員に限らず、どなたでも参加可能。
参加費 無料
参加申込み [開催済]
その他 SS研では本フォーラム以外に以下のオープンフォーラムを開催します。
ご興味がございましたら是非ご参加ください。

開催趣旨

 今回のHPCフォーラムは、従来の講演会形式ではなく、参加者の皆さんが小グループに分かれて議論を行うワークショップ形式で開催し、より良いHPCの使い方について大いに討論して頂きたいと思います。
 昨今、HPC上で実行されるアプリケーションはMPI等を使った並列シミュレーションだけではなく、大規模ワークフローの実行やPythonで記述されたフレームワーク経由でHPCを使う事例が増えてきています。
 このように使い方が多様化するアプリケーションをHPC上でより良く使うには、個々のプログラムの性能や利用者毎の使い勝手だけでなく、システム全体の効率や利用者間の公平性などを総合的に考える必要があります。そこで、今回のHPCフォーラムでは、まず数名の講演者の皆様に、現在HPCがどのように使われているのか、もしくは、より良いHPCの利用に向けてどのような方法が考えられるか、などについてお話しして頂きます。その後、参加者の皆さんに小人数のテーブルに分かれて頂き、昼食も含めて3時間ほど、HPCの使い方について自由に討論(もしくは雑談)して頂きます。最後に、各テーブルでの討論の概要を参加者全体で共有することで、今後のより良いHPC環境の実現に向けた一歩に出来れば、と考えております。
 前半の話題提供はオンラインと現地のハイブリッド開催ですが、後半の討論は現地のみでの開催です。是非この機会に現地でご参加いただき、HPCの使い方についての雑談をお楽しみください。

プログラム(敬称略)※予告なく変更する場合がございます。予めご了承下さい。

【公開可能な資料のみ順次本ページに掲載予定】

9:30- 受付開始  (現地参加)
9:50- アクセス開始(オンライン参加)
[司会]富士通委員
10:00-10:10
開催趣旨説明
南里 豪志(九州大学)
10:10-12:00
話題提供
話題提供(予定)
創薬DXプラットフォーム
  千葉 峻太朗(理化学研究所)
      プロフィール・アブストラクト
      講演資料 (PDF:4.3MB)

天気予報を支えるHPC ~「数値予報」の実際~
  長谷川 昌樹(気象庁)
      プロフィール・アブストラクト
      講演資料 (PDF:5.1MB)

生成AIで拓くものづくりの民主化と自動化
  西口 浩司(名古屋大学)
      プロフィール・アブストラクト
      講演資料 (PDF:4.3MB)

スーパーコンピュータ「富岳」で学習した大規模言語モデルFugaku-LLM
  白幡 晃一(富士通株式会社)
      プロフィール・アブストラクト
      講演資料(PDF:3.0MB)

HPCシステムのインタラクティブ化技術 大規模並列アプリの即時実行・効率化
  大辻 弘貴(富士通株式会社)
      プロフィール・アブストラクト
      講演資料(PDF:3.9MB)
12:00-13:00 ランチミーティング(60分)
軽食をご用意します。
13:00-14:10
グループ討論(70分)
複数のグループに分かれて討論
 
14:10-14:20 休憩(10分)
14:20-14:50
討論結果共有(30分)
各グループでの討論結果を共有
14:50-15:00 閉会あいさつ
15:00-16:00 お時間のある方は残って自由討論(60分)

講演者

創薬DXプラットフォーム

lecturer

千葉 峻太朗
理化学研究所 計算科学研究センター 研究員
[略歴]
2017年-現在   理化学研究所 研究員
2013年-2017年 東京工業大学大学院 情報生命博士教育院
         特任助教
2013年      東京工業大学大学院 生体分子機能工学専攻
         櫻井実研究室 博士(工学)取得
 
[研究分野、研究テーマ]
  • 生体分子の解析のための分子シミュレーション・機械学習
  • 創薬計算のためのワークフロー構築
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 日本薬学会 構造活性相関部会 幹事・分野ファシリテータ
  • ライフインテリジェンスコンソーシアム(LINC)のWG03「バイオロジクス・ニューモダリティ」のリーダ
  • 構造活性相関シンポジウム優秀発表賞(口頭) 「幾何学的相互作用解析と機械学習による抗原-抗体複合体側鎖モデル構造の妥当性予測」 第48回構造活性相関シンポジウム (2020年)
  • 構造活性相関シンポジウム優秀発表賞(口頭) 「抗原・抗体複合体立体構造に基づく2アミノ酸同時変異戦略による新規抗体創製」第47回構造活性相関シンポジウム (2019年)
[アブストラクト]
創薬には、薬の標的タンパク質の決定、標的タンパク質の機能を制御する化合物のデザイン、その化合物の医薬品としての安全性の担保、薬効の評価など多数のプロセスが存在します。いままで、私たちは個別のプロセスを高効率化するAIやシミュレーション技術を開発してきました。そして、さらにそれらを一つのシステムに統合し、創薬プロセスを一気通貫させる「創薬DXプラットフォーム」の開発によって、創薬プロセスの全体最適化を目指しています。
[キーワード]
  • IT創薬、DX、HPC,ワークフロー, スーパーコンピュータ「富岳」

天気予報を支えるHPC ~「数値予報」の実際~

lecturer

長谷川 昌樹
気象庁 情報基盤部 数値予報課
数値予報モデル基盤技術開発室 調査官
[略歴]
1987年 気象大学校卒業後、旭川地方気象台、札幌管区気象台、気象庁本庁、気象衛星センターにて、気象観測、地震観測、気象予報、計算機システムの運用・整備、技術開発計画の調整、気象衛星の運用計画・整備計画などに従事。気象業務の様々な現場で、計算機システムの導入に取組む。特に、職歴の半分は歴代スーパーコンピュータシステムの導入・運用管理にあたった。

2024年4月 数値予報課 調査官
2023年4月 気象衛星センター所長
2021年4月 気象衛星課長
2019年4月 気象衛星課 衛星運用事業管理官
2017年10月 企画課 技術開発調整官
2014年4月 情報通信課 プログラム班長
1987年-2014年 旭川地方気象台、札幌管区気象台、気象庁本庁
1983年4月 気象大学校
[アブストラクト]
こんにちの天気予報は、「数値予報」を使うことで高い精度で行われている。これは、HPCによって初めて可能となった非常に高度で複雑な処理である。同時に、国民の安全・安心を支える役割を担っており、いつも欠かさず確実に実行することが求められている。気象庁が毎日の天気予報のために計算している数値予報の中身や、その複雑な処理を確実に管理・実行するための工夫の一端を紹介する。
[キーワード]
  • 数値予報、データ同化、可用性、ジョブ制御、ワークフロー

生成AIで拓くものづくりの民主化と自動化

lecturer

西口 浩司 (NISHIGUCH Koji)
名古屋大学 大学院工学研究科 准教授
[略歴]
名古屋大学 大学院工学研究科 准教授、理化学研究所 計算科学研究センター 客員研究員。2015年 広島大学 大学院工学研究科 博士課程修了、博士(工学)。日東電工株式会社、理化学研究所 計算科学研究機構 特別研究員、理化学研究所 計算科学研究センター 特別研究員、名古屋大学 大学院工学研究科 講師を経て、2023年より現職。超並列計算に適したオイラー型構造・流体統一解法とその深層生成モデル,および産業応用の研究に従事。
[研究分野、研究テーマ]
  • 計算力学(非線形構造解析,流体構造連成解析)
  • 高性能計算
  • 3D生成AI
[所属学会、受賞歴、著書など]
International Association of Computational Mechanics
日本計算工学会
日本機械学会
自動車技術会
土木学会
日本建築学会

[受賞歴]
  1. 第29回計算工学講演会グラフィクスアワード特別賞(High performance賞),2024年6月,日本計算工学会
  2. 第27回計算工学講演会グラフィクスアワード最優秀賞,2022年6月,日本計算工学会
  3. 第27回計算工学講演会グラフィクスアワード動画賞,2022年6月,日本計算工学会
  4. 第26回計算工学講演会グラフィクスアワード特別賞(Meshman Data Science賞),2021年5月,日本計算工学会
  5. 応用力学論文奨励賞,2019年6月,土木学会 応用力学委員会
  6. 応用力学シンポジウム講演賞,2016年12月,土木学会 応用力学委員会
  7. 論文賞,2015年5月,日本計算工学会
  8. 奨学褒章,2010年3月,日本船舶海洋工学会
  9. 奨学褒章,2008年3月,日本船舶海洋工学会
  10. エクセレント・スチューデント・スカラシップ,2007年12月,広島大学
[アブストラクト]
2022年以降,Dream Fusion(Google),Magic 3D(Nvidia),Point-E(OpenAI)をはじめとする3D生成AI(text-to-3Dモデル)が続々と登場している.ただし,自然言語・画像・動画に比べ3D形状のデータセット数は少なく,構造力学的情報が含まれたデータセットは提案されていない.そこで我々は,構造最適設計が難しいギガキャスト構造等への応用を目指し,スーパーコンピュータ「富岳」による超多ケース弾塑性解析で作成したデータセットに基づく3D生成AI(parameter-to-3Dモデル)の研究を進めている.本講演では,その現況と今後の展開について述べるとともに,日米欧で活発化している AI for Scienceの最新動向についても概観する.
[キーワード]
  • 3D生成AI, ギガキャスト, スーパーコンピュータ「富岳」, 弾塑性解析, AI for Science

スーパーコンピュータ「富岳」で学習した大規模言語モデルFugaku-LLM

lecturer

白幡 晃一
富士通株式会社 人工知能研究所
シニアプロジェクトディレクター
[略歴]
2015年3月 東京工業大学 大学院情報理工学研究科 博士後期課程修了 博士(理学)
2015年4月 株式会社富士通研究所 コンピュータシステム研究所 入社
2018年10月~2021年3月 株式会社富士通研究所 ICTシステム研究所 シニアリサーチャー
2021年4月~2022年3月 富士通株式会社 ICTシステム研究所 主任研究員
2022年4月~2023年3月 富士通株式会社 コンピューティング研究所 プロジェクトマネージャー
2023年6月~2024年3月 富士通株式会社 コンピューティング研究所 リサーチディレクター
2024年4月~現在 富士通株式会社 人工知能研究所 シニアプロジェクトディレクター
[研究分野、研究テーマ]
  • 深層学習や構造解析・流体・量子化学シミュレーションの高速化
  • 性能と信頼性を両立する大規模言語モデル・生成AIの開発
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 情報処理学会
  • 2020年、2021年スーパーコンピュータ「富岳」およびABCIを用いて機械学習処理性能ベンチマークMLPerf HPCで世界最高性能を達成
[アブストラクト]
日本のトップスパコンである「富岳」では元々大規模言語モデル(LLM) 等の大規模深層学習モデルの学習は想定アプリケーションでなかったため、それに向けた性能最適化は実装されていなかった。大規模深層学習モデルを開発するための計算環境を整備するため、「富岳」を活用したLLMの分散並列学習手法として、「富岳」上で深層学習フレームワークを用いた大規模分散並列実行の性能を最適化し、日本語を中心とした独自のデータで一からLLMを学習した。
[キーワード]
  • 「富岳」、大規模言語モデル、分散並列学習、生成AI、深層学習

HPCシステムのインタラクティブ化技術
 大規模並列アプリの即時実行・効率化

lecturer

大辻 弘貴 (Ohtsuji Hiroki)
富士通株式会社 コンピューティング研究所
プリンシパルリサーチャー
[略歴]
2021年10月 富士通株式会社コンピューティング研究所
       プリンシパルリサーチャー
 2016年4月 株式会社富士通研究所(現富士通株式会社)入社
 2016年3月 筑波大学大学院コンピュータサイエンス専攻
       博士後期課程修了
       博士(工学)
[研究分野、研究テーマ]
  • 高性能計算環境向けシステムソフトウェア
  • 高速並列ファイルシステム
  • ジョブスケジューラシステム
  • 大規模並列システムの設計・構築および運用
[所属学会、受賞歴、著書など]
  • 情報処理学会学会(HPC研究会運営委員)
  • IEEE会員
[アブストラクト]
HPCシステムの多くは投入されたタスクを順次実行するジョブスケジューラにより運用されていることから、数分で終わる処理であったとしても長時間の待機を余儀なくされることがある。この特性は、大容量化が進むAIアプリケーションをHPCシステムで動作させる際に大きな課題となっている。本講演では、富士通が開発を進めている「インタラクティブHPC」技術の解説と適用事例紹介を行う。本技術は、並列処理の時間分割実行を極めて少ない性能劣化で実現することで、インタラクティブ実行を可能にするとともにシステム全体の利用効率を向上させることができる。
[キーワード]
  • HPCシステム, 効率化, ジョブスケジューラ, バッチキューシステム, タイムスライス実行